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2008年7月 5日 (土)

みやこで義太夫を楽しんだ

京都造形大の京都劇場で素浄瑠璃の会が開催された。浴衣姿の大学生さん,舞妓さんや芸妓さん,お着物姿のご婦人と客席もみやこらしく華やか。
人間国宝・綱大夫さんと清治さんが出演,精鋭豪華メンバーによる「近頃河原の達引」だ。
近頃河原の達引 堀川猿廻しの段
  豊竹呂勢大夫,鶴澤清治,鶴澤清志郎
切 竹本綱大夫,鶴澤清二郎,鶴澤清志郎


先に,綱大夫師匠と,京都造形芸術大学芸術学部教授田口章子氏との対談があった。綱大夫師匠は,同大学で,浄瑠璃の講座の非常勤講師をされているとか。学生さんが羨ましいゾ。恥ずかしながら,お話が難しすぎて敢えなく撃沈。お元気なご様子にホッ。睡蓮さまにご挨拶できました。

前半,老母とおしげの掛け合いは清志郎さんが加わる。お目当ては清治師匠の三味線。切っ先の鋭さ,鋭い気合い,表情一つ変えず,汗もかかず。残響時間が短く,音がクリアな劇場に冴え渡る響きは,音楽というより,百発百中のスナイパーの武器の発射音だ。低音は客席の椅子に沈められるよう,高音は総毛立つようだ。
片や清二郎さんは,劇画でめらめらと炎が身体から発しているかのイメージで,重く残響時間が長い音だ。義太夫本来の情と感動を表現する三味線で,大熱演。清志郎さんは,猿回しの曲から加わる。華やかで切ない連れ弾きだった。
呂勢さんのおつると老母はほのぼのと,綱さんの与次郎にはたっぷり情愛がこもっていた。

これは十三世片岡仁左衛門丈の当たり役で,現在は我當丈が継承しておられる。来年の鑑賞教室は,我當丈の与次郎,進之介丈の伝兵衛,吉弥丈のお俊,おつるは當史弥さん,竹三郎丈の客演で老母で…。またしても話はそこに行ってしまった。

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コメント

>おりんさま
日本橋もさぞ盛況だったことでしょう。九月は人形付きですし、前半は住大夫&錦糸さん、後半はこの組み合わせ。ええやろな~。
泣き笑いでひくっひくっとなるんでしょうねえ。

投稿: とみ | 2008年7月 7日 (月) 18時58分

心配していたので綱さんの復帰うれしいです。ばんざーい♪

非常勤講師されているんですね~!
知らんかったです~。

投稿: おりん | 2008年7月 7日 (月) 12時57分

>D.D.さま
師匠は,若干お顔の油分が少なく,陰影が薄く感じました。対談は篤実に済まされ,本番は細やかな語りでした。清二郎さんはいつもパワー炸裂ですが,ことのほか熱かったです。清志郎さんとの息ぴったりです。
清治さんと清志郎さんは,与次郎の御母堂と手習い子のおつるちゃんとの掛け合いそのままの差異が微笑ましかったです(^^ゞ。

投稿: とみ | 2008年7月 6日 (日) 16時17分

>やたけたの熊さま
>両方行きたい人にとっては”究極の選択”を迫られたわけですね。
最終的には,近い方を選びました。
いつも思っているのですが,清治さんの三味線は義太夫三味線を超え,別のカテゴリーの芸術ということを改めて思い知らされました。一音一音の刺激がきついです。ゴルゴ13みたいな冷徹なスナイパーに見えました。銃撃死しました。バタッ。

投稿: とみ | 2008年7月 6日 (日) 16時10分

私も京都のは知りませんでした!どっちも近所ならこっちに行きたかったです。綱さん大好きなのです。お元気でいらっしゃるとわかってすごく嬉しいです、よかったー。

投稿: D.D | 2008年7月 6日 (日) 15時17分

昨日7月5日は同時刻に、大阪と京都で、素浄瑠璃の会があったんですね!大阪のは知ってましたが、京都のは存じませんでした。
私は法事があってもともと行けなかったんですが、両方行きたい人にとっては”究極の選択”を迫られたわけですね。

投稿: やたけたの熊 | 2008年7月 6日 (日) 09時50分

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