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2008年6月23日 (月)

シネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」

梅田ピカデリーで鑑賞。夕刻18:30分から21:25(インターミッション10分)の回に滑り込んだので,実際の上演時間に近く,懐かしかった。23日の昼には,坂東玉三郎丈が舞台挨拶をされるので完売となっているが,昨夜は10人ばかり。それも贅沢。

原作:有吉佐和子,演出:戌井市郎
幕末の横浜。外国人客も扱う遊郭「岩亀楼」の抱え・亀遊(七之助)は,通詞の藤吉(獅童)と恋仲だったが,米国商人から身請けの話が進行中に自害した。事件は内密に処理されたかに見えたが,尊皇攘夷派のプロパガンダに利用され,亀遊は攘夷女郎として祀り上げられる。亀遊を妹のように可愛がっていた酒癖の悪いおしゃべり芸者・お園(玉三郎)は,遊郭の亭主(勘三郎)の頼みもあるが,次第に顛末の語り部として自律的に語り続ける。

歌舞伎役者が演じるが,元は文学座の杉村春子氏の当たり役で,現在は玉三郎丈の演目だ。
急転する時代のなかにあっても,いとしい男を思い続けるやさしい女の心根は変わることはない。薄幸な遊女も気風のいい芸者も,一見異なった運命をたどるが,等しく精一杯,自らが信じる愛の形に忠実に生きている。
玉三郎丈のお園の洪水のような台詞,絶妙の間,大風呂敷に啖呵と爆笑させていただけるかと思えば,窮地に立たされはらはらどきどきの場面もあり,全く観客の心を自在に翻弄する。
映像的な目新しさはないが,役者さんの細かい演技が楽しめ,舞台を見た者も見損ねた者も大満足の一本だ。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

>ぴかちゅうさま
関西では続映はないみたいです。映画のパンフは買い逃しました。豪華出演陣でも、目が勘太郎丈に吸い寄せられていたのではいけませんでした。もう一度見たかった。

投稿: とみ | 2008年7月 4日 (金) 09時08分

シネマ歌舞伎でもプログラムを買いましたが、演出者の戌井市郎さんの文章が興味深かったです。今回のオール歌舞伎役者版の初日で興奮してしまわれたとか!まさにシネマ歌舞伎にして永久保存するにふさわしい舞台だったんですね。
東京でも丸の内ピカデリーで続映が始まったようです。多くの人に観ていただきたい一本となりました。
それと蛇足ですが、これの次の記事のタイトルを見直しをおすすめします(^O^)/

投稿: ぴかちゅう | 2008年7月 4日 (金) 00時23分

>ムンパリさま
藤山直美さんより面白い玉三郎丈でした。
唐人口の皆さん,調和してましたね~。

投稿: とみ | 2008年7月 3日 (木) 00時17分

とみさま。
玉さまの艶っぽい写真とタイトルに騙されました!確信犯?
美しいだけじゃないんですね。
昆劇からこんな面白い役まで、全部自分のものに
してしまう玉三郎さんには毎回驚かされます。
吉弥さんのチェリーさんも天晴でした♪

投稿: ムンパリ | 2008年7月 2日 (水) 23時44分

>hitomiさま
祭のようなお芝居でしたが,それぞれのお役を楽しそうに呼吸しておられました。
よい台詞いっぱいありましたね。ずっと演じ続けていただきたいです。

投稿: とみ | 2008年6月24日 (火) 23時04分

歌舞伎役者ばかりの大舞台ですね。さすがの玉三郎丈でした。福助さんがたまりませんでした。福助丈の喜劇調、大好きです。

以前、寺島しのぶで鑑賞しました。

投稿: hitomi | 2008年6月24日 (火) 21時42分

>悠さま
皆さん楽しいキャラばかり。ワタクシ的には,勘太郎丈の攘夷少年がお気に入りです。
吉弥丈のアップ!かなりらぶりーでした。

投稿: とみ | 2008年6月24日 (火) 00時07分

玉三郎さんのコメディアンヌぶりをみられてまんぞくでした。ついでに、「二あがりだったよね」ってではじまる三味線と、唄に聞き惚れておりました。唄ってみたいです、「ふる〜あめりか〜に〜〜♪」(笑)。
みなさん芸達者でしたよね。アメリカ人と、通辞のやりとりも、ほんとの英語で、おもしろかったです。ほんと、上質のコメディでした。

投稿: 悠 | 2008年6月23日 (月) 22時43分

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» 「ふるあめりかに袖はぬらさじ」 [猫と薔薇、演劇、旅ファン]
   有吉佐和子の名作を、歌舞伎の舞台にした「ふるあめりかに袖はぬらさじ」が、「シネマ歌舞伎」の第5弾として、上映されている。 有吉が杉村春子にあてがきした作品。杉村では未見。 生前、杉村は「玉三郎さんは美しすぎます。病弱の美しい亀遊さんより綺麗なお園では無理があります」と反対したが、玉三郎の舞台を観て仰天「ちゃんと玉三郎さんのお園になっています」と。 この舞台は端役にいたるまでそうそうたる配役でこれだけの歌舞伎役者を結集できるのも今の玉三郎だからでしょう。 上手す..... [続きを読む]

受信: 2008年6月24日 (火) 21時43分

» 08/06/21 シネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」を堪能 [ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記]
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受信: 2008年7月 4日 (金) 00時16分

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