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2008年5月18日 (日)

宝塚雪組公演全国ツアー初日

Nec_0014宝塚ロマン『外伝 ベルサイユのばら -ジェローデル編-』
原作・外伝原案:池田理代子
脚本・演出:植田紳爾
キャスト

ジェローデル/水夏希,ソフィア/白羽ゆり,ジャルジェ将軍:萬あきら,フェルゼン/彩吹真央,オスカル/音月桂,ロベスピエール/彩那音

「ベルサイユのばら」は宝塚の忠臣蔵で,独参湯とされている。今年は義士銘々伝・ジョローデル,アラン,ベルナール版の3本が上演される。雪組版は,ジョローデルの生き様で,革命後も旧主への忠義を貫く。そのジョローデルとは,全編のヒロイン・オスカルが率いるフランス近衛隊の副長で,後に隊長となる人物。オスカルに求婚するがあっさり断られる。ひらかな盛衰記でいうなら,逆櫓の段の樋口兼光といったところだ。喩えがマニアック過ぎるか。
全て新曲。お馴染みの場面は無い!客席からは安堵のどよめきが…。原作の劇画に近い亜麻色のふわふわヘアーがキモ。水夏希さんは,似合っておられたし,変人だが矜持を重んじる人物として共感できそうで安心。一応これで観劇の目的は全て達成。
○「君や知る。御身が朱に染まらんよりは,我が身は断頭台に消えなんことを。我がシルフィード」とかいう台詞は言わせてあげて欲しかった。ジョローデルのええ台詞のはず…。
○ベルばらは宝塚の義太夫狂言。それも,上方の伝統芸能ということがよっくわかった。日本の伝統芸能は,コメディとトラジティの厳格な区別はなく,悲劇のなかでも爆笑のチャリ場は存在する。鷹揚のご見物を…。

Nec_0013ショー・ファンタジー『ミロワール』-鏡のエンドレス・ドリームズ-
作・演出:中村暁
1月1日に拝見したきりなので,活き活きと手慣れた印象になっていたのでまたまた安心。装置,照明,人数もコンパクトになっていたが,輝きはそのまま。ワタクシ的には,地方公演ならではの良いお席・上手通路で,客席下りの楽しさを体験できた(5レンジャーは4レンジャーだった。)。この回はちょっとしたハプニングがあったが,大過なく終了。長いツアーの幕開けとなった。いってらっしゃい。

水夏希さんが主演男役になって以来,オリジナル宛書きは,「君を愛している」のジョルジュのみなので,つい力が入る。水さんは,カリスマヒーローより,活劇系のチームリーダーがお似合いで,新撰組の土方歳三,ウエストサイドならベルナルド,キャッツならマンカス,何とかレンジャーの隊長がキマリと応援している。どうしても,オリジナル新作の制作が苦しいなら,安寿ミラさんが主演なさったものの再演を希望!

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コメント

>スキップさま
>あのふわふわカールも意外にも(?)お似合いでしたね。
似合いすぎる朝海さんが上におられましたので,めったにふわふわヘアーはありませんでした。あー,心配だった。
>本来ならアンドレが役どころでしょうか。
ハイ,2000年の宙組と2007年の雪組でなさってました。実は,ベルばらはこの2回しか拝見したことないのですが(汗),運よく,水さんのアンドレに巡り合っています。恥ずかしながら浅いです。
>彩吹真央さんの歌の上手さにも感激!でした。
星影の人では,土方歳三。涙の熱唱でした。
劇画って,3頭身のデフォルメが本編中に挿入されていたりしますよね。4コマのベルばらキッズというのもあるそうです。歌舞伎では子役が演じる遠見の演出でしょうか。音月さんのオスカル,可愛かったですね。
文楽でも,チャリ場は,SD版に人形持ち替えるとかしたら面白いかも…と,しょーもないこと考えてました。

投稿: とみ | 2008年5月21日 (水) 12時52分

とみさま
2日目に拝見しました。
水夏希さんのジェローデル、ステキでした。
あのふわふわカールも意外にも(?)お似合いでしたね。
オスカルも演られたことがあるそうですが、本来なら
アンドレが役どころでしょうか。
近頃の宝塚のことには疎いのですが、彩吹真央さんの
歌の上手さにも感激!でした。

投稿: スキップ | 2008年5月21日 (水) 02時47分

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» ベルばらスピンオフ [地獄ごくらくdiary]
“スピンオフ”という言葉が一般的に認知されるようになったのは、「踊る大捜査線」くらいからなのだとか。 今回の「ベルサイユのばら」も、「外伝」と称して、これまで主役ではなかった人々−ジェローデル・アラン・ベルナール−を主役にしたある意味スピンオフ。ただ、原..... [続きを読む]

受信: 2008年5月21日 (水) 02時42分

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