王妃の紋章
王妃の紋章 CURSE OF THE GOLDEN FLOWER
監督:チャン・イーモウ
出演:チョウ・ユンファ,コン・リー,ジェイ・チョウ,リウ・イェ,リー・マン,ニー・ターホン,チェン・ジン,チン・ジュンジエ
あらすじ
チャン・イーモウ監督による絢爛豪華な歴史大作。10世紀,唐時代の中国。美貌の王妃(コン・リー)は継子である皇太子(リィウ・イエ)と不倫関係にあった。王(チョウ・ユンファ)もさるもの,定刻に微量の毒薬を服用するよう王妃に公然と命じていた。王妃は蝕まれてゆく肉体に鞭打ち,なぜか,“重陽節”のため,黄金の菊の刺繍に勤しむ。
“重陽節”には,王と第二王子ジェイ(ジェイ・チョウ)が帰還し,王家の者がそろう。盛大に儀式が執り行われる最中,最初に仕掛けたのは意外な人物だった。そこへ,数千に及ぶ黄金の甲冑姿の兵士たちが城内に侵入する。
家庭内不倫がもたらす陰謀と策略のドラマ。宮廷内の争いは軍隊をも巻き込んで大流血事件に発展する。ハムレットを下敷きにしたチャン・ツィイー主演の女帝「エンペラー」と似ており,「HERO」や「LOVERS」よりもさらにショーアップされた映画に仕上がっている。
イーモウ監督の作品は,色使いが明快で潔い。王家の人々の衣装,兵士の甲冑,衣冠の役人たち,ヴェネツアの貴婦人のようにバスト半開の官女たちの数量に目がくらむ。宮殿内の黄金の装飾,中庭に敷き詰められた菊の花。豪華絢爛,物量作戦に圧倒される。
アクションもさることながら,古代スパルタ軍とペルシャ軍の野戦,忍者の城攻め,ローマ軍の要塞攻めを髣髴とさせるあの手この手の武器や兵器,布陣が楽しすぎる。ほとんどCGゲームと見紛うばかり。
勝敗の行方はタイトルから割れているとはいえ,息もつけない展開に心躍る。終わってみれば何だったんだという一抹の徒労感が残る以外,満点の映画だった。映画館で見る価値あるゾ。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- ナショナル・シアター・ライヴ2014『コリオレイナス』(2014.04.26)
- グランドシネマ日本橋 植木屋さん、飴細工やさん、巡査さんもかっこよろしいんですよ!(2014.03.30)
- アナと雪の女王(吹き替え2D) ブランケットを借りて鑑賞しましょう。すぐに字幕3Dが見たくなるので、併映されている館でみよう。(2014.03.15)
- 風立ちぬ(2013.08.13)
- 華麗なるギャツビー バズ・ラーマン版(2D字幕)(2013.08.12)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
>あさこさま
エンドロールのお歌は,来た来たというところでした。
悲しかったですね。父にも母にも叶った孝行息子でしたのに…。
投稿: とみ | 2008年4月20日 (日) 20時50分
とみさま、こんにちは!
私はものすごく感動したのですが・・・
なんか今の中国のお国事情の縮図のような映画でした。
ジェイ・チョウが亡くなるのは本当に悲しかった。
うち帰って思い出しても胸がつぶれる思いです。
きっと現実に今の中国では
彼のようにバランスの取れた人物は行き場がなくなって
中には非業の死をとげる人もいるのではないか?
と想像してますます悲しくなりました。
投稿: あさこ | 2008年4月20日 (日) 12時31分
>悠さま
黒沢監督の乱みたいな…。リア王とハムレットを綯い交ぜたような…。300にも通じるものありますし。もういっぺんみてもええかな。
投稿: とみ | 2008年4月15日 (火) 23時44分
>映画館で見る価値あるゾ。
そうですよね、あの迫力!!
結構、王妃といえど、早起きなんですよね。ときと、宮殿内に、時と、祝祭をつげまわる人たち、それにあわせて動く人たち、今よりもきついよね、って感じでみてました、私。
投稿: 悠 | 2008年4月15日 (火) 22時57分