長江哀歌
これも,ミニシアターにて。
ジャ・ジャンクー監督による作品。2006年ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。
長江の三峡ダム建設のため,水没する運命の古都・奉節を舞台にしたヒューマンドラマ。監督は,タバコ,酒,茶,飴という市民の生活に根ざしたささやかな嗜好品を題材に,やるせない物語を紡ぎ出す。当初,時代物かと錯誤したが,まごうかたなき現代の物語だ。繁栄のかげで,水没する古都の現実と,生きるためだけの生活を続ける人々。近代化を謳い,オリンピック開催に上昇ムードの中国だが,北京と地方都市や農村部の格差はいかばかりか。しかし,この映画は,悲しみとは程よい距離を置きながら,一生懸命生きている者への暖かいまなざしに溢れている。
我が町京都のように,古都を愛し,継承してゆく贅沢に思い至らせていただいた一本だ。
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コメント
>hitomiさま
画面の綺麗な映画しか見たくなくなる驕りを堪えて見ました。エンタテイメントとはほど遠い映画でしたが,たまにはこんなんもありということでした。
投稿: とみ | 2008年3月19日 (水) 23時23分
私もこの評判高い映画をミニシアターで見ました。行くのはこういう映画館ばかりですが。
投稿: hitomi | 2008年3月19日 (水) 20時45分