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2008年2月

2008年2月28日 (木)

リア王・良心という銀糸で舞台を繋ぐ高橋エドガー

戯曲リア王には,邪悪な庶子が引き起こすグロスター家の悲劇が副筋として添えられる。
はじめ,老グロスターは,王をないがしろにする姉達から王を守ろうと小細工を弄する。しかし,庶子エドマンドはコーンウオール側に付き,疑いを知らない嫡子エドガーを陥れ,父まで亡き者にしようとする。哀れ老グロスターは,両目をえぐられ,リアと同様,嵐の荒野に放逐される。盲いて初めて真実が見えるようになったグロスターは,それと知らずに,乞食トムにやつしたエドガーにめぐり合い,リアにも会えて噴涙する。

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2008年2月26日 (火)

京鹿子娘二人道成寺再見・二つの結末を持つミステリー

ベストセラーミステリーがドラマ化されたとき,ノベルと全く異なった結末が用意されていたとしたら,そしてそれが,衝撃の結末だとしたら,こう叫ぶしかない。
「やられた!」
舞台を鑑賞してこのような経験をするのは,アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を初めて観劇したとき以来だ。巨匠クリスティは,小説と戯曲では異なる二つの結末を用意し,二つながら傑作だ。しかし,これは作家にとってはリスキーな試みだ。原作に心酔し,物語に浸りきっているファンにとって,結末が書き換わることは,自己を否定されたようで,反感が生じることがあるからだ。敢えて取り組むにはその得失を考え抜いたうえのことであっただろう。

何について書いているかというと,本日千秋楽を迎えた,大阪松竹座「坂東玉三郎特別舞踊公演」の「京鹿子娘二人道成寺」である。
市川海老蔵丈が演じる大館左馬五郎による押し戻しまでの上演となった大阪松竹座バージョンは,初演,再演,シネマと構築を続けてきた光と影のデジタル画像の世界から,一気に江戸歌舞伎荒事の世界に押し戻す。

コンセプトは,今回変更となった部分に凝集されている。
「ただ頼め〜」の紫紺のお衣装を脱皮し,墨色の鈴太鼓になったところで,現れるはずの玉三郎花子が登場しなく,菊之助花子の孤軍奮闘のうちに鐘入りとなる。鱗四天が引き上げると,中には,後シテの拵えとなった恐ろしい形相の玉三郎清姫が…。菊之助清姫はすっぽんの切穴から出る。
期が最高潮に熟したところで左馬五郎が堂々の登場。
「大和屋の兄ぃと音羽屋の菊之助によく似た化け物め」
「オレの親父の市川團十郎が幾度も勤めし十八番、歌舞伎の花の押戻し」

空気を変える大音声(やんややんや)。

綺麗な見得の数々の後に,鐘の上に二人の清姫の怨霊が,鎌首をもたげる双頭の大蛇の絵面で鎮まり幕(もうどうにでもしてくれ〜)。
進境著しい菊之助丈であっても,鈴太鼓がお一人では,大蛇側は戦力ダウン。しかも,主体の恐ろしげな玉三郎首が先に正体を割り(最近正体割り過ぎ),ダミーの可愛らしい菊之助首も同じ姿に…。
ここで,過去の上演でお二人が担った光と影,実体と虚像の位置づけが反転していることに気付く。菊之助丈がすっぽんの切穴から登場するのが何よりの証拠。くどいが,正体は蛇体で娘姿が幻影だ。
「こういう玉三郎丈をあと何年見られるだろうか。」,「三人が揃うのはこれが最初で最後になるかもしれない。」という(本題以外の)涙のツボの仕掛けはこれだ。何という自己に厳しく凄まじい演出か(涙)。

過去の上演はテーマ寄り,松竹座版はエンタテイメント寄り。耽美から勧善懲悪,情念から通力へ…。書き換え狂言の趣向を超えて,スリリングなミステリーを読み進む楽しさを味わわせていただいた。
ああ,ミステリー読破には避けられないつらいときがくる。解決編を開けば結末だ。
しかし,創造を続けられる多作の玉様は,早くも次回作をご用意しておられる。貪欲な読者気分にさせていただいたことに感謝し,マイエピローグとなった。
2007年4月1日 シネマ歌舞伎・サブリミナル玉様
2006年2月6日 歌舞伎座二月大歌舞伎・夜の部
2008年2月9日 坂東玉三郎特別舞踊公演 in 大阪松竹座
公演名は,大阪松竹座二月大歌舞伎で良かったような…。いつまでも見ていたい。ポチッ

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2008年2月24日 (日)

平幹二朗丈一世一代の「リア王」

Lear_photo彩の国シェイクスピアシリーズ第19弾。昭和50年代から数々の名舞台を築きあげてこられた蜷川幸雄さんと平幹二朗さんが組む最後の仕事とされている「リア王」だ。蜷川さんも平さんもそれぞれリアには挑戦なさったが,組むのは最初で最後となるようだ。
戯曲/W.シェイクスピア,翻訳/松岡和子
リア王/平幹二朗
コーディリア/内山理名,リーガン/とよた真帆,ゴネリル/銀粉蝶
エドマンド/池内博之,エドガー/高橋洋,道化/山崎一
グロスター伯/吉田鋼太郎,ケント伯/瑳川哲朗
オールバニー公/渕野俊太,コーンウォール公/廣田高志

この芝居に関しては,このメンバーを集めただけで成功したも同じ。演出家というよりプロデューサーとして価値あるご決断をされた蜷川さんに感謝する。
舞台は,松羽目が描かれた粗末な板,無地の板,空を表すホリゾントの3種類の背景で構成される。その他,紅梅白梅の大木,椅子やテーブルやベッド,吊り物と旗指物。床は荒野を表す凹凸があり,砂が撒かれているため散水されていたようだ。降りものの落石も健在だ。
お衣装はジャポニズムを一切排除したシンプルな胴衣に豪華なファーコート,ヘアーはスキンヘッドかショートヘアーでロン毛の鬘もなし。
音は,能管や鼓やつけ打ちを多用し,道化の台詞回しは狂言風,老グロスターとエドガーの道行きは能楽の所作風。

蜷川さんは,リアの悲劇を老耄と短慮が招いた家庭内悲劇の拡大版。コーディリアは想像力と配慮に欠ける娘として矮小化して演出したいとことさら強調なさっておられたようだ。
リアは,冷酷な2人の娘に誇りまではぎ取られ,道化とケントだけを供に,嵐の荒野に放り出される。肉体の苦痛の極致にあって,激しい憎悪と憤怒,狂気と正気の挾間を,フォルテシモの振れ幅で往復しながら,真理を見抜き,邪悪を憎み,貧しきものへの想像力を獲得する。平幹丈のリアは,受難者としての全ての人間を代表する者として,厳然として舞台に存在する。
コーディリアは,父を救うため,フランス軍を率いドーバーに進駐する。勇ましくも美しいこと。序幕でも,追従と偽善を憎み,稚拙ながら一石を投じ宮廷を去る。意外性を強調するための三味線だとしても,コーディリア愚娘説を撤回して欲しい。
これでもかという苦難の最終幕には,縊り殺されたコーディリアを抱いてリアが咆哮するという救いのない結末が待っている。蜷川さんは,ことさら悲劇性を強調し不条理劇として権力者の転落を描きたかったようだが,そこには,運命に能動的に立ち向かい,真理にたどり着いた後に力尽きたヒーローの姿があった。
平幹丈の完全勝利で幕は下りた。果てることのないスタンディングオベイションは平幹丈へのものだった。

平幹丈は,お若いころから,激情を漲らせ,邪悪と苛酷な運命に果敢に立ち向かう主人公を演じてこられた。シェイクスピア劇の主人公は,逡巡し苦しみながらも,二択の場では清く正しい方を選択し,悪人達に挑戦した後に,運命の裁きを粛々と受け容れ,秩序の回復者に後の世を委ね舞台を去る。このような人物像はオイディプスの昔から西洋演劇において描こうとしてきたヒーロー像で,これを演じきる役者さんは,日本には平幹丈のみで,世界的にも高い評価を受けておられる。
初めて平幹丈を拝見した日から40余年。欲目贔屓目コーディリア目線。冷静さを欠いているので一旦置いて,吉田さん高橋さん編は後ほど。
2005年9月17日 ドレッサー
2006年1月15日 獅子を飼う
2007年12月25日マイファーストハムレット

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2008年2月23日 (土)

たくさんの方にお会いできた一日でした

大阪松竹座「坂東玉三郎特別舞踊公演」と蜷川幸雄さん演出の「リア王」を昼夜続けるというヘビーな観劇を決行しました(;^_^A アセアセ…。
大阪松竹座では,ご遠征の雪音さま,和音さま,ゆきよさまにお写真売り場の長い列でお目にかかれました。最後の土日ですので大変な賑わいでした。
シアタードラマシティでは,スキップさまとどら猫さまにご挨拶できました。ありがとうございました。芝居がはねたのが午後10時半近く。降り出した大雪に帰路を急ぎました。
明日は大雪になりそうですので,道中のご安全をお祈り致します。

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2008年2月22日 (金)

L change the World

監督:中田秀夫
出演:松山ケンイチ,工藤夕貴,福田麻由子,南原清隆,高嶋政伸,福田響志,鶴見辰吾,佐藤めぐみ

世界を震撼させたDEATH NOTE事件は多くの生命を犠牲に終結し,新世界の神になろうとした夜神月(やがみらいと)は無残な最期を遂げた。好敵手として死闘を演じたLは,最終段階でDEATH NOTEにLAST NAMEとして自らの名を記するという究極の選択をしたため,余命は23日だ。しかも,Lが失ったものは,自分だけでなく,ワタリというかけがえのない相棒の生命もだった。Lは,ワタリが抱えていた未解決事件に,残された時間を傾注する。
その事件とは,ウイルス兵器の開発をめぐる殺戮だ。親を失ったいたいけな少年少女を救おうと,Lは苦手な分野のアクションで巨悪に立ち向かう。

『DEATH NOTE デスノート』の“L”を主役にしたスピンオフムービー。
恐るべき頭脳戦と演技戦を繰り広げた月とL,藤原竜也さんと松山ケンイチさんだったが,今度の映画は松山さん一人が背負う。
前2作の少年たちを夢中にさせた物語の切れ味は些か損なわれているが,あのLがと思えば全てのことが気にならない。魅力ある主人公の対決がないという当初から面白くなりようがない設定にもかかわらず,Lの孤独と使命感とほんの少しの後悔が痛々しく,気持ち良く泣かせていただける。

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今日はにゃんこの日だ。それはそうと福井さんが何気にタガー

標記のとおり。
是非もなし。平常心,平常心。

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2008年2月21日 (木)

上村吉弥丈は上方歌舞伎を代表する女形と河内厚郎氏は言われた。みよし会情報も…。

20日,日本伝統芸能振興会が主催する「そごう劇場・上方歌舞伎と女形」というセミナーに参加した。そごう劇場は270席だが満席!
●古典はともだち 上方歌舞伎と女形
 第1部 対談「上方歌舞伎について」 上村吉弥vs 河内厚郎
 第2部 対談「女形の魅力」      上村吉弥 vs 河内厚郎
 第3部 素踊り「蓬莱」         上村吉弥
 
第一部と第二部は夙川学院短期大学教授で文化プロデューサー河内厚郎先生との対談だ。河内氏は阪神間の夙川を拠点に,阪神間系モダニズム文化だけでなく,上方の総合文化の再生と発展のための活動を続けられ,昨秋,尼崎で近松文学の異種芸能コラボを実現された。
とはいえ,対談は,吉弥丈のお茶会風で,丈の来し方行く末を縦横にとりとめもなく進んだ。特に,今年の5月24日,25日に開催される上村吉弥丈の自主公演「みよし会」
は,先代の十三回忌+1年に当たるので,心を込めて開催したいとのこと。この演目,この配役,期待される(公式に発表)。
吉弥丈の芸域は,老若男女,善悪の限界に挑戦なさるかのように何でもなさり,いずれにおいても,確かな芸と端正な容姿に裏付けられた品格と情に溢れるものだ。
上方歌舞伎に必要とされる役者となり,どのようなお役も大切に演じてゆきたいという抱負はあられるが,ホンネは,故澤村宗十郎丈がなさっておられたような心熱く闇と情念に突き動かされる女性を演じられたいようだ。
ワタクシ的には,吉村祥太郎ちゃんという素敵なお弟子さんが適齢なうちに,伽羅先代萩,重の井の子別れ,隅田川,袖萩祭文,どんどろ大師の再演など母もの希望。

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2008年2月20日 (水)

心斎橋大丸百貨店もヴォーリズ

心斎橋大丸百貨店もヴォーリズ
自然をモチーフにした精緻な装飾が美しい。中二階という、濃密で秘密めいた空間がお洒落だ。高さ31メートルというのも今考えると品格あるようだ。今から金満そごうを楽しむこととする。

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2008年2月19日 (火)

アメリカン・ギャングスター

監督:リドリー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン,ラッセル・クロウ,キューバ・グッディング,ジョシュ・ブローリン,キウェテル・イジョフォー,カーラ・グギーノ,RZA,ジョン・オーティス

1970年代初期のニューヨーク・ハーレム。合衆国は長期化するベトナム戦争の真っ只中にあった。ハーレムのギャングスターの亡き後を襲った一匹狼のフランクは,ベトナム戦争の軍用機を利用して東南アジアの麻薬を密輸し,瞬く間に巨万の富を築き,イタリア系マフィアからも一目置かれる麻薬王の座に上り詰める。一方,警察内部の腐敗に憤りを感じるはみ出し刑事リッチーは,麻薬取締りのプロジェクトチームを任される。

伝説の麻薬王フランク・ルーカスと追い詰めた刑事との心理戦を,デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウという好敵手を主人公に据え,実話に基づく骨太で重厚なドラマに仕立て上げた。
1970年代初頭は,ベトナム戦争が長期化し,国内に厭戦の気配が立ちこめ,ベトナム帰還兵もストレスからジャンキーにという混沌の時代だった。
主人公は,アフリカ系で初めて暗黒街のトップとなるが,イタリア系マフィアのビジネスメソッドを真似,身内でファミリーを形成する。美しい妻を得,良き家庭人と善良な市民の仮面を付け地道にビジネスを行い,知的なエリートとも見える素敵さ。
片やリッチーは,不器用で馬鹿正直で,家庭も崩壊。今で言うKY系。不遇続きだったが,いきなりかっこよく仕事をこなし,あっという間にフランクを追い詰める。しかし,映画は,ここにくるまで,二人の男が交わることなく3分の2近くまで進む。
好みのタイプの展開だ。
それにつけても,警察の腐りきった内部は,あまりの徹底ぶりに滑稽でもあった。

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2008年2月17日 (日)

1954年築の滋賀会館で1961年公開のウエストサイド物語が上映

1954年築の滋賀会館で1961年公開
一日限りの上映。それが,予想外の大勢の観客が…。主催者が驚いておられた。
懐かしい映画はレトロなホールに似合う。このクラシックなポスターと色あせない映画が同時代とは…。隣町で現役ミュージカルとしてロングラン中というのも信じられないが現実だ。
さて,肝心の映画だが,閃光のような青春は得難く失われやすい(シミジミ)。主演のナタリー・ウッドさんはじめ,故人となられた方々も多数だ。若者だった頃の輝きがそのままのJ.チャキリス氏の健在は嬉しい。ウエストサイドの歴史そのもののチャキリス氏よ,いつまでも!

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ヴォーリズ設計の大津教会

Nec_0311Nec_0310大津市の大津教会(1928年)。スパニッシュ風の暖かい外観。お馴染みの街角だが、ちょっと学術的に見える。こちらは宮本文次郎邸大津市(1930年)。

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滋賀県立近代美術館でヴォーリズ展

滋賀県立近代美術館でヴォーリズ
文化ゾーンの滋賀県立近代美館では2月9日(土)から3月30日(日)まで「信・望・愛―理想の居場所をつくる ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展」が開催中。滋賀県・近江八幡市を拠点に建築家・実業家として活躍した郷土の建築家ヴォーリズの活動の軌跡をたどる展覧会だ。
 
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880-1964)は,カンザス州に生まれ,現在の八幡商業高等学校の英語教師として1905年に来日。1907年に教師の職を解かれたが,近江八幡にとどまり,建築事務所や近江兄弟社を設立し実業家として活躍する。1941年には日本国籍を得て,1958年には近江八幡市名誉市民第1号となり,1964年に近江八幡の地で亡くなられた。
今年は,ヴォーリズが建築設計監督事務所を開業してから100年にあたる。展覧会では,ヴォーリズが残した建築作品を写真や資料など展示され,豊かな建築空間を紹介し,建築をとおして理想の生活を築こうとしたヴォーリズの活動と思想の系譜が偲ばれる。

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2008年2月16日 (土)

エリザベス ゴールデン・エイジ

監督:シェカール・カプール
出演:ケイト・ブランシェット,ジェフリー・ラッシュ,クライヴ・オーエン,ジョルディ・モリャ,アビー・コーニッシュ,サマンサ・モートン
1585年。エリザベスは,生涯を国家に捧げ,イングランド女王の責務に没頭していた。しかし,国内では旧教徒の不満が渦巻き,国外からは強国スペインの内政干渉が続く。さらに,スペインの支援を受けるスコットランドのメアリーは,幽閉の身ながら,エリザベス暗殺を画策していた。相も変わらず縁談に辟易するエリザベスの前に,新世界から帰還したばかりの航海士ウォルター・ローリーが現れる。自由な心を持つローリー卿に興味を持ったエリザベスは,お気に入りの側近ベスを近づける。

1998年,ケイト・ブラシェットの名を世界に知らしめた映画『エリザベス』の続編。カトリック勢力の陰謀,メアリー・スチュアートの処刑,スペイン無敵艦隊との決戦など,ゴールデンエイジを築くまでの苦悩が描かれている。
内憂外患に向かう安らぎのない日々,宮廷人に辟易していたエリザベスが,ウォルター・ローリーに傾倒してゆくプロセスは納得。嫉妬に狂うが直ぐ立ち直るところもエリザベスらしい。
衣装や美術には陶然となる。ドレス,甲冑,刺繍,レース,アクセサリーどれをとってもお似合いでエリザベス映画であることを満喫させてくれる。無敵艦隊との開戦も手を抜かない映像美に大満足。海岸防衛線の兵士達に「諸君と生死を共にする」と激励する勇姿はお約束とはいえ感涙。
これが,後にシェイクスピアの「ヘンリー五世」に繋がるのだろう。もし,晩年の第三作があるとしたら,主演はディム・ジョデイ・デンチだろうか。

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2008年2月15日 (金)

ウエストサイド物語京都初日・浄書

11日開幕。京都スタメンは以下のとおり。
オーケストラはなしで録音。
ジェット団
リフ/松島勇気         グラジェラ/恒川愛
トニー/阿久津陽一郎     ヴェルマ/上延綾
アクション/西尾健治      クラリス/駅田郁美
A-ラブ/大塚道人        ポーリン/ソンインミ         
ベイビー・ジョーン/大空卓鵬 ミニー/桜小雪
スノーボーイ/澤村明仁     エニイ・ボディズ/石倉康子
ビッグ・ディール/萩原隆匡
ディーゼル/朱涛
ジーター/青羽剛
シャーク
マリア/花田えりか       ベルナルド/加藤敬二
アニタ/団こと葉         チノ/玉城 任
ロザリア:鈴木由佳乃      ペペ/水原俊
コンスェーロ/村上絵里子   インディオ/神谷凌
テレシタ/高橋亜衣       アンクシャス/イギドン
フランシスカ/室井優      ファノ/佐藤雅昭
エステラ/榊原央絵       ニブルス/斎藤洋一郎
マルガリータ/撫佐仁美
大人たち
ドッグ/立岡晃          シュランク/山口嘉三(劇団昴)
クラプキ/牧野公昭       グラッド・ハンド/青羽剛

ソプラノ・ソロ:伊藤志保
↓福井さんのトニーを待っています。よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。

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2008年2月13日 (水)

大江戸亀奉行日記 by 松井今朝子

捕物帖と思えば違っていた。パロディものが好きな者には思いっきり楽しい。

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2008年2月11日 (月)

京都劇場でウエストサイド物語開幕

京都劇場でウエストサイド開幕
京都劇場は,むしろ小さめ!
コーラスラインやウエストサイドに程よい大きさ!

東京開幕から半年、ミュージカル史に輝く不滅の作品は、演技者の技術を格段に上昇させていた。一触即発のプロローグだけでも血流沸騰。半年、様々なキャストで見たいもの。福井晶一さんの名がトニーの第4番目に…。

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2008年2月10日 (日)

滋賀会館は頼れるシネマ

滋賀会館は頼れるシネマ
滋賀会館は、1954年、大津市京町の県庁前に建てられた県立の文化施設で、1100席の大ホールもある。2008年9月末をもって,文化施設としての機能を終了し,県の多目的施設として再生への道が検討中とか。この大ホールで,来週、ウエストサイド物語のデジタルリマスター版が上映される。
5階のシネマホールは,経費節減のため一度は廃止されたが,映画を愛する民間の団体の力で,5年前に甦った。これはという映画は,待っていれば必ず此処で見ることができる。応援しないと…。

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2008年2月 9日 (土)

坂東玉三郎特別舞踊公演 in 大阪松竹座

坂東玉三郎特別舞踊公演
一、連獅子(れんじし)
  狂言師右近後に親獅子の精 海老蔵
  狂言師左近後に仔獅子の精 尾上右近
  浄土の僧 遍念         薪車
  法華の僧 蓮念         竹三郎
二、京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)
   道行より押戻しまで
  白拍子花子           玉三郎
  白拍子花子           菊之助
  大館左馬五郎          海老蔵

暖かい大阪でも雪が降りしきるなか,開幕から最初の休日なので,駆け付ける方々が多数。
連獅子では,若々しい獅子の親仔が清々しく,壮年親子の宗論が微笑ましい。
京鹿子娘ニ人道成寺では,菊之助丈が挑戦の域を超えて主演だぁ\(^^)/!!!
娘の中の神性と魔性を矛盾なく舞台上に息づかせておられた。魔性は玉様のものだが,神性は菊様の世界。今の菊様の鏡獅子が見たくなってきた。
鐘入り、青竹、後シテの拵えなど,どう来られるか気になっていた新趣向は,限りなく華やかで,精神性や芸術性より歌舞伎味と娯楽性を凝らした楽しいものに…。賛否両論はありえない!
二人花子はイリュージョンではなく,実は双頭の大蛇だった。左馬五郎さん,勝ち目はあるかもしれないぞ。

鐘の中に二人も入れるのか,青竹の長さは2倍になるのか,いっそ2本,鱗四天の人数が足りるのかとか,しょうーもないこと気にしてました(O.O;)(o。o;)。

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ウォンテッドメーカーで遊んでみました

ハヌルさまに教えて頂きました。さまもトライとか。
さて,お富の罪状は…(わ,分かり易い(^^ゞ。しかし,無罪じゃ!)

お富の指名手配書     与三郎からお富への年賀状A4aac9d9_7A4aac9d9_8

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2008年2月 8日 (金)

国立文楽劇場友の会からこんなんきました

国立文楽劇場友の会からこんなん
観劇スタンプを集めると、もれなくノベルティグッズがいただけるとか。6月の鑑賞教室も行こうっと。
そういえば,少し前まで京都四条南座で夏公演あったが、最近なくなってるんやけど…。

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2008年2月 5日 (火)

ラスト,コーション

070206lust_mainラスト、コーション(原題:色・戒,米題:Lust, Caution)
原作:張愛玲(アイリーン・チャン),監督:李安(アン・リー)
アイリーン・チャン原作の短編小説『色・戒』 をアン・リー監督が映画化。第64回ヴェネツィア国際映画祭にて金獅子賞を受賞。 激しい性描写が話題となり,R-18指定となっている。
出演:トニー・レオン,王力宏(ワン・リーホン),タン・ウェイ

1942年,日本占領下(日本軍の傀儡・汪精衛政権)の上海。女子大生ワン(タン・ウェイ)は,3年前,香港の大学の演劇サークルで,共に抗日運動に心血を注いだクァン(ワン・リーホン)に再開した。3年前,クァンに秘かな恋心を抱き,稚拙な暗殺ごっこに巻き込まれたのだった。再びクァンから,親日政権の特務機関のリーダー・イー(トニー・レオン)の暗殺計画に協力を求められる。ワンは,美貌と肉体だけを武器にイーに接近し,首尾よく愛人となったたが,イーと暴力的なまでに激しく求め合ううちに,思いは迷走する。

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2008年2月 4日 (月)

上村吉弥丈の公式にみよし会のちらしがぁ!

56fb14da40aaf325f74cfdd7450a8bef口上の拵えで端麗です!
第四回 上村吉弥 みよし会
日 時:2008年5月24日(土)17:30
       5月25日(日)12:00、17:00 (三回公演)
観覧料:8,000円(指定席)
会 場:大阪 難波 ワッハホール


演 目:一、「伊達競阿国戯場(だてくらべおくにかぶき)」一幕二場
         身売りの累(みうりのかさね)
       ☆与右衛門女房 上村吉弥
    二、舞踊「応挙の幽霊(おうきょのゆうれい)」
       ☆応挙の幽霊お仙 上村吉弥

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2008年2月 3日 (日)

おおさか・元気・文楽「桂川連理柵」

2日,昼の部・一般向けは当日券も完売だ。ホールが大きいため残響時間が若干長く,豪華キャストの熱い演技でビンビン響く。
桂川連理柵
帯屋の段
    嶋大夫,宗助
 切 住大夫,錦糸
 女房お絹/和生,母おとせ/玉英,親繁斎/玉輝,弟儀兵衛/玉也
 兄長衛門/玉女,丁稚長吉/清之助,娘お半/簑助,大ぜい
道行朧の桂川
 咲大夫,千歳大夫,睦大夫,靖大夫,燕三,清志郎,清馗,龍爾
 兄長衛門/玉女,娘お半/勘十郎
お半長右衛門の哀話は,落語,小唄,端唄にも取り入れられている。帯屋の前半は,腹がこむらがえりをするチャリ場で,中心は弟儀兵衛の玉也さんと丁稚長吉の清之助さん。どちらかというと因業おやじがお得意の玉也さん,青鼻たらした丁稚が珍しい清之助さんに笑わせて頂いてらっきー。嶋大夫さんの腹筋にも敬服。
帯屋の後半は簑助さんのお半が場をさらう。かいらしー。段鹿子にあどけない鈴付の拵え,小首をかしげたかわゆらしい仕草。住大夫さんの可愛やのうの連呼も道理,道理。

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2008年2月 2日 (土)

20万ヒット記念リクエストエントリ・直木三十五を訪ねて内安堂寺町に…「今こそ明かそう。おとみの原風景」

Nec_0270_3「風知草」では,キリ番を踏まれた方からリクエストを頂戴して記事にしている。まもなく25万ヒットの背中が見えそうだが,20万ヒットが未だだった。今回は,「おとみ」という難題だっため,たいへん遅くなったが,本日,大阪NHKホールで開催される「おおさか・元気・文楽」の開演前に「直木三十五」ゆかりの地に立ち寄った。

直木三十五文学碑は、その生家の近く・中央区安堂寺町二丁目の石段の踊り場に建つ。この長堀通から一筋北のお祓い通りへの急な石段を上りきると,榎の大木があり、榎大明神として祀られている。ワタクシの生家はこの直ぐ傍ら。敷地も建物もそのままだった(^^ゞドンナウチヤ。

直木賞という文壇のビッグな賞は広く知られているが,その源となった直木三十五の作品も生涯も不思議なほど知られていない。直木は、大正後半から昭和初期に活躍した大衆作家・評論である。大衆文芸勃興期に、新聞紙上、諸雑誌上で活躍し、大衆文芸の地位確立と発展に貢献した。明治42年に生まれ,昭和9年に43歳で亡くなっておられる。
直木とおとみの接点は,大阪市南区内安堂寺町二丁目の生まれということだけだが,この界わいは,大阪大空襲でも戦火を免れ,今も昭和の面影を残している。
Nec_0272_2 近年,修復的開発が行われ,隠れ家的な雰囲気が人気を呼んでいる空堀からは,長堀を挟んで直ぐ北になる。今も同じ風景と地形が残っていることから,時代を隔てても,存外,直木とワタクシの原風景は同じのはずだ。
文学碑の碑文は、代表作品の「南国太平記」の一節で、大久保と西郷の青雲の志が刻まれている。文学界の風雲児として,簡潔な口語の文体で大衆小説という新しい国民的娯楽を確立した直木は,文学界の維新を志したに違いない。

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空堀往来・大坂城ゆかりの史蹟探訪・真田の抜け穴

大阪城縁の史蹟探訪・真田の抜穴
天王寺区真田山公園の一角にある三光神社には、大坂城からの抜け穴の出口が残る。何気に幸村公の銅像があり、それらしい雰囲気。
また、大阪七福神の寿老人のスポットでもあり、得した気分。

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