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2007年11月27日 (火)

新作舞踊劇「信濃路紅葉鬼揃」の記事他

kirigirisuさまに教えていただきました。
11月24日東京新聞TOKYO Webに,十二月大歌舞伎にご出演の坂東玉三郎丈の情報が掲載されている。とても素敵な記事で,消えると悲しいので控えに転載させていただくこととする。
 お衣装を新調(←おそらくこんな感じ。シテが黒で,5人のツレが赤。美女揃いですぅ!)なさり,シテが唐織で壺折の着付に大口、後半は長ばかま。ワキは厚板の着付に長絹、大口とか。新しいお衣装のぱりっと硬く,動きに添わない感じも興味が持たれる。ツレやワキツレの衣装も玉三郎丈の一部。どなたがどのお衣装をお召しかも楽しみ。初日に拝見することとした!

また,11月26日日本経済新聞の文化欄に,先日ご逝去されたモーリス・ベジャール氏を追悼する寄稿が写真入りで掲載。朝日Webにも掲載されている。文化やジャンルを超えた創造意欲の共鳴が,格調高い文章で書かれていた。

<歌舞伎>
新作舞踊劇『信濃路紅葉鬼揃』に挑む坂東玉三郎
整った能様式で女形初の緋大口   2007年11月24日

 能取り物の舞踊が続く坂東玉三郎が、今度は能「紅葉狩」を題材にした新作の「信濃路紅葉鬼揃(おにぞろい)」に挑戦-。東京・歌舞伎座の「十二月大歌舞伎」(2~26日)昼の部で初披露するもので、シテの鬼女を勤める玉三郎は能の衣装に戻した形で、女形では初の緋大口をはく。この演目はすでに新歌舞伎十八番「紅葉狩」「鬼揃紅葉狩」もあるが、これらとは曲も構成も違う作品という。「派手さ、美しさが勝る松羽目舞踊を基の能の整った形でやってみたら、お客さまはどういう反応を見せてくれるか」 (剱和彦)
 歌舞伎の「紅葉狩」は九代目市川團十郎が自ら演出して明治二十年に新富座で初演、「鬼揃~」は昭和三十五年に六世中村歌右衛門が歌舞伎座で初演した新作舞踊。観世流の小書「鬼揃」に基づき、大勢の隈取(くまどり)の鬼女が後半に立ち回りを演じるのが見せ場だ。
 今回は「鬼揃」の筋書きはそのままという。
 信濃・戸隠山で大勢の侍女を連れた上臈が紅葉狩りの宴を催しているところへ、鹿狩りの平維茂が従者とともに通りかかる。女たち一行に酒宴に誘われ、杯を重ね、美女の舞を見ているうちに維茂は酔いつぶれて寝てしまい、女たちは山中に隠れ入る。間もなく山神のお告げで目を覚ました維茂は、鬼女の正体を現した女たちに襲われる…。
 舞台の正面には、赤いツタを絡ませた松を置き、松羽目舞踊劇であることを明確にするという。
 また、花道に維茂一行が現れ、続いて上手から女たちが姿を見せる従来のやり方も一変。「これでは理屈に合わないので、能と同様に、まず女たち一行が舞台にいて、そこへ維茂たちが登場する形に」。能には山神が維茂に太刀を置いてゆく場面があるが、これも取り入れる。
 衣装は新しく注文して、シテが唐織で壺折の着付に大口、後半は長ばかま、ワキの維茂(市川海老蔵)は厚板の着付に長絹、大口と、いずれも能に忠実な様式。これまでの赤姫の衣装は着けない。
 「前から大口はいいなあと思っていたんです。赤姫が裾を引いているより動きやすいから」
 前半は「中の舞」で、維茂が寝入ったあとは鬼女の本性を現し、急調で。後半は隈取の鬼女となり、シテは黒頭、侍女五人は赤頭を付ける。
 「私は静かに見ているだけ。ほかの五人は派手に動いて毛を振ります。前半は能の様式美を、後半は歌舞伎仕立てで」と玉三郎。
 「羽衣」(十月歌舞伎座)など松羽目物を“見直す”動きが続くが、「歌舞伎には能楽からいただいた作品が多いが、これまで遠慮して衣装や台本を少し変えたり、中には派手になりすぎたケースも目立つ。しかし、もう垣根のない時代になったのだから、ここは原点に戻って演じるべきでは」と話す。
 夜は九回目となる「ふるあめりかに袖はぬらさじ」(原作・有吉佐和子)の芸者・お園。といっても全員歌舞伎俳優で演じるのは今回初めて。
 幕末の横浜遊廓を舞台に、自殺した女郎を攘夷女郎に仕立てて店の宣伝に一役買ったお園の、面白哀しい生き様を描く。尊敬する文学座の杉村春子の当たり役。
 「人の不条理の世界を突き詰めながら、娯楽作品に仕上げている。やりがいがあります」

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コメント

>六条亭さま
こちらこそ光栄です。kirigirisuさまに感謝です。
吉弥丈は,紅葉狩の田毎,鬼揃の鬼女2を拝見したことございます。今度の拵えを楽しみにしています。

投稿: とみ | 2007年11月28日 (水) 13時28分

こん♪♪は。拙ブログへコメントありがとうございましたm(_ _)m。

貴ブログと同じエントリーとは光栄ですね。能の様式美を重視し、衣裳にも凝って準備万端の玉三郎さんの紅葉狩観劇を今から待ち遠しく思っています。

初日は通し観劇ですが、昼は珍しく一階席の住人になって、新作舞踊を味わう予定です。またお会いできるのを楽しみにしています。

投稿: 六条亭 | 2007年11月27日 (火) 21時35分

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