文楽11月公演第1部2度目
17日,国立文楽劇場の11月公演,初日以来の二度目の鑑賞。全く事前打ち合わせ無しだったが,奇しくもおりんさんと隣のお席に…。おりんさんの方が床によりへばりつきだ。
近江源氏先陣館
母微妙:文雀,妻早瀬:玉英,佐々木盛綱:玉女,小三郎:玉誉
小四郎:玉勢,和田兵衛秀盛:玉輝,高綱妻篝火:紋寿,北条時政:幸助
和田兵衛上使の段
咲大夫,燕三
盛綱陣屋の段
切 十九大夫,富助
奥 千歳大夫,清治
人形役割が後半で変わった。幸助さんは女中お玉も可愛らしいが,千歳さんに似た大きな人形は益々大きく,高笑いが豪快だ。女形さんや子役さんが闊達になられた分,盛綱の辛抱や苦悩が深くなったようだ。
豪華な床は,咲大夫&燕三さんが重厚に,千歳大夫&清治さんの爆走感が増したよう。清治さんの一音一音に,神経繊維を弾かれているように飛び上がる。掛け声も厳しい。
艶容女舞衣
舅半兵衛:玉輝,半兵衛女房:紋豊,美濃屋三勝:清之助
娘お通:簑次,親宗岸:勘十郎,嫁お園:簑助,茜屋半七:清五郎
酒屋の段
中 呂勢大夫,喜一郎
切 嶋大夫,宗助
面売り
おしゃべり案山子:清三郎,面売り娘:簑次郎
三輪大夫,新大夫,始大夫,つばさ大夫,文字栄大夫,希大夫
清介,清馗,清丈,龍爾,清公
申し訳ないが,盛綱陣屋でへとへとになり,酒屋のお町内の衆が噂なさる場面は落ちて,お園のくどきから立ち直った。お園の存在感は,お園が茜屋を背負って立っている来し方行く末を象徴し,女性客の涙をしぼる。もちろん,涙の源は,嶋大夫&宗助さんの多彩な人物を華やかに語られる床からだ。
どよよーん,じわーんの後,目出度く面売りで追い出しとなる。簑次郎さんの絶妙の技巧と,新大夫さんのオトコマエの声が快かった。
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コメント
>ムンパリさま
ワタクシも,千歳&清治コンビの後は,頭痛,耳鳴り,脱力感でございます。ロックンロールのコンサートの疲労感でしょうか。
この日の夜,オセローを観劇しました。休憩15分をはさんで4時間。ぜーぜー。次の日は夜の部を観劇。
近松&沙翁に浸った贅沢な2日でした。
ワタクシは,文楽を見る目も耳もございませんが,大きさは分かります。骨太の三味線,肉厚の語り,豪傑の人形に惹かれる分かりやすいやつです。
投稿: とみ | 2007年11月22日 (木) 18時37分
とみさん、2度目行かれたんですね!
15日以降は時政は幸助さんですか。あの高笑いはいいですねー。
なにぶん私はまだ2度目なので味わい方がよくわかってません。そんなふうに同じ人形を違う人で見比べるという楽しみ方があるんですね。勉強になります。
投稿: ムンパリ | 2007年11月22日 (木) 01時14分
>おりんさま
熱く濃い2日間,お疲れさまでした。床前の迫真力は病みつきになります。清治さんのゴール前の飛ばし方は凄かった~。
東京は12月が公演と鑑賞教室。小劇場はいいですね。
投稿: とみ | 2007年11月19日 (月) 23時14分
相談せずに隣合わせの席だったのでびっくりでした~。
今回のお着物姿もやっぱり素敵でした~。見習いたいです。(あ、私は先に寝坊克服でした。)
投稿: おりん | 2007年11月19日 (月) 21時49分