昨日は「鹿鳴館」千秋楽
昨日11月25日は,三島由紀夫氏の命日だ。1970年,『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後,自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。
劇団四季自由劇場で,この日を千秋楽として目論んで上演されていた『鹿鳴館』東京公演が終幕した。
福井晶一さんのファンを標榜しながら,清原久雄役で登板されているお姿を見に駆けつけていないことを激しく反省している。
公式ページで,特別カテコの様子を拝見すると,通算上演回数195回のロングランの長期に亘り,清原久雄役を演じられた田邊真也さんがメンバーを代表して挨拶をなさったようだ。
鹿鳴館は,世俗の幸福を,華麗な修辞とシニカルなレトリックで哄笑する技巧に満ち満ちた戯曲だ。どちらかといえば,親の世代の役者さんたちの顔見世的な興行意図を満たすものだ。今公演では,演技者さんの自律的な心の交流により,感動もできる物語であることを実証した。
田邊真也さんの功績は大きい。三島由紀夫氏自身を投影する破滅的な生き方しかできない清原久雄像を,母の愛を求めてやまないナイーブな青年として共感が得られる人物とされた。拝見するたびに泣かされた。また,福井晶一さんもきっぱりとした直情的な人物として演じられたようだ。
さて,二人の久雄の今後が気になるところだが,京都劇場に,○○と○○で来ていただけたら嬉しいな。そのときは,観劇依存症患者として客席から病院に担ぎ込まれるかもしれない。
三島氏の命日は,憂国忌や潮騒忌の名があるが,どれが定着しているのだろう。太宰治氏は桜桃,司馬遼太郎氏は菜の花,利休も菜の花。近松門左衛門が宿題になっている。
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コメント
>たけさんさま
トニーとリフに決まってます~。
ペドロとユタ。
レイアティーズとハムレットもいいかも。
投稿: とみ | 2007年11月27日 (火) 00時33分
私も○○と○○で来ていただければ、観劇依存症と言われようと、
どんなこと言われても駆けつけます。
でも、○○って?
何でしょう?
これからの福井さんも楽しみですね。
投稿: たけさん | 2007年11月26日 (月) 23時22分