きーんとした冷気に白い比叡山が近く見え,鷺が舞い降りそうな水田地帯の近江守山市民ホールに一座は来られた。皆さん,長旅にもお元気で,一座の結束も益々堅い。
この舞踊公演は,あと2公演で終えられ,12月2日は,もう歌舞伎座初日。あ,ワタクシ見に行くのだった。信じられない。
阿国歌舞伎夢華
四条南座公演とほぼ同じ出演者さんだが,阿国を支える女歌舞伎が,笑三郎丈と春猿丈の2人となり,より連帯が強くなったように見える。各地の多目的ホールを利用するため,すっぽんが無く,花道が短い。このため,名古屋山三の出入りに素敵な趣向がこらしてある。
阿国と山三の仲は,南座のときより修復されたようで,慕わしさがプラス。連れ舞いの息がぴったり合って,幸福そうなお姿だった。山三さんのこの世に残す未練がとても無理のない的確な感じがした。阿国から,一座を支えるという気負いが消え,笑三郎丈と春猿丈がしっかりしているから大丈夫(かも)だろうという満足気な表情だった。
丈は,扇の動きで空間を創りあげられる。彫刻家が大理石の中から神を生み出すような荒々しさや辛苦をともなうものではなく,本当にふわっと…。
猿弥丈と弘太郎丈の男伊達兄弟の活き活きとした踊りには,心和んだ。
鷺娘
板付きで照明が入って,鷺娘の登場。あとは絶叫マシーンに乗せられ上下する状態で玉三郎丈のしたい放題にされた。守若丈と玉雪丈の後見さんがまた絶品。マジシャンだ。長唄さんの演奏もちょっと残響時間が長めのホールに良く響く。
DVDもある。シネマ歌舞伎も見た。しかし,ライブとは全く異なる別物だ。空間の支配力は映像化できない。
万雷の拍手のなか,カテコが3度。インターナショナルな舞踊公演を拝見した高揚感に浸った2題だった。
ジゼルと白鳥の湖を見たような…。
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