海老蔵丈の源九郎狐は孝心が切札・御園座顔見世興行夜の部
昨年秋,海老蔵丈が澤瀉屋型で演じられると話題になった四の切が,御園座に登場した。
三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)川連法眼館
市川海老蔵宙乗り狐六方相勤め申し候
佐藤忠信・佐藤忠信実は源九郎狐/海老蔵
源義経 友右衛門,静御前/門之助
駿河次郎/男女蔵,亀井六郎/亀三郎
飛鳥/右之助,川連法眼/家橘
源義経は,兄頼朝から逆臣として追われる身。川連法眼館に身を寄せ,愛妾の静や家臣の忠信と落ち合うこととしていた。忠信が目通りしている最中に,静御前が忠信を伴って到着したとの知らせが届き,忠信は胡乱な奴と捕らわれる。
しかし,静の供をしていたのは,初音の鼓の皮となった狐夫婦の子・源九郎狐が忠信に化けて,鼓を慕って着いていたのだった。静の詮議に正体を現した源九郎狐は,涙ながらに去ろうとするが…。
海老蔵丈は花道の登場から,お痩せになったと分かる。本物の忠信の拵えは相変わらず惚れ惚れする水際立った武将ぶり。義経公,静御前他,みなさん穏当で思いやりありそうだった。源九郎狐は,デカいが,健気でしおらしく,そんなに悲しまなくてもきっと上手くいくよと声を掛けてあげたくなる。伏目がちの表情も猫(狐)かぶりで可愛らしい。身体能力やケレンで魅せず,愛情で勝負なさっておられるところがいい感じ。
とはいえ,悪僧達とのアクロバティックな立ち回りは,やっぱり欠かせない。狐さんが強そうなので,悪僧さんたちもしっかり応援してしまう。
宙乗りでは,嬉しさが爆発しておられ,大満足で楽しかった一日を終えた。
夜の部は,3狂言とも坊主軍団が大活躍。お疲れさまでした。
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