八月納涼大歌舞伎初日第三部
終日通しは観劇トライアスロン。第三部は,4時間近くあるので,第三部だけ別の日に行かれることをお勧めしたい。イヤホンガイドも,お嫌いでなければ借りた方が良いように思う。
帰りの列車の都合で,三幕目までの観劇となった。で,裏表どう収拾されたのか分からない(わーん)。
通し狂言 裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)
配役
足利頼兼/七之助,力士絹川谷蔵/亀蔵,下女お竹/福助
家主茂九兵衛/家橘,下男小助・乳人政岡・執権仁木弾正/勘三郎
医師大場道益・横井角左衛門/彌十郎
八汐/扇雀,沖の井/孝太郎,松島/高麗蔵,栄御前/秀太郎
荒獅子男之助/勘太郎,倉橋弥十郎・細川勝元/三津五郎
渡辺民部/松也, 山中鹿之助/新悟,渡辺外記左衛門/市蔵
あらすじ
時代狂言「伽羅先代萩」の世界を「表」に,世話物「小助の悪事」を「裏」の物語として加えた趣向がお楽しみだ。
序幕 花水橋の場
足利家転覆を目論む仁木弾正らは,廓通いにうつつを抜かす頼兼を花水橋で襲撃する。
二幕目 大場道益宅の場
弾正らは,世子鶴千代を毒殺しようと,医者・大場道益に,二百両の報酬で毒薬の調合を依頼する。好色な道益は,日頃から横恋慕していた隣家のお竹に,借金のかたに言い寄るが袖にされる。下男の小助は,道益を殺して金を奪い,縁の下に隠すがちょっとした手違いが…。
三幕目 足利家御殿の場 同 床下の場
政岡は,一子千松と共に幼君鶴千代を守り奥殿にこもっている。そこへ上使・栄御前が来訪し,見舞いと称して持参した毒入り菓子を鶴千代に勧めるが,間一髪千松が菓子を奪う。弾正の妹八汐は,悪事が露見しないよう千松を刀で殺害する。平然と幼君を守る政岡を味方と思い込んだ栄御前は連判状を手渡す。
しかし,その連判状を鼠がくわえて逃げ,一度は家来の荒獅子男之助がとらえるものの,結局取り逃がしてしまう。鼠の招待は…。
歌舞伎 |
公式ページより
大詰 問注所小助対決の場 控所仁木刃傷の場
道益殺しを裁く問注所。お竹が断罪されようとするところへ,細川勝元の家臣・倉橋弥十郎が動かぬ証拠を小助に突き付け,小助に罪が下ります。
そして弾正も,老臣・渡辺外記左衛門の命を賭けた上訴により,ついに細川勝元によって裁かれます。
ストーリーがクロスオーバーしたり,早替りはない。三幕目までは,それぞれ物語が進む。こまめに切り替えて欲しいところだ。全員熱演だが,表の物語を通常どおり上演した場合の重厚感には元より及ばない。パロディ好きとしては期待が大きかったので,事件の収拾を見届けることが出来なかったことは返す返すも残念だった。
「致死のお脈」と,悪者の一味として竹の間に登場し,実はお味方だったと告白する殺害された医師の妻は登場しない。殺害された医師とはこのお方だったのか!
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コメント
>ぴかちゅうさま
大事と小事を並行して進める欠点は,裏の事件にはらはらしたり,思い入れを持ちにくいところでしょうか。特に表はお子ちゃまがからみますし…。
それにつけても暑い夏でした。
投稿: とみ | 2007年9月12日 (水) 13時09分
《大詰》の裏表の決着は私も興味がありました。例によって千穐楽一発の観劇でしたが、ようやくアップしましたのでTBさせていただきましたm(_ _)m
裁判を二個重ねるのかという私の浅はかな予想をくつがえし、重複を避け、大詰の勘三郎の二役と三津五郎の二役も鮮やかに決まりました。この座組では昨年の歌舞伎座の顔見世に比べるとスケール感の小ささは否めませんが、とにかく座組全体のバランスの良さが堪能できました。
投稿: ぴかちゅう | 2007年9月12日 (水) 01時11分