菊さまの「怪談」
原作:三遊亭円朝,監督:中田秀夫
出演:煙草売新吉/尾上菊之助,豊志賀/黒木瞳,お久/井上真央,お累/麻生久美子,お園/木村多江,お賤/瀬戸朝香
煙草売りの若者・新吉と三味線師匠・豊志賀は,夫婦同然の深い仲。しかし,二人の親同士は仇敵の間柄で,結びつきは決して偶然ではなく,因果が巡るものだった。
業病に面相を崩し,持ち重りのする豊志賀の執着に厭気が差した新吉は,お久と下総羽生村を目指して逃げる決意をした矢先,豊志賀は他界する。豊志賀の魂魄は新吉の行くところどこまでも追ってくる。
菊之助丈の美しいご尊顔をアップで堪能できるだけでも,映画館に足を運ぶ価値はあった。深遠な愛憎劇であり,ホラーであり,人間の本質に迫る円朝師匠の最高傑作。豊志賀の死だけしか舞台で拝見したこと無かったが,全貌を知るにつけ,美しいお顔の男に固執する女のメカニズムにそっかとなる。
新吉「顔なんか付いていればいいんだ。」
菊之助丈はこの台詞は言ってはいけないのか,菊之助丈だけが言うことを許されるのか…。
わー綺麗な顔を50回はつぶやいた。
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コメント
>ぴかちゅうさま
>日本よりヒットするかもしれないとも思えます。
日本ではヒットしなかったのでしょうか。気になります。
>その凝縮があっぱれ
菊さまの首しか見ていないワタクシメとえらい違い(^^ゞ
首と胴の泣き別れは芸者小万のときも,わーんと思いました。美しすぎるお顔というのは,お持ち帰りしたくなるのでしょうか。
投稿: とみ(風知草) | 2007年9月 3日 (月) 01時49分
>菊之助丈の美しいご尊顔をアップで堪能できるだけでも,映画館に足を運ぶ価値はあった......ホラー苦手の私もなんとか二人連れで映画館に行ってきました。
これは一見の価値がありましたね。落語の方では15夜かけて語る長い長いお話のようで、それを「豊志賀の死」を中心にぎゅっとまとめての映画化ということで、その凝縮があっぱれと褒めるブロガーさんの記事にそういう観方もあるのかと勉強させていただきました。
この映画はすでに海外配給も決まっているとの事で、そちらの反響も興味があります。日本よりヒットするかもしれないとも思えます。
投稿: ぴかちゅう | 2007年9月 2日 (日) 12時56分
>悠さま
映画ではものたらなくて,ワタクシも原作調達しました。まだ半ばです。菊さまの立ち回り切なくてよかったぁ!
投稿: とみ | 2007年8月 8日 (水) 23時06分
映画ではものたらなくて、岩波文庫買いました。え、現代の話し言葉と違和がないじゃん、だって、ここから、明治の言文一致体がはじまったんだもん、ってのは、おいといて。
原作だと、新さんは、悪人になるんだ、菊さんの色悪ぶりもみとうござんした(^^ゞ
投稿: 悠 | 2007年8月 8日 (水) 18時25分
きょう獅子丸はインプットするはずだった。
投稿: BlogPetの獅子丸 | 2007年8月 6日 (月) 16時16分
>noppyさま
煙草売りの声のええこと。うっとり。
まばたきのない真っすぐな視線、長い睫毛で縁取られた黒目がちの瞳。どたっ。
こまめにご出演のメディアを見ていますが、美しさに慣れないです。今の菊さまを画像と音声で残していただき感謝です。
投稿: とみ | 2007年8月 6日 (月) 14時38分
ハローおとみさま
ご無沙汰してます!
「どうしてそんなに綺麗な顔なの?」的な台詞がありましたが
ほんとにどうしてそんなに綺麗なの...とワタシも思いました。
ホラーは苦手だけれど、しばらく生菊を観られないと思うと
やっぱしもう一回映画観ちゃおうかなと思う8月です☆
投稿: noppy | 2007年8月 6日 (月) 02時01分