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2007年8月 7日 (火)

第2回「若伎会」も行て退けましたで!

文楽夏休み親子劇場で童心に返り,バックステージツアーで舞い上っても,忘れしまへん。ちゃーんと「若伎会」千穐楽は見てきましたで~。
若伎会は,上方歌舞伎塾卒塾生の台詞劇の習熟ため,坂東竹三郎丈が発起人となり,昨年立ち上げられた勉強会だ。師の片岡秀太郎丈,坂東竹三郎丈,片岡愛之助丈,兄貴分の坂東薪車丈が特別出演で,浪花情緒を添える。
今年は,ならぬ堪忍するが堪忍・35年ぶりの「神崎東下り」,43年前に若手のために書き下ろされ,竹三郎丈がいつか再演をと暖めてこられた「露地の雨」,舞踊詩「あやめ浴衣」の三本立て。いずれも,より高い技術を必要とし,人間性をさらけ出して勝負しなければならない難関であったが,より美しくよりさわやかに,より味わい深く見事にクリアーしただけでなく,作品として観客を感動の渦に巻き込んでおられた。

神崎東下り
忠臣蔵のサブストーリー。神崎がすわ討入とお江戸に向かう道中の三島宿で,ごろつきの馬子の言いがかりに耐えるエピソードだ。
千次郎丈の馬子,佑次郎丈の神崎の対決。笑いがベースだが,胃が痛くなるような緊迫感のあるやりとりが見所の難し~いお芝居だ。
千次郎さんは小汚い拵えで,生きるためにはなんでもするゴマのハエ。なぜか憎まれず宿場の皆にたかって日々を送っている。田舎者風のカモ侍が佑次郎丈。
似合うてんで~。
途中はしんどかったけど,幕切れは気持ちよう泣かしてもらいました。

露地(ろーじ)の雨
大坂・久宝寺町近くのお店に奉公する様子のエエ女房(千壽郎丈)と無口な職人気質の亭主(松次郎丈)の夫婦愛のお話だ。
夫婦を中心に,きっぱりしたごりょんさん,セクハラ専科の番頭はん,調子ものの丁稚どん,欲張り,はきはき,事なかれの3人のおなご衆,情に篤い夜鳴きうどん屋,江戸で一旗揚げたことになっている女房の自慢の弟と,市井の善男善女が人情喜劇を繰り広げる。
さて,主筋とは全く関係ないのに,浪花情緒をこれでもかと盛り上げる難儀な人らに師匠方が特別出演。とことんのバカップルに秀太郎丈と愛之助丈。
いきなり木戸を開けて「やかまし!」とどなる旦さんが竹三郎丈。おとーちゃんは,銭湯帰りのエエ男はん・薪車丈と客席の親衛隊さんに誕生日を祝ってもろたはった。どんならんことσ(^◇^;)になりかけたところで踏み留まりはる。さすがや。
船場の商家で使われていた船場言葉の押収は,口でぽんぽん言いながらも,深いところで信頼し合う男女の機微を余すことなく表現する。
泣かせてもろた。ついこないだまで,うちらも使うてたなつかし言葉やのに,今は浄瑠璃の中でしか聞かれへん。けど,大歌舞伎でも四苦八苦したはりましたのに…,そこは上方若衆。台詞で客席,泣かしたはりましたで。それに,船場と島之内の風情の違いを醸し出す装置と演出も凝ってました。ほんまでっせ。船場生まれ育ちのおとみがゆうんやから間違いおません。(すんませ~ん。若干京都とバイリンになってます。)

あやめ浴衣
みなさん,拵えもお化粧も上手になられ,華やいだ楽しい幕切れでした。振り付けも一人ひとりの個性や魅力を際立たせる愛のこもったもので,客席の親心感涙モードを決壊させる。

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コメント

>火夜さま
貴宅のほのぼのとしたイラストも楽しませていただきました。師匠方も場をさらいすぎず芸で花と情緒をそえておられました。一年の成長に刮目致しました。

投稿: とみ | 2007年8月 9日 (木) 03時59分

会場がワッハにうつって、客席がますます暖かい雰囲気になりましたね〜!
心に響くお芝居だったから、ほんと感慨深いです!!
見どころがたくさんの上方歌舞伎会も楽しみです〜!!

投稿: 火夜(熊つかい座) | 2007年8月 9日 (木) 01時22分

>どら猫さま
2日しか休めず,3日目に出勤したときは,足腰が決まりませんでした。どうかお大事になさってくださいませ。
さて,3公演とも満席でした。ぜひ上方歌舞伎会へ!
純弥さんのお光ですよ。お染はりき弥さん,久松は鴈祥さん。ラブトライアングルが楽しみです。一条大蔵卿という更なる難役に挑戦なさる松次郎丈を見に行きましょう。
感動は,ギャラや知名度ではないことがよー分かります。若い二人が相合傘で花道を引き上げる場面で盛り上がりましたもの…。

投稿: とみ | 2007年8月 9日 (木) 00時31分

とみ様
もうすっかり回復なさって、東京の観劇めぐりですか。いいですね。若伎会は風邪で行くことができずに悔しい思いをしておりましたが、エントリを拝見してさらに悔しい思いをしております。
上方歌舞伎会は絶対に行こうと心に決めました。

投稿: どら猫 | 2007年8月 9日 (木) 00時11分

>ムンパリさま
再来週の上方歌舞伎会で,松次郎丈は一条大蔵卿,純弥丈は野崎村のお光をなさいます。勿論行きます!
貴宅に露地の雨・ニールサイモン風ヒューマンコメディ説を書きましたが,反応していただけまして嬉しいです。理不尽が無いところだけは,大坂らしくないと申し上げれば僻目とおこられるやろか。

投稿: とみ | 2007年8月 8日 (水) 23時02分

とみさま、大蜘蛛のあとにこちらだったんですね〜♪
露地の雨のほう、上方のなかでもポンポン言い合う<船場言葉>は独特の味わいがありますね。ああ、ちゃんと使えばこんなきれいな言葉なんやなあと感じ入っておりました。上方若衆は男女の機微までちゃーんと伝えてくれましたよね。
大歌舞伎も観なアカンし、若手も侮れないぞ、と歌舞伎を観る楽しみがまた増えました。

投稿: ムンパリ | 2007年8月 8日 (水) 12時33分

>はるきさま
あらすじも感想も書けていないエントリにコメント恐縮でございます。日本の古典芸能は悲劇と喜劇の区別がなく,重厚な物語中にもチャリ場があるのが常。とりわけ,キャラクターまで二枚目と三枚目の区別がないのが上方のヒーローなのでしょう。
この調子なら,上方歌舞伎会で,近頃河原達引きの主演を松次郎丈がなさる日も巡ってこようというもの…。めでたや~。

投稿: とみ | 2007年8月 8日 (水) 01時39分

濃厚な上方ムードのお裾分けに預かりまして、有難うございます。「露地の雨」、私も見てみたい!上方の濃厚な空気を感じられたというだけで、なぜか嬉しくて。前世に住んでたことでもあるのかしら…。すみません、意味不明なコメントで。

投稿: はるき | 2007年8月 7日 (火) 22時41分

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