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2007年7月18日 (水)

大阪松竹座・仁左さまの「女殺油地獄」

14日の夜,仁左さまの与兵衛を拝見した。
小振りの劇場内に,割れんばかりの拍手と,津波のような松嶋屋!の連呼。尋常でないテンションの高さに,前のめりになる。
歌舞伎は初心者。久々,開き直りおとみの所感だ。

1964年(昭和39年),上方歌舞伎の継続を目指して,十三世の旗揚げした「仁左衛門歌舞伎」で「女殺油地獄」の与兵衛を初役で演じ,大阪に孝夫ありといわれるほどの出世芸となる。その後,先行きの見えない上方での興行に見切りを付け,新天地を求め,与兵衛を引っさげて上京。悪くて素敵な奴の路線で大ブレイク。与兵衛は仁左さまが,60年代の寵児となった当たり役というだけでなく,女殺油地獄をリアルタイムの演劇として世にぶつけ,人気狂言のひとつにしたものだった。
市川海老蔵丈が,2日から12日まで,初役で務めておられた。

河内屋与兵衛/仁左衛門(代役)
豊嶋屋女房お吉/孝太郎,豊嶋屋七左衛門/愛之助
芸者小菊/宗之助,小姓頭小栗八弥/薪車,山本森右衛門/市蔵
与兵衛妹おかち/壱太郎,与兵衛兄太兵衛/家橘
与兵衛母おさわ/竹三郎,河内屋徳兵衛/歌六

序幕,ちゃらんぽらん,ちゃらんぽらんという音のしそうな,与兵衛の登場。これやこれや。
刹那主義,単細胞,腰抜け,口から出任せ,そのくせ根拠のないプライドの高さで直ぐキレる。しかられては逆ギレ。依存心は人一倍。徳庵堤では,小菊ラブ~で,お吉は意識の外。しかし,卑怯さを感じさせてはいけないと納得。
孝太郎丈のお吉は,体格,芸風,技術,どれをとっても,当代一,愛之助丈の豊島屋も大坂らしいエエ味(大阪の子はあんただけかいな。良いように目立ってたでぇ)。

河内屋内の場は,家庭内悲劇。気丈なごりょんさん(実母),篤実なだんさん(義父),そつの無いあにぼんさん(兄),いじらしいいとさん(異父妹)。まー,こーゆー周りがまともすぎる家庭では,真ん中のこぼんちゃんは,大概でけそこないはりますなあ。外では這いつくばっていても,家庭内なら,暴力では大将。歯止めがきかなくなるタイプであることをインプット。卑怯というより,身についた病理に近い攻撃性を醸しだし…。
いつもながら,竹三郎丈のごりょんさんの確かさに心打たれる。

豊島屋油店の場。いよいよ「不義になって貸してくだされ。」である。(与兵衛ちゃんやったら,不義も望むところ,引き出し全開,有金全部,貸し下されてしまうよって,悲劇なんか起こらへん…。もとい)行き当たりばったりの性格の伏線がしっかり引いてあるので,不義になって…は唐突であることが,説明してもらわんでもよーわかります。
闇の中の凄惨な殺しの形は,錦絵のように美しく,一挙手一投足目が離せない。孝太郎丈も素晴らしい。意外に,普通のスピードだった。ストップモーションになって三味線の音だけが聞こえる印象があったが,記憶違いか,別の芝居か。

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申し遅れたが,ワタクシは,染五郎丈,愛之助丈,亀鶴丈も拝見している。海老蔵丈を見そびれたことは残念だが,それはそれ。卑怯が似合う家柄ならそれも良し,バイオレンス路線で行くも重畳,ハナからキレまくりもありえる。お若い方がそれぞれの与兵衛を演じられることに大賛成だ。ただ,甘ったれで何をするかわからへん大阪のどうしょーもない「こぼんちゃん」の型は,次世代に継承して欲しいと願わずにいられない。
終わりに,愛之助丈の頑張りを拝見するにつけ,仁左さまのように,ブレイクするお役との出会いを望む。仁左さまも,端正なマスクもさることながら,長いおみ足の露出が切り札だったと聴く。愛之助丈なら,夏祭浪花鑑の団七が,露出度も極限,赤旗が日本人体型に映え,ネイティブ大阪詞スピーカーの利を活かせるように思う。

注:こぼんちゃん 船場の商家の子女の呼び名 末の息子
  当主:だんさん,女主:ごりょんさん
  男子:あにぼんさん,なかぼんさん,こぼんさん
  女子:あねいとさん,なかいとさん,こいさん

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歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

>スキップさま
コメントありがとうございます。細々粛々で置いていかれてもしかたないところ,感動のおすそわけにあずかり,嬉しいやら身の引き締まる思いです。
ワタクシごとはさておき,ええ大阪の歌舞伎ファンの期待に応えない興行主がもどかしいです。毎年,秋には,坂東玉三郎丈,市川染五郎丈等をゲスト座頭に,上方役者が参画する楽しい企画がございましたのに,今年は顔見世まで関西では歌舞伎興行は無さそうです。
で,八月は若い方の勉強会が続きます。行きますよ~。短い夏を楽しもうではありませんか。

投稿: とみ | 2007年8月 1日 (水) 15時25分

とみさま

>演劇の神の降臨 
まさにそれです。
演劇の神様はとても厳格でいらして、生半可な思いや修行に
甘んじている者のところには降りてくださいません。
仁左衛門さんの芝居に対する崇高なまでの覚悟と精進を
神様がお見逃しになる訳はありませんね。

投稿: スキップ | 2007年8月 1日 (水) 01時35分

>どら猫さま
ノープロブレムです。あまり,トラバもコメントも少なめの細々ブログなので,ご遠慮なく…。

投稿: とみ | 2007年7月30日 (月) 01時17分

とみ様
さっそく、TBさせて頂きました。間違えて2度も送ってごめんなさいね。

投稿: どら猫 | 2007年7月29日 (日) 15時01分

>どら猫さま
千穐楽の詳細レポ,貴宅で拝見しました。もちろん,トラバ大歓迎です。
正直ワタクシメは,細かい芸をきっちり書ける目と知識を持ち合わせておらない初心者なので助かります。
さて,貴宅にも書かせて頂きましたが,演劇の神の降臨ということなんやと思います。神を呼べる者とそうでない者との違いは,次世代への継承とか,生ぬるい社会通念を表す言葉で解決できません。
まだまだ,ご発展とさらなる地平を目指しておられる仁左さま。社会現象となる当たり役の創出に期待し,通い続けたいと思います。

投稿: とみ | 2007年7月29日 (日) 11時13分

こんばんわ、とみ様
やっと自分のエントリを書けました。思うことを書けていないという悔しさはありますが、力及ばすでございます。
とみ様のエスプリあふれるエントリにTBさせて頂いてもよろしいでしょうか。

投稿: どら猫 | 2007年7月28日 (土) 23時18分

>みかんさま
コメントありがとうございます。早めの観劇でしたので,盛り上がりについては,皆様のコメントを本当に楽しみにしていました。
これだけの花も実もある盛り上がりがございましたので,余計に継続と発展を願わずにはいられません。
>今度は8月に初めて文楽を観に行ってこようと思っています。
第2部が,夏価格で通常公演並みの重厚感ありましたので,お買い得かと思われます。
>体調の方はもう全快なされましたでしょうか?お大事に。 
ご心配かけました。いきなり全快とは参りませんが,快気しました。

投稿: とみ | 2007年7月27日 (金) 17時09分

遅れ馳せながらのコメントで申し訳ないのですが、今回の歌舞伎も観られてよかったなぁvしみじみ・・・と思って、つい書き込んでしまいました。今日が千秋楽ですね、やっと休んで頂けると安心してしまいます。 私は15日の夜と21日の昼と観に行ってきたので代役の方だったのですが、関係なしに楽しめました。にしても仁左衛門さんの芸の力はスゴイなぁと、素人意見ですみませんが思いました。書き出したら止まりませんので置いといて。 今度は8月に初めて文楽を観に行ってこようと思っています。大物の浦のある街に住んでいながら・・・やっとこさ上方文化の魅力を知り初めました(遅い・・・)。エエとこ住んでたんやなぁ、と思ったのに、やっぱり上演機会って減ってきているのでしょうか?勿体無い。  末筆ながら、体調の方はもう全快なされましたでしょうか?お大事に。 

投稿: みかん | 2007年7月26日 (木) 23時53分

>どら猫さま
なんせ,関西で大歌舞伎は1月,7月,12月の3回,舞踊公演と花形公演が各1~2度程度と文楽並みの上演頻度です。演目も大歌舞伎は定番,その他は新作と両極端ですから,短い時間に集中して行かないと…。
情報量の少なさは訴求力でカバー。観劇量の少なさはマルチビジョンで補強。カウンター精神で,細々と…でございます。

投稿: とみ | 2007年7月23日 (月) 00時18分

やっと、昨日、拝見してとみ様のエントリの内容を実感してまいりました。自分の感想も書かねばと思いつつ、凄すぎてすぐには書けないでおります。楽日にもう一度拝見してから落ち着いて書くつもりです。
しっかし、とみ様のエントリって迫力ありますよね。

投稿: どら猫 | 2007年7月22日 (日) 22時46分

>ハヌルさま
師童丈と海老蔵丈を御覧になってほんまもんは違うとおっしゃる。また貴宅でゆっくり拝見します。残酷さは本能のひとつ。本質に震撼とさせるか、助長する環境や風土も含めて表現するか。
次はどなたかどのような?

投稿: とみ | 2007年7月22日 (日) 19時09分

とみさま、こんにちは!
ようやく身も心にも余裕が出来まして、のそのそやってまいりました。
インフルエンザにかかられたとのこと、もうすっかり復活されたのですか?夏の風邪は油断大敵、気をつけてくださいませ。

臨場感溢れるレポに興奮しながら楽しく拝見しました。
私は仁左衛門さんの与兵衛は初見であり、彼が直接指導、監修された獅童さんと今回の海老蔵さんを観たのみでしたが、やはりニザさま与兵衛に放心状態でした。
「与兵衛は実年齢に近いほうが良い」とおっしゃってて確かにそうかな、とも思いましたが、もう叶わぬ夢かと諦めていたホンマもん(?)を観られて本当に嬉しかったです。
あと一回、しっかり目に心に焼き付けてきます!!

投稿: ハヌル | 2007年7月22日 (日) 18時30分

>rumiさま
外出先,しかも,携帯なので返事まとまったものになっていなくて失礼しました。
ワタクシは,生まれ育ちは船場。金は借りるもの,消費は美徳,醜男には敷居跨がさへん。お家の威信にかけて着飾るという難儀なお家で,父の代で身代つぶしました。まだ,義太夫や織田作の世界が現実の時代でしたので,こんな町におってはえらい目にあうと,治安と行儀のええ町探して大阪を出ました。
また,ゆっくり上方文化は書きます。
しかし,大阪松竹座の秋のラインアップ見てますと,歌舞伎はもう諦めはったんかもしれしません。必要なものがええもん,見たこともない新しいもんの最初の想像が貴重という意味では,上方は創造を続け,世に問い続けるという伝統だけ守ったらええんと違うかという気がせんでもありません。

投稿: とみ | 2007年7月21日 (土) 13時44分

あつかましくも続けてお邪魔いたします。
早々のお返事ありがとうございました。

関西人ではありますが、ネイティヴの京都人でも大阪人でもなく(共に住んでいたことはありますし、友人も多いですが)、微妙に言い回しもニュアンスも異なっているのがわかります。ご寛恕願います。

往時の孝夫・玉三郎(呼び捨てごめんなさい)の助六・揚巻には溜息、、、!でしたが、「これはお江戸の助六とは違うのかも、、、」と感じました。とみさま、どない思わはりました?
孝夫時代にお父上と共演された『荒川の佐吉』を拝見できなかったのが、今でも心残り、、、

文楽もここしばらくは聞きに行かなくなっております。お金と時間と家庭の事情とを口実に、、、(恥)

別件ですが、『チェーザレ・ボルジア』、とみさまの記事で久しぶりに読み返してみよかな、と思いました。『ローマ人の物語』は実は文庫待ち。とてもシオニストとは言えません(苦笑)。

投稿: rumi | 2007年7月21日 (土) 12時11分

>rumiさま
生粋の関西人さまに,ご覧いただいてましたとは,恥ずかしい次第でございます。孝夫ちゃんの与兵衛でした。助六も民谷伊右衛門もなさるお方,ほんまに至宝であらっしゃります。
>孝太郎丈のお吉の見事な年増振りに「ええ女にならはったなぁ」と感慨、、、
はい,眉無しがお美しいです。傾城もお江戸でなさった松山や夕霧もよかったんやろな~。
上方歌舞伎と文楽の夏が続きます。気張って行きます。よろしかったら,気随にコメントしておくれやす。おっと京都に帰ってしもうた。

投稿: とみ | 2007年7月21日 (土) 01時49分

はじめまして

随分以前から時々読ませていただいておりました。
30年近く、細々と歌舞伎(その他蜷川さんなども含めて演劇)ファンを続けております、生粋の関西人です。

仁左衛門丈の与兵衛を10何年ぶり(?)に拝見して、あまりの嬉しさに一言書き込ませていただきに参りました。
とみさまの「周りがまともすぎる家庭では、真ん中のこぼんちゃんは、大概でけそこなわはります」というお言葉に、まさに納得。久方ぶりの長いおみ足の露出も嬉しく、上方言葉にとろとろと酔い、孝太郎丈のお吉の見事な年増振りに「ええ女にならはったなぁ」と感慨、、、

成田屋御曹司の怪我休演で、思いもよらない福をいただいたような一夜でした。

突然のコメントで長々と失礼いたしました。
お体お大切に、お過ごしくださいませ。

投稿: rumi | 2007年7月21日 (土) 00時26分

>hitomiさま
一応社会復帰しました。
ブログも携帯が便利です。

投稿: とみ | 2007年7月20日 (金) 22時31分

とみ様 インフルエンザなのにこんな素晴らしいお返事頂きすみません。お体にさわります。チェーザレもお読みになったそうで感服いたします。

菊之助丈はご両親、お姉様、先輩方の薫陶受けて華々しくご活躍でお幸せ。昨年の「十二夜」録画のみの鑑賞ですがお美しくて可愛くてたまりませんでした。

お体、くれぐれもお大切に。

投稿: hitomi | 2007年7月20日 (金) 18時18分

>かいちょさま
13,14日といいますと,アクシデントの前後をつぶさにご覧になったわけですね。貴重な海老・仁左両方見た人であられますか。後ほど貴宅に伺い,レポ熟読させて頂きます。
仁左さまは,標準語で理解しようとする識者の想像力を遙かに超えておられます。そのかみ,見たことの無いものだったからこそ,畏敬と憧憬をもってお江戸に迎えられたのであられましょう。
ほんまに,こんなぼん,お町内におったらかないまへんけど…。
>節季(せっき)って何かなぁ、
商いの決済は年二回,半年払いです。掛け取りがどっと押し寄せるから早いもん勝ち。で,豊嶋屋は,何が何でも掛け取りに行かんならんのです。あーかわいそ。

投稿: とみ | 2007年7月20日 (金) 01時55分

>はるきさま
座布団ありがとうございます。
お江戸の皆様にはイヤホンガイドが必要でしたかも…。
仁左さまは,上方芸能の枠に収まるお方やあらしまへん。演劇界の至宝であらしゃります。本気で追っ掛けせんとあかんという気になってます。

投稿: とみ | 2007年7月20日 (金) 01時27分

とみさま
おひさしぶりです。かいちょです。
奇しくも、同じ日に観劇していたのですね。(13,14日と終日観劇してましたの)
はじめて この演目をみて、度肝をぬかれました。驚きました。
上方の単語が、わかりませんでした。 でも、何を言わんとしているかは、わかるのです。役者の力量のおかげですね。
節季(せっき)って何かなぁ、おそらく年の暮れだろうなぁ とか推測しつつ引き込まれました。
この記事を読むと、わたくしのみたものの良さが、更に増したように思いました。
私が、うまく言葉にできない感覚が、ちゃんと言葉になっていて お見事とおもいつつ楽しませていただきました。
いやぁ、いいものをみました。
とっても残念でしたけど、本当に満足しました。
早くよくなりますよう。 

投稿: かいちょ | 2007年7月19日 (木) 23時20分

とみさん、大変だったんですね;;インフルエンザも季節がなくなってしまったということでしょうか?

>ちゃらんぽらん,ちゃらんぽらんという音のしそうな
座布団10枚(失礼)!大阪の匂いをたっぷり感じさせて下さるエントリ、嬉しく読ませて戴きました。

>長いおみ足の露出が切り札
その頃から、既に仁左様のおみ足には注目が集まっていたのですね。ああ、私も見たい(違)

投稿: はるき | 2007年7月19日 (木) 22時44分

>cocoさま
うかつに,うちでコメントしますと,返事長くなりますよ~。
身替座禅は奥方の方が好みです。といって,起きてたんかいと突っ込まれそうですが,これだけ上演回数が多いと,全貌は繋がってます。
えっ,与兵衛初見。そうでした,そうでした,ジェネレーションが…。失礼しました。ワタクシでもリアルタイムと違って評価固まってからですから。
説明不能の仁左さまの与兵衛でしたね。それとおみ足(しつこい)。
昼の部のレポ,ゆっくり読ませて頂きます。病み上がりにはきついです(笑)。

投稿: とみ | 2007年7月18日 (水) 23時46分

ご回復のよし、安心しました。14日はオセワサマデシタ~(^^)

仁左丈のナマ油地獄は初めてでして、比べるべき観劇経験もなく・・・ ひたすら「かっこいい~」「コワい~」「ヤナやつだけどかわい~」(河内屋内で叱れながら寝そべって、上の空でナンカ数えていたところ)・・ で、最後は息を呑んでいるうちに終わってしまった、というのが正直なところです。

前に、アノ山蔭右京を見ちゃっていますので、確かに豪華二本立て。大阪で、ほんとにいいもの見せていただけました。。。と言ってしまえば簡単ですが、どんな一夜を過ごされた後かと、つい考えてしまいます。役者は舞台の上がすべて、とはいえ、自分が見に行く舞台でこのような事が起こるとは。。。

海老蔵さんの油地獄も、ぜひまたリベンジ上演を待ちたいところです。

投稿: coco | 2007年7月18日 (水) 23時16分

>hitomiさま
反社会的なものをもてはやす時代の要請もありましたでしょうか。さすが,リアルタイムでは存じません。
形の継承を希望すると書いた舌の根も乾かないうちですが,上方歌舞伎はリアリズム。スピリットを継承するだけでよいような気もしてきました。
さて,時代の求めるお役の創造といえば,菊之助丈(ここは自宅,まだゆーかゆわれても,まだまだ言います。)。歌舞伎座を,自身のロマンティックカラーに染め上げ,善と美の今日が求める両性具有の在り方を提示なさっておられます。新たな地平を,卓抜した技術と瑞々しい感性で切り開いてゆかれるお姿には心打たれます。おひとりで,立ち役,若衆,女形をグラデーショナルに表現なさるキャラをシェイクスピアに見出したところも凄いですね。

投稿: とみ | 2007年7月18日 (水) 20時43分

録画でしか拝見していない仁左衛門丈の油地獄、いいですねえ。色悪、善人、嫌人、何でも素敵な仁左様、玉三郎丈とだともっとうっとりです。

投稿: hitomi | 2007年7月18日 (水) 16時05分

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受信: 2007年7月29日 (日) 11時21分

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