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2007年6月 9日 (土)

堺市で拝見・我當丈一門の歌舞伎鑑賞教室

P1010109 年明け早々からず~~と楽しみにしていた,吉弥丈の梅川。何処で拝見するかが問題だったが,堺市民会館で本日,拝見してきた。
今年の鑑賞教室の解説は吉弥丈。土曜日ということで,大学生,中高生さんの姿は無く高齢化が著しい。
4人のお客様が,太鼓の効果音や女形さんの走りと,おこつく所作を吉弥丈に指南されながらトライなさった。
お楽しみの「封印切
恋飛脚大和往来の新町井筒屋の場を,上方若衆のダイジェスト版で上演する。
忠兵衛/千次郎,梅川/りき弥,八右衛門・佑次郎,おえん/當史弥,治右衛門/當十郎,仲居/和之介,純弥,當吉郎,當次郎
松嶋屋形で,躊躇しながらも自分の意志で封印を切ってしもうたというバージョンだ。若いながら凛とエエ感じのおえんさん,儚げな梅川さん,オトコマエの忠様,冥途の飛脚ばりの男気がある風の八右衛門さんで,ダイジェスト版のせわしなさは気にならない骨太な脚本で大満足!
この間に吉弥丈は,紋付き袴から梅川の拵えに…。
写真は,奈良県橿原市近鉄新ノ口駅

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歌舞伎

10分の休憩で,もう20日後の新口村に到着。
例の美しいペアルックで,雪の中,孫右衛門の旧友・忠三宅の前まできたが,生家には戻れない。
孫右衛門/我當,梅川/吉弥,おしげ/和之介,忠兵衛/進之介
新口村にも詮議の手は回っていた。養子に出した忠兵衛が大罪を犯し,育ての親が獄に繋がれているため,実父は義理のため,おたずね者忠兵衛をひっくくって番所に突き出さなくてはならない。転倒して鼻緒を切った忠兵衛に尽くし,目隠しをしたまま対面させる梅川。我當丈はさすが当代一の孫右衛門で涙をぎゅーぎゅーしぼってくださる。吉弥丈の梅川の拵えの美しいこと。うつくしいこと。装置も本格的で思わずさぶっと身震いが…。

もう一度,ご当地・奈良県橿原市(11日)で拝見したかった。
橿原公演をご覧になる方は,ぜひ,忠兵衛の墓所にご参拝をおすすめする。短気で見栄っ張りの難儀な男はんやけど,恋に生き恋に死んだことで,大坂の男であることを示さはったんやと思わずにはいられない。
←検索ボックスに忠兵衛と入力すると14エントリもあった。この半年最大の楽しみにしていたのようだ。

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コメント

>スキップさま
本日が前半の山場・岡山公演だったようです。吉弥丈の奮闘公演ですから,本当に体調には充分ご留意頂きたいとおもいます。
吉弥丈になられる前の千次郎は今,健気でオトコマエの千次郎さんが見事に継承しておられます。
確かに上方若衆は非力そうで頼りなさそですが,こんでええんやという気になりました。
17日には,おえんさんが純弥さんに交替になると予想されます。レポ楽しみにしています。

投稿: とみ | 2007年6月10日 (日) 20時42分

とみさま
早々のレポアップ、ありがとうございます。
吉弥さんの解説だけでも十分楽しみですのに、紋付袴から梅川の拵えへ、とまさに一粒で二度美味しい状態。
「新口村」はとみさんのこのレポを読んだだけですでに泣きそうです。
私は17日のピロティホールで拝見する予定。あと1週間、待ちきれませぬ~。

投稿: スキップ | 2007年6月10日 (日) 10時13分

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