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2007年4月30日 (月)

文楽四月公演千穐楽通し

本日30日は,文楽四月公演千穐楽。ライブに行く感覚で再度出かけた。
概して,お若い皆さんのノリが良くなり,ベテランの皆さんが落ち着き気味。他の演目の千穐楽のようなこれきり感はなく,長い芸道の通過点に過ぎないと感じた一日だった。
文雀さんが遣われるマイ首・萩の方の美しさは,舞台照明がアップになったかと錯覚する。前回の同行者が,玉三郎丈に似ておられると大騒ぎしたのも,空気の変え方に共通点を見出したと納得。
さて,簑助さんのお千代の表現には,詞を失っていた。間違いなく妊婦だ。死を覚悟しながらも,体が生に執着しているという断末魔の痙攣は,体中の開口部から体液が流出しているねっとり感まで伝わる。倒錯の一歩手前,絶賛しているが,好みという点では,そこまでせんかてという派だ。このような表現者を他に存じ上げない。あるとしたら,文学座の太地喜和子さんのお千代がそうだったのかもしれない。

加賀見山のお初ちゃんの奥の間へ真一文字に~が何度聴いてもここでわーわーの拍手だ。

奥庭の玉女さんと和生さんの立ち回りが最高潮(ちゃんと女形の立ち回りヨ)。玉女さんはにこにこなさってた。あんたさん,やられるのに楽しそうではあきまへんがなであるが,片や和生さんは,気持ちよさそう。この辺が千穐楽らしさか…。

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文楽

着物で観劇デビュー(試行)ということで,思いっきり着飾って出かけた。
実感として,
1 草履は靴より格段に楽。
2 帯は半幅にすると楽(名古屋帯でも苦しかった。)。
3 貝の口結び等フラットになるものが深く腰掛けられる。
4 髪形は,身長より高くない髷が,後方座席の方への配慮になる。
5 演目やご贔屓に因んだ一工夫で,観劇がより楽しくなるが,過ぎたるは野暮。
本格デビューは考慮中。

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文楽」カテゴリの記事

コメント

>直次さま
本当に興奮しました。
>玉女さん、千秋楽もにこにこしてらしたんですね。
前日もにこにこしておられましたか。
人形は緊迫感ありましたが,遣い手はリラックスしておられたのでしょうか。スカッとしました。

投稿: とみ | 2007年5月 5日 (土) 01時09分

30日は、お着物姿の方が多かったのと、舞台の興奮でぼうっとしていたのとで、お姿見つけられず。残念。
玉女さん、千秋楽もにこにこしてらしたんですね。
傘がかなり破れていたので、楽まで持つかな?と、和生さんと賭けでもしてるのかな、と。(妄想)

投稿: 直次 | 2007年5月 4日 (金) 18時22分

>まこさま
>心中宵庚申はとってもリアル,景事になるとリアルじゃない。
確かに文楽の方が,ホンに描かれた人間像にもリアリティありますので,描写もリアルなのでしょうか。今も脈々と生き続ける大坂的人間関係がみょーに身につまされます。法善寺さんで,お参りなさる様々なカップルやご家族連れを眺め,勝手にドラマを読み込んで涙ぐんでいる婆首はワタクシメでございます。
>将来は関西に移住です。
京町家や,ウイークリーマンションは人気です。ぜひ,美意識と博識でよいお仕事なさってくださいませ。

投稿: とみ | 2007年5月 3日 (木) 00時57分

心中宵庚申はとってもリアルなので、簑助さんもリアルさを強調しているのかなと思いました。片や、景事になるとリアルじゃない。動きが驚くほど大きいし、人間ではありえない首の角度だし、贔屓目で、人形でないとできない表現を目指しているのかなと思ってます。
2週間後に南座です(笑)。葵祭もみてみたい、若沖もいかなきゃ、キトラ古墳も特別公開、興福寺は八部衆が勢ぞろい、当麻寺もいかなきゃ、南座は1回じゃなくて2回いけないかと、2泊3日とは思えない日程を組もうとしています(苦笑)。
やっぱり、将来は関西に移住です。

投稿: まこ | 2007年5月 2日 (水) 22時51分

>まこさま
いつもながら,まこさまの情報収集,調整力,行動力には感服いたします。天地会に照準を合わせた上方遠征,1日は天候に恵まれませんでしたが,前半に大和路探訪をお済ませ懸命でございました。
まこさまは,分かっていただけましたか。首は,玉三郎丈にそっくりではないです。しかし,玉三郎丈と同じ場のさらい方と,視線の釘付けをなさいます。あの方は,戸無瀬,定高などでご登場ですね。墨染めの打ち掛け姿の美しさは,別の芸術作品のようです。
片や簑助さん。一歩手前で堪えて欲しいというのは,ワタクシメのわがままです。断末魔から,液体がなくなってだんだん小さくなる失血死のプロセス(見たことはないですが…)は,確かに人形以外では不可能でしょう。ゾクッ。
当然南座来られますよね。もうすぐ阿国が四条河原に…。

投稿: とみ | 2007年5月 2日 (水) 21時17分

文雀さんの老女形のかしら、ほんとステキですよね。
昨年9月の戸無瀬と同じかしらだと思うんです。
あのかしらが登場すると、ずっ~とそればかりみている私は、やはり玉三郎さんをどこかで感じているんでしょうか。

投稿: まこ | 2007年5月 2日 (水) 20時19分

>おりんさま
熱心に学習なさっておられる,真摯な姿勢に感動しました。ぜひ,文楽広報部としてご活躍ください。
東京で大きなイベントが待ってますね。存分にお楽しみください。

投稿: とみ | 2007年5月 2日 (水) 19時25分

>ハヌルさま
>特に、加賀見山でのお初は良かったですねえ。
本当に良かったですね。溜飲がさがるとはあのことですね。
>殺される側なのに笑っておられたのが微笑ましかったです(苦笑)。
千秋楽ならではのリラックスでしょうか。全くの初心者なので,一公演における習熟度のアップなど見極める目はありませんが,なんとも楽しかったですね。
>お着物デビューとのこと!
今も,着物より一度でも多く観劇したい派です。
とある本番に備え,誰にも会わないであろう日にこっそりデビューしました。南座,大阪松竹座は足の長さに合わないです。国立文楽劇場,春秋座,ワッハホールが可能でしょうか。

投稿: とみ | 2007年5月 2日 (水) 19時12分

おりんです。
今回はお話もゆっくり出来てとても嬉しかったです。

着物デビューとは全く思えぬ着こなしで、かっこよかったです!観劇されている後姿も美しゅうございました。

あと玉女さんにこにこでしたね~。その前の段までのお顔との差にびっくりでした。前日観られた方とお話したのですが、その前の日も笑顔だったそうで。
どうやらやられちゃうの楽しまれているようですね~

投稿: おりん | 2007年5月 2日 (水) 13時06分

通し観劇お疲れさまです。 
お着物デビューとのこと! もう以前からお着物で観劇されているのかと思っていました。素敵ですね~。結構お着物姿の方がいらっしゃいましたね。 憧れるものの、長時間座っていられる自信もないし、がさつなもので、なかなか・・・^^;

夜の部だけですが、私も千穐楽に例によって母と行きました。
粂仙人~も加賀見山~も見応えのある舞台で楽しかったです。
特に、加賀見山でのお初は良かったですねえ。 
表情が少しずつ変わるような気がして惹きつけられました。

>玉女さんはにこにこなさってた...
殺される側なのに笑っておられたのが微笑ましかったです(苦笑)

投稿: ハヌル | 2007年5月 2日 (水) 12時09分

>藤十郎さま
ご高配のコメントを頂戴し,かえって恐縮してしまいます。
御覧のとおり,知識も鑑賞暦も乏しく,熱心さと申し上げても,地元の公演を一度きりで,一気に傾倒しておられる方と比較しても生ぬるうございます。未だお目にかかれていないのは,偶然ではなく,まめに劇場に足を運ばないことからくる必然でございます。屈指の文楽評論家様に軽々に御目文字叶うとは,つゆ考えておりません。
地の利,可処分所得及び自由時間の少なさは,長年培った只一度を心に焼き付ける目と,普遍性のある考察と,馬齢でカバーしていますので,今後ともご指導を賜りますようお願い致します。

投稿: とみ | 2007年5月 1日 (火) 23時04分

お目にかかれませず残念でございました。
「最後の大物」との対面はいつ叶いますことやら。
私はもっぱら平日に入っておりました。こういうところは私の仕事の気楽なところです。
5月、気合が入りそうですね。
私は後半に行きます。

投稿: 藤十郎 | 2007年5月 1日 (火) 21時39分

>ゆきよさま
三月に六本木ミュージアムツアー済ませてしまいました。4月の街開き後を確かめに,上京したくなってきました。上京の際にはぜひ御目文字が叶えば幸いです。
お江戸の方にとっては大阪暮らしは大変でございましたでしょう。とにもかくにも,通り魔やストーカーの魔手をかいくぐり,堅固でお戻りなされたことが重畳でございます。團菊祭,十二夜…。楽しみは続きますね。
東京の文楽公演は,お江戸でも人気の時代物の大曲が中心のようです。行きたくなってきたではありませんか。

投稿: とみ | 2007年5月 1日 (火) 19時47分

>とみさま
ご無沙汰しております。
まぁ!着物デビューですか!?素敵です♪
私はどうも着物に縁が無く、着ようと予定する日には雨が降ります(涙)
3月に文楽の地方公演が地元で開催されましたので、昼夜通して拝見しました。大阪にうかがう機会は少なくなりますが、これからも文楽も続けて観たいと思っております。
5月の東京公演は通しなので気合を入れて拝見します。

投稿: ゆきよ | 2007年5月 1日 (火) 19時20分

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