文楽四月公演千穐楽通し
本日30日は,文楽四月公演千穐楽。ライブに行く感覚で再度出かけた。
概して,お若い皆さんのノリが良くなり,ベテランの皆さんが落ち着き気味。他の演目の千穐楽のようなこれきり感はなく,長い芸道の通過点に過ぎないと感じた一日だった。
文雀さんが遣われるマイ首・萩の方の美しさは,舞台照明がアップになったかと錯覚する。前回の同行者が,玉三郎丈に似ておられると大騒ぎしたのも,空気の変え方に共通点を見出したと納得。
さて,簑助さんのお千代の表現には,詞を失っていた。間違いなく妊婦だ。死を覚悟しながらも,体が生に執着しているという断末魔の痙攣は,体中の開口部から体液が流出しているねっとり感まで伝わる。倒錯の一歩手前,絶賛しているが,好みという点では,そこまでせんかてという派だ。このような表現者を他に存じ上げない。あるとしたら,文学座の太地喜和子さんのお千代がそうだったのかもしれない。
加賀見山のお初ちゃんの奥の間へ真一文字に~が何度聴いてもここでわーわーの拍手だ。
奥庭の玉女さんと和生さんの立ち回りが最高潮(ちゃんと女形の立ち回りヨ)。玉女さんはにこにこなさってた。あんたさん,やられるのに楽しそうではあきまへんがなであるが,片や和生さんは,気持ちよさそう。この辺が千穐楽らしさか…。
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