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2007年3月17日 (土)

馬酔木も満開・玉三郎丈の中将姫

馬酔木も満開・玉三郎丈の中将姫
国立劇場小劇場で,新作歌舞伎「蓮絲恋慕曼陀羅」を鑑賞した。前庭では,さくら祭が開催されていたが,桜はまだ。しかし,平城京と当麻を舞台とする作品に相応しく,早春の奈良の都を象徴する花・馬酔木が,あたかも玉三郎丈のために咲いたように満開だ。
磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君がありといはなくに
大伯皇女
(岩の辺りに生えている馬酔木を折ってみたが見せたいあなたが生きているわけではない)
大伯皇女は天武帝の皇女で万葉歌人である。「君」は同母弟の大津皇子。武勇に優れた大津皇子は,謀反の冤罪で刑死した。万葉集に彼女の歌は六首しか収められていないが,どれも弟大津を思う歌ばかりで悲しみの深さが胸に迫る。
生きた時代が異なる大津皇子と中将姫の魂の交信を,小説「死者の書」にしたのは,折口信夫である。大津皇子と同母姉大伯皇女は,母を早くに亡くし,二人きりで寄り添って生きてきたのであろう。馬酔木を手折り,弟に見せる慈愛深い姉上のお姿に玉三郎丈をイメージするのは,玉三郎丈教信者の妄想か。

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