エビータ・新名古屋ミュージカル劇場
新・名古屋ミュージカル劇場で劇団四季・エビータを鑑賞した。
A.ロイド・ウエッバー作曲のエビータは,日本初演が1982年。当時,女性を応援するミュージカルとして絶賛を持って受け入れられた。時代に即応した上昇志向と女性の解放をうたいあげたものだったように記憶している。1996年には,マドンナ&バンデラス主演で映像化もされた。虹の高みに駆け上がろうとするエバの野心はマドンナそのものだった。
そして,今回のエビータを,「またか」でスルーしたら後悔するゾと言い切ろう。
2005年に,衣装,振付,装置,演出がマイナーチェンジではなく大刷新されたばかりか,現代の観客に受け入れられる物語になっている。
装置はプライドロック並みの回転,床面のせり上がり,ほぼ正方形のプロセニアム一杯使った三次元の展開。降りもの。照明のお遊びと新鮮さに見惚れる。
佐野ペロンは,軍人らしい風貌とスタイルで愛すべき独裁者を好演。井上エビータは,自信が前面に出て良い感じ。高音域ののびがもう少しあれば完成型になろう。
エビータは,いまわのきわまで権力に固執する。権力は,後世に何も残さないと知りすぎている政治家としてのエビータ。死後も続く永遠の愛は無いと知っている女としてのエビータ。死の本当の意味を強調した冷徹な演出になっている。
また,チェの権力に対する敵愾心がやや弱まり,シニカルになっていた。演出に起因すると思われるが,芝さんの変貌かもしれない。謎。
![]() ミュージカル |
芝チェは,従前のやりたい放題が少しオトナシメになられたようだ。ここで,興行主に一言。これだけリニューアルしたのなら,後進にこのお役を譲りときではないだろうか。誰がよろしいか申し上げるまでもなく,ハイ,軍服と無精ひげの似合いのびと艶のあるお声のあのお方。
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