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2007年2月13日 (火)

朧の森に棲む鬼・大阪松竹座

よくぞ,2月まで待てたものだ。12日,やっと鑑賞した。
まずは演出から誉める!
作:中島かずき/演出:いのうえひでのり
ライ:市川染五郎/マダレ:古田新太/キンタ:阿部サダヲ
シキブ:高田聖子/ツナ:秋山菜津子/シュテン:真木よう子
ウラベ:粟根まこと/サダミツ:小須田康人/オオキミ:田山涼成
あらすじ
いつとも知れぬ昔,どことも知れぬ森。
二人の男が累々たる屍に埋まる森で,金目のものを物色していた。兄貴分ライは,突然現れた3人の魔女「オボロ」にそそのかされる。
「王の座を欲しくないか,おまえの命と引き替えに。」
「自分で自分を殺さない限りは死なない。」
魔剣「オボロの剣」と嘘で染まった真っ赤な舌をもらったライは,都合の良い言葉に気を良くし,最初に出会ったヤスマサを血祭りにあげる。次に出会ったオーエ国の首長シュテンと兵士たちに出任せを並べてその場を逃れ,弟分キンタを従え,エイアン国に乗り込む。
都はイチノオオキミが治める御世。側室のシキブ,軍事を司るウラベ,サダミツ及びツナ,盗賊の頭目マダレ等,権勢欲と情欲に取り付かれた男女が蠢く魔物の森だった。
ライの嘘は面白いように決まり,剣は血を吸う。瞬く間にライは王位に就き,殺したヤスマサの未亡人ツナを射止める。
しかし,ライの栄華にもかげりが…。3人の魔女の予言が実現しようとしていた。

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演劇

演出の楽しみ
☆新感線のお芝居は,長ければ長いほどよろしい。音は大きいほど,流血は多いほど,濡場は充分な運動量を確保していただくほどありがたい。楽屋落ちネタ大歓迎。無意味な殺陣,本筋と無関係なギャグのためのギャグ,刃物やぬいぐるみの小道具の乱用で笑いをとっていただきたい。耳をつんざくロックンロール,歌詞の聞き取れないシャウト。市川染五郎丈主演のいのうえ歌舞伎でも,これらの基本は押えておられた。
今回の「朧の森に棲む鬼」は,シェイクスピアのリチャード三世の枠組みを,源頼光をはじめとする四天王の大江山の酒呑童子征伐の世界に翻案し,無意味なお楽しみをぐっと堪え,悪の華で魅せる洗練されたものに仕上がっていた。
場面転換ごとに幕が下りる,照明の光量がメリハリが少ないなど,ちょっとしたいつもとの違いはあるが,終幕に向かってどんどんそれらしくなってくる。何と言っても吹き上がる血飛沫,大音響,目も潰れんばかりの閃光のような照明。魔女ともライともつかない哄笑。もっとやってくれ〜。
血よ,オボロの森を真っ赤な嘘に染め上げろ!それが俺の生きる証だ。
大嘘なコピーに思われるが嘘ではない。いのうえさんは正直者。このとおりの光景を見せていただける。土下座〜。

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コメント

>ハヌルさま
霧深く湿潤な森をイメージしてましたが,思ったより照明が強かったです。思い出してかみしめて,殆どウシの状態です。

投稿: とみ | 2007年2月17日 (土) 21時53分

とみさま、ついに朧の森に踏み込まれたのですね!
おめでとうございます~♪
今回は観終わった爽快感も確かにありますが、とても重いものを引きずってしまう感情も残ります。嫌な感情ではないのですけれどね。
朧の森にはまだ彷徨われていますか? 抜けちゃいましたか?
抜けられるわけ、ないですよね。
私もまだ彷徨い続けています・・・。

投稿: ハヌル | 2007年2月17日 (土) 14時02分

>yopikoさま
ご無沙汰しています。連日,すんごい盛り上がりのようです。☆新感線の舞台は,ゲームにはまる少年の気分を満喫させていただけます。DVDを拝見していると,ポイントに戻って別のストーリーに迷いこめそうな…。
この分厚さがたまんねえ(失礼)。
ぜんぜん,拙文では表現できていません。もどかしいゾ。

投稿: とみ | 2007年2月15日 (木) 20時02分

私の朧祭りは終わりましたが、こうして大阪でのレポを読んでは思い出し、まだまだ心は朧の森を彷徨っています(笑)
とみさんの1段落目を読んで、他の舞台ならば欠点になるようなことが、新感線だと欠点にならない、むしろそれらを凌駕してしまう何かをやり遂げてしまうので、観客も気を抜けない、のかなあと感じました。
「まずは演出を誉める」ということはまだまだ、どんどん、続きがあるんですよね~!楽しみにしておりますm(_ _)m

投稿: yopiko | 2007年2月15日 (木) 00時32分

>スキップさま
どこまで走るかいのうえ歌舞伎。今を生きる劇団。面白くなかったら遠慮せず切るという客席との緊迫感が好きです。少し心配なのが若い観客が少なかったことでしょうか。期待してもしても期待を超えていただいた彼らに感謝。

投稿: とみ | 2007年2月14日 (水) 12時17分

とみさま
このお芝居をとみさんがどのようにお感じになるか、ご覧になるのを楽しみに待っていました。
“いのうえ歌舞伎第2章”の第2弾は、大人テイストながらも「吉原御免状」と比べると新感線らしさ全開のように感じました。原作物と座付作者があて書きしたものとの違いでしょうか。
まずは演出を誉めていただいて、次は役者さん、次は・・・楽しみに読ませていただきますね。

投稿: スキップ | 2007年2月14日 (水) 00時51分

>悠さま
コメントありがとうございます。新感線は一気に語りきれないので,まずは最も新感線らしいところから始めました。
RPG的プロット,少年向けノベルスや劇画のテイスト,ヘビメタ音楽劇…。少年もばーちゃんも同じ夢を見ることのできる希有な劇団と思われます。
続いて,途方もない技術を持ったご出演のみなさんを誉めますね。

投稿: とみ | 2007年2月14日 (水) 00時22分

>本筋と無関係なギャグのためのギャグ
これって新感線ですよね(笑)。
田山さんが、古田さんが。。。笑わせてくれました。
女性3人の役もしっかり描かれてましたし、よかった。

投稿: 悠 | 2007年2月14日 (水) 00時04分

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