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2007年2月17日 (土)

10万ヒット記念リクエストエントリ・花の業平の屋敷跡は京都の都心

P1010005 10万ヒットのrika様・御礼リクエストとして,京都を代表するパーソナリティ・在原業平朝臣と2001年1月宝塚歌劇星組公演『花の業平~忍ぶの乱れ~』について,あれこれ思うところを記述する。

在原業平朝臣(825~80)は,平安初期の代表的歌人で,六歌仙の一人。父は平城天皇の皇子阿保親王,母は桓武天皇の皇女伊都内親王であったが,2歳の時,在原姓を名乗り臣籍に降った。しかし,歌人としての高名もさることながら,絶世の美男として多くの女生と浮き名を流し,『伊勢物語』の主人公に据えられた。
『伊勢物語』は,大長編の『源氏物語』に比べると,完結性の高い短編集的な様相であるが,貴公子と女性との恋の類型はきっちり抑えてあり,後世の物語に範となる魅力的な古典である。

その邸は左京四坊三町にあったと伝えられ,現在の位置では中京区間之町通御池下る東側。京都のオフィス街は,なにげに歴史や文化にゆかりの地である。ありがたや。
タッと走って↑石碑の写真を撮影してきた。
さて,なぜ,いきなり在原業平かと問われれば…。

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宝塚歌劇もご覧になるrikaさまのご贔屓の作家が,柴田侑宏さん&尾上菊之丞さん。観劇歴は浅いので,ワタクシが拝見したお二方の作品は2001年1月星組公演の「花の業平」のみである。これは,凄い作品なので2度再演されている。

『花の業平~忍ぶの乱れ~』作:柴田侑宏 演出・振付:尾上菊之丞』
平安初期の京の都を背景に,在原業平と政敵・藤原良房の娘高子(たかいこ)との果敢な恋に焦点をしぼり,芳醇な台詞と流麗な音楽で綴った王朝もののミュージカル。作曲は吉田優子氏。
業平は高子のもとへ忍んでゆく仲であるが,高子は藤原北家の大切な后がね。父や兄の知るところとなり引き裂かれてしまう。業平は高子を盗み出すという決死の逃避行を敢行するが,むなしく芥川で追っ手に連れ戻される。傷心の彼のため,友人達がせめて一目なりとも合わせようと,花の宴の賑わいにまぎれて計略をたてる。
東下り,伊勢の斉宮との一夜,応天門の変,友人達との交流,橘逸成の変の名残など,虚実綯い交ぜ,雅のなかに厳しい政治の駆け引き,乱れる都の治安と,大人が楽しめる舞台となっている。
特に,業平の歌が歌曲になっているのがツボ。「世の中に絶えて桜の…」,「月やあらぬ春や昔の春ならぬ…」,「君や来し…」,「白玉か何ぞと人の問いし時…」良くて当然だ。
ええ大人の男女が命懸けの恋をするが,そこは死を忌む平安の世。柴田先生は究極の台詞を用意しておられる。「もしかしたらこれきりに…。別れ別れになっても死ぬなよ。」

以来,古典を別として,主人公のいずれかが命を落とす物語が極端に嫌いになった。

最後に,懲りない二人のその後だが,業平さんは三千人の女性と浮き名を流した末,天寿を全うし,業平の死後,高子さんは55歳のとき,僧侶と密通し皇太后の称を剥奪せらる。(``)/゙オマイナァ!!

さらに,花の業平で,藤原基経と在原業平役だった香寿たつきさんは,蜷川幸雄さんのお芝居で,重要な役どころを美声を響かせて演じておられる。今日は「コリオレイナス」を鑑賞してきた。つづく…。

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コメント

10万ヒットおめでとうございます。今頃ですいません。まだこの頃はとみ様を存じあげなくて。現在は何万でしょう。


香寿さんの業平はチラシからトップ二人がとても美麗でうれしかったです。1回だけですが中日で観劇。トップになれて本当によかった。

とみ様の「その後の業平と高子」が素晴らしい!別世界で。

投稿: hitomi | 2007年6月 3日 (日) 09時05分

>rikaさま
7回,お詳しいrikaさまに失礼致しました。
美しい言葉を駆使した女性のための娯楽の王道をゆくものと思います。女性が大好きな命懸けの恋をテーマにし,感動を取りながら穏便に収めるところがいいですね。日本人の本来の心は色好みでおおらか。女性は美男が好き。ホンネで語る気安さが,封建時代の価値観をテーマにした閉塞感のある演劇を見慣れた者には新鮮でした。
一方,最もどん引きが,現代の価値観でその時代の価値観を批判する台詞です。業平は,平安時代の価値観で語っておられてマル。平安時代は今と同じ価値観だったというのが◎。

投稿: とみ | 2007年2月18日 (日) 19時53分

とみさん、こんにちは。

どうしましょ~~~~。
「花の業平」の文字を見た途端「きゃ~~~~(ハート)」と叫んでしまいました(笑)。
何を隠そう・・・・だ~~~~い好きな作品なんです「花の業平」。
宝塚の稔さん業平は映像でしか拝見できていませんが、その後の東京・名古屋は観に行きました。特に中日は近いというのもあって7回も・・・・(笑)。
ノルさんの雅な業平も、タータンさんのちょっと硬めの業平も大好きです。
今日は暇な休日ですので久しぶりに「花の業平」を見てみます。
素敵な、私のどツボにはまった(笑)エントリー・・・・・、ありがとうございました。

投稿: rika | 2007年2月18日 (日) 09時46分

>悠さま
作曲が寺田先生ですね。
星影の人,先日観劇しました。生徒さんへの愛が溢れるよい作品でした。
最近,あちゃーな戯曲多いですから…。

投稿: とみ | 2007年2月17日 (土) 23時40分

柴田侑宏さん&尾上菊之丞さんでしたか。業平みましたが、記憶から、、、消えております。
お二人のコンビの、雪組「星影の人」見ましたよ。

投稿: 悠 | 2007年2月17日 (土) 22時49分

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