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2007年2月19日 (月)

スウィーニー・トッド

Sweeney 18日(日),シアターBRAVA!マチネで鑑賞した。
演出・振付:宮本亜門,作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
キャスト
スウィーニー・トッド(床屋)/市村正親
ミセス・ラヴェット(パイ屋)/大竹しのぶ
乞食女/キムラ緑子,ジョアンナ(娘)/ソニン,アンソニー(船員)/城田優,ターピン(判事)/立川三貴,ビードル(判事の腰巾着)/斉藤暁,トバイアス(店員)/武田真治
あらすじ
妻に横恋慕した判事に,無実の罪で終身刑にされた床屋が,脱獄してロンドンに戻って来た。すでに妻は自殺し,娘は判事に軟禁されていると知った彼は,スウィーニー・トッドと名を変え,ラヴェット夫人のパイ屋の2階で床屋を開業しながら虎視眈々と判事を狙っていた。そして,過去を知る男に強請られ,ためらい無く殺してしまったことをきっかけに無差別殺人に手を染める。ラヴェット夫人の店も,副産物を活用して大繁盛。そして,ついに待ちに待った機会が来た。娘に恋した船員が娘を救い出そうとして町は大混乱となる。

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ミュージカル

Maint 宮本亜門氏演出&振り付けのソンドハイム・ミュージカル。
前世紀のロンドンに実在したといわれる殺人床屋と,人肉でパイを焼いて大繁盛した大家の女主人…。殺人床屋に市村正親,パイ屋に大竹しのぶというだけでも一見の価値ありだ。
ソンドハイムの楽曲は分厚い和声というか不協和音も交えて凝っている。装置も大きく変わらないが前世紀のロンドンの下町の猥雑さや霧深さ,ごみごみ感があってよろしい。当然2階レベルも使い,居所変わりだ。オケは生オケ。お衣装も決してきらびやかとは言えないが良い作りだ。メイクが怖い。おー,これは気合入れなおして鑑賞だ。
市村さんのトッドは,これ以上は考えられなくお似合い。復讐に燃える男から無差別殺人鬼に変身するところが,なぜかと一瞬思うが,怖さに納得。何でもおできになる市村さんだが,このくらいの難度の主人公でないともったいない。
ラヴェット夫人は,トッドに参っていて女房になりたいと望んでいる。生活力溢れ逞しいが,惚れた男にはからきし弱いかわいい女性だ。お歌もコンサート歌手もできそうなほど上手だ。大竹しのぶさんの「私って天才」という台詞もうなずいてしまう。
豪華キャストには訳がある。皆さん,難曲をものともせず堂々の歌唱ぶり。
ネタバレを避けるが,終幕は大惨事が次から次へと起こり,どどどーんと終わる。
当分,床屋へは行きたくなくなり,ミートパイは遠慮したくなる。
↑りおんくんのオーストラリアンミートパイ。ご近所で売っているが人気のようだ。

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ミュージカル」カテゴリの記事

コメント

>butlerさま
ようこそ,拙宅へ
>全く同類の雑食系です。(笑)
今は雑食系ですが,小学生のころは,桜の園,どん底,アンドロマック,アンチゴネ,オンディーヌ系の新劇に夢中でした。
これは,ストレートプレイでもよさげですね。市村さんはこれくらい厳しいお芝居でないといけません。
また,寄せて頂きます。

投稿: とみ | 2007年2月22日 (木) 01時08分

>麗さま
ようこそ,拙宅へ。
メタマク書いたころの切れ味が戻らないですが,継続は力なり。一山越えたら頑張ります。例年,年始は大阪は良い作品が流れてきます。ひばりも飛んで来て欲しかった。
本当にあれだれ状態の上手さでした。
映画のHP見ましたが,宮本演出は装置も照明も衣装も本場より凝っていました。勝った。
不協和音部の歌唱は負けたかも。

投稿: とみ | 2007年2月22日 (木) 00時46分

とみさま

こんばんは。麗です。
市村さんのトッドは、本当にハマり役でしたね!
あの響き渡る歌声には聞き惚れてしまいました。
ミュージカルに市村あり!(笑)

しのぶさんも良かったし、武田真治くんも、
ソニンちゃんも役にぴったりハマってましたね。
特に武田真治くんは、休憩時間まで(あの人誰?)って思い、
まったく気付いていませんでした。(笑)

投稿: | 2007年2月21日 (水) 23時59分

とみさま、
お富さんでもいいですか?

はじめまして。
最初から失礼しました。

私の観劇スタートも関西です。
紅テントの状況劇場が鴨川の河原、黒テントが大阪下町の空き地、玉三郎のお染の七役が南座、文楽が道頓堀の朝日座、藤山寛美の松竹新喜劇が中座、新劇が毎日ホールとサンケイホール、越路吹雪のミュージカルが梅田コマ、そしてレビューは宝塚と、全く同類の雑食系です。(笑)

本当にかぶった作品が多くて嬉しい限りです。
これからも、時々お邪魔して過去の記録もじっくりと拝見させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

TB&コメントに感謝します!

投稿: butler | 2007年2月21日 (水) 23時10分

>ぴかちゅうさま
ありがとうございます。ちょっとしたトラウマがあって,最近,劇団四季以外のニュージカル,しかも,ブロードウエイミュージカルの翻訳を拝見していないので,勉強不足でございました。ミュージカルといえばロンドンという刷り込みも怖い。
主人公の設定が気に入って迷わず観劇を決めました。映画も楽しみです。
ヴェニスは,アル・パチーノ版の映画見ました。市村さんとアル・パチーノ。共通点ありますねー。

投稿: とみ | 2007年2月20日 (火) 22時47分

東京公演の感想をTBさせていただきました。私はソンドハイムの初心者なのですが、スキップさまとのやりとりに横から失礼しますm(_ _)m
>ロンドンミュージカルらしい上質なエンタテイメント.....ソンドハイムはNY生まれでハマースタインに学んでいますから正確にはロンドンミュージカルではないと思われます。ブロードウェイミュージカルの主流派ではないことは確かです。検索したら宮本亜門氏の文章がヒットして、またまた勉強できてしまいました。http://www.praemiumimperiale.org/jp/laureates/sond_essay.html
「Into The Woods」がとってもよかったので「スウィーニー・トッド」は迷わずチケットゲット。いずれも観始めは違和感に耐え、最後にはそれが快感に変わるという不思議な作品でした。再演あったら絶対観たいです。
市村さんは「ヴェニスの商人」のシャイロックも観ないといけないし、新国立のユージン・オニールものにも出演されるので観ないといけない。今年もしっかり追っかけたいと思ってます!!

投稿: ぴかちゅう | 2007年2月20日 (火) 21時56分

>スキップさま
それなりに飛んでおります拙宅へようこそ。
シュールな不条理劇が好きなので,かなり厳しいものを想像していたのですが,どうしてどうして,本格的なミュージカルらしい上質なエンタテイメントでした。
最近,刺激のきついもんは一度に留めています。
菓子職人→賞味期限切れがツボでした。
もう少し,昨今の殺人事件を踏まえたアドリブがあっても良かったかと思われますが,不謹慎に過ぎるでしょうね。

投稿: とみ | 2007年2月20日 (火) 12時42分

とみさま
> 終幕は大惨事が次から次へと起こり,どどどーんと終わる。
全くその通りです。あの“どどどーん”にヤラれて、しばらく放心状態でした。うーん、もう観たくない・・いや、また観たい。
それにしても市村さんのトッド、ほんとにステキでしたね~。

投稿: スキップ | 2007年2月20日 (火) 00時53分

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