« 明日から阿久津さんがラム・タム・タガー | トップページ | 南座歌舞伎鑑賞教室演目は京人形 »

2007年2月 6日 (火)

義経千本桜・河連法眼館の段

鴬の声なかりせば雪消えぬ,山里いかで春を知らまし。
河連法眼館の段

  中 文字久大夫/清志郎
  奥 咲大夫/燕三/龍聿
 人形役割
  九郎判官源義経:清之助/佐藤忠信:勘弥
  亀井六郎:清三郎/駿河次郎:和右
  静御前:和生
  狐忠信:勘十郎
河連法眼館の段は,おなじみ四の切である。佐藤忠信と狐忠信は同じ人形遣いさんが遣わない。初心者はこんなところにもなるほどと思ってしまう。
生真面目な勘弥さんの佐藤忠信は,見るからに律儀な忠臣だ。凛々しく哀しくも美しい清之助さんの九郎判官源義経。ここでも気品がびんびん響く。今日も気品の謎が解けなかったが,威を払う貴公子ぶり!尾上菊助丈が義経公をなさったらかくやの輝きだった。静御前は,はんなりとしたなかにも武将の内室らしい潔さ。
床は,文字久大夫さんと清志郎さんらしく誠実で暖かく聞きほれるが,春らしすぎてつい…。

にほんブログ村 トラコミュ 文楽へ
文楽

さて,聴き所,見所,最高潮が狐の正体を現してからの物語(ものがたり)。待ってましたの狐詞と狐のバチさばきと人形の外連。
「桓武天皇の御宇(ぎょう),内裏(だいり)に雨乞ひありし時…」
な,長い…。クレッシェンド,フォルテシモが続く。クレッシェンドになったらそのままだ。伝統芸能は,序,急,破と進むんだった。大夫は火を吐き,三味線は炎を噴きあげ,人形はフラッシュバーン。舞台はプラズマ状態に…。揺らぐ上昇気流に乗ってかわいらしい狐さんは鼓をくわえて桜の花びらを蒔きながらワイヤーで飛んでいった。ハイ,放心状態。興奮の坩堝のうちに幕。
石橋から仔獅子と三人が飛んで以来,三人宙乗りになっても驚かないと覚悟していたが,狐さんだけというので安心した。
勘十郎さん,火炎の肩衣は似合いすぎ。また,三人出遣いにして欲しかったナー。

|

« 明日から阿久津さんがラム・タム・タガー | トップページ | 南座歌舞伎鑑賞教室演目は京人形 »

文楽」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 義経千本桜・河連法眼館の段:

« 明日から阿久津さんがラム・タム・タガー | トップページ | 南座歌舞伎鑑賞教室演目は京人形 »