« 国立文楽劇場のにらみ鯛 | トップページ | 国立劇場第1回芸の真髄シリーズ「文楽太棹」鶴澤清治 »

2007年1月22日 (月)

冥途の飛脚・忠兵衛&禿役替わり

冥途の飛脚・忠兵衛&禿役替わり
14日から忠兵衛は玉女さん,禿は玉誉さんに交替。
21日1部を拝見した。玉女さんの拵えた人形はえらいオトコマエで,ラブストーリーらしい香気があった。その分堪え性のなさや場当たり的な稚拙さは抑え気味。
清二郎さんの三味線が絶好調。傾城たちが,「辛気くそうなってきたし,ここらでぱーと浄瑠璃で気張らししょーか。」。禿に,「三味線の頼母師匠,呼びにいっといで」と言うて,禿は「お師匠さん扇屋にいかはった。うち弟子やし,うちやるしー,三味線とって来る。」と,夕霧の悲恋を謡う。玉誉さんもさることながら,左が冴えておられた。
禿の左はどなたさんでっしゃろ?
禿の浄瑠璃は泣くとこちゃうやろか。泣けましたで!

にほんブログ村 トラコミュ 文楽へ
文楽

適当にはしょって現代語訳しましたが浄瑠璃は↓

「アヽいかふ気がめいる、わつさりと浄瑠璃にせまいか、禿どもちよつと往て竹本頼母様借つておじや」「イヤさきに鬢附買ふとて聞きましたが、芝居からすぐに越後町の扇屋へ往かんしたげな、私は頼母様の弟子なればよふ似た所を聞かんせ、サア三味線」と夕霧の昔を、今にひきかけて、「傾城に誠なしと世の人の申せども、それは皆僻言訳知らずの詞ぞや、誠も嘘ももと一つ、たとへば命なげうちいかに誠をつくしても、男の方より便りなく遠ざかるその時は、心やたけに思ひても、かふした身なればまゝならず、おのづから思はぬ花の根引きに合ひ、かけし誓ひも嘘となり、又始めより偽りの勤めばかりに逢ふ人も、絶へず重ぬる色衣つひの寄るべとなる時は、始めの嘘も皆誠、とかくたゞ恋路には偽りもなく誠もなし、縁のあるのが誠ぞや、逢ふこと叶はぬ男をば思ひ/\て思ひが積り、思ひざめにも醒むるもの辛や所在と恨むらん。『恨まば恨めいとしいといふこの病ひ、勤めする身の持病か』と、恋に浮世を投げ首の酒も、白けて醒めにけり。

|

« 国立文楽劇場のにらみ鯛 | トップページ | 国立劇場第1回芸の真髄シリーズ「文楽太棹」鶴澤清治 »

文楽」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 冥途の飛脚・忠兵衛&禿役替わり:

« 国立文楽劇場のにらみ鯛 | トップページ | 国立劇場第1回芸の真髄シリーズ「文楽太棹」鶴澤清治 »