宝塚大劇場月組公演「パリの空よりも高く」,「ファンシー・ダンス」
宝塚大劇場は元日から公演が始まる。見ないことには年が明けない。
2007年は,月組「パリの空よりも高く」(by 植田紳爾)「ファンシー・ダンス」(by 三木章雄)で幕が開いた。
作家活動50周年を昨年迎えた植田紳爾氏の101作目となる「パリの空よりも高く」は,菊田一夫氏の作品を翻案したもので,パリ万博に沸くパリのホテルに棲むペテン師コンビと,夢多き建築家エッフェルを中心とするミュージカルコメディ。
ペテン師の兄貴分にトップスターの瀬名さん,弟分に大空さんという月組が誇る名コンビに,木訥な建築家に霧矢さん,3人のアイドル的な花売娘に彩乃さんと手堅すぎる設定である。更に,ホテルの女主人に新組長の出雲さん,コメディに欠かせない専科の未沙さんなどで盤石に固める。
瀬奈さんは,長身小顔,さわやか二枚目でありながらコメディセンスに長けた方だ。二枚目半もいける盟友・大空さんとのコンビは息もぴったりで,膨大な台詞をテンポ良く絶妙の間で見せて下さった。このため,ヒロインとの絡みが少ないことや,多くの生徒さんを生かし切れていないという難点とは背中合わせとなる。古色蒼然と切り捨てるのはたやすいが,ほっこりおおどかな古き良き時代の風情があってよろしいとおおみこころでご覧頂きたい。
![]() ミュージカル |
「ファンシー・ダンス」は,振付に優れ,場面ごとに時代や国籍の設定に趣向を凝らし飽きさせない。今公演から月組に配属となった遼河さんと桐生さんという実力を備えたダンスリーダーが,若いダンサーを率いて場面を締める。
注目は,ダレン・リー氏の振付の人形振りがある「ペトルーシュカ」だ。霧矢さん,遼河さん,城咲さんの3人が難度の高い振りを決めてくれた。
同じダレン・リー氏の振付でも,ばーちゃん(彩乃さん)が若き日の30年代のハリウッドにタイムスリップし,スター(瀬名さん)と踊る場面は,ロマコメの月組らしく楽しく創ってあった。
フィナーレの後,年頭の挨拶として,新組長の出雲さんが張りのある美声で,月組の新体制をご紹介の後,トップスター瀬名さんのさわやかな挨拶があった。
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コメント
>midoriさま
バックナンバーにコメントいただきありがとうございます。ご覧のとおり,2007年最初のエントリですので気合い入ってます。右の尊敬する演劇評論家薮下センセを敬慕するあまり,タッチや風合いが似てきているきらいはありますが,いこかなと言う気にさせるよう心懸けております。
正月のムラならこれでいいけど,2月3月の東京はいかがなものかという懸念も,みなさんの頑張りで全くの杞憂でした。
ありがとうございました。後ほど貴宅に寄せて頂きます。
投稿: とみ | 2007年3月16日 (金) 22時32分
先日、東京公演を観てきました。
大劇場公演、ご覧になっていたんですね!
しかも元旦♪
(*^^*)
舞台の方達は、「新年から舞台に立てるのは幸せなこと」と
おっしゃいますが、これも又、常人とは別世界のことですね。
(^^;
今回は2回観れる予定だったので、初回の感想はサラリとアップ
していました。
トラバさせていただこうとしたのですが、上手くいかなくて…。
URLに該当記事のアドレスを入れさせていただきました。
投稿: midori | 2007年3月16日 (金) 14時57分
>DancingDollさま
あけましておめでとうございます。作家生活50年超ですから,多少の自己模倣はあられるでしょう。
観劇頻度は,雪組公演を各公演一度ですから,贔屓やファンとも申せませんが,見巧者のみなさまの評判と同じ感想と知ってホッとしました。
月組は,容姿や体格がバラエティに富み,見分けが付くというのが最大の特徴。ビシッとそろった群舞より個性的な振りが素敵です。
投稿: とみ | 2007年1月 2日 (火) 23時51分
早速ご覧になったのですね。やはり前評判通り、お芝居の方はユルいみたいですね(笑)。でもどのお芝居も大劇場の最初の頃に比べると東京に来る頃にはかなり変わってくるみたいなので期待したいと思います。キリヤンたち3人のダンスは評判いいですね、楽しみです。
投稿: DancingDoll | 2007年1月 2日 (火) 13時24分