« 現代劇に挑戦される市川段治郎丈 | トップページ | 週刊人間国宝文楽「大夫と三味線編」 »

2007年1月14日 (日)

愛の流刑地

音羽屋贔屓としては外せない。14日鑑賞した。
原作:渡辺淳一,監督・脚本:鶴橋康夫,主題歌:平井堅
出演:豊川悦司/寺島しのぶ/長谷川京子/仲村トオル
    佐藤浩市/陣内孝則/津川雅彦/富司純子他
夏の朝,神宮外苑を望むマンションの一室で,情事の果てに男が女を扼殺した。加害者は,10年来新作を発表せず世間から忘れられた作家の村尾菊治(豊川悦司)。被害者は,エリート会社員の妻で三児の母。取調でも法廷でも,菊治は,二人は心身ともに深く愛し合い,快楽の極みに冬香が殺して欲しいと真摯に懇願したと陳述する。菊治は,罪状や量刑の多寡に執着せず,二人の愛の真実を訴え続けるが…。

映画は,タイトルから結末を割らざるを得ないというハンデがあり,判決は予め分かっている。また,菊治による冬香の真実の謎を解くという愛のミステリーでもない。冬香が菊治だけを愛していたことも自明だ。素直に,主演のお二人が見せてくださる愛の深淵に日常を忘れよう。
「そこに到達した者と知らずに生を終える者がある。」という作者のテーゼは,若者には感動とおののきを,壮年には求めても得られなかったものへの憧憬をかきたててくれる。
寺島しのぶさんファンとしては,主人公が美しくなって行くプロセスを楽しもう。

気になったのが人物像と年代設定である。現代の32歳の女性が見合い結婚,専業主婦,3人の子持というのが一般的でない。決め台詞が時制が微妙に引っかかる。ヒロインが,阿寒に果つ(1973年)を18歳で読み,死亡時32歳とすると1987年。当時の作家の年齢は54歳(原作は55歳とか)。おー符合した。小説はさておき,映画は1980年代にしても叙情的な映像になったのではないだろうか。

|

« 現代劇に挑戦される市川段治郎丈 | トップページ | 週刊人間国宝文楽「大夫と三味線編」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

>ミチさま
貴宅は筆が速く,的確。誹謗中傷を避けながらホンネもしっかり。楽しませて頂いています。
重厚長大の軍事ミステリーが好きです。世界中の10カ所くらいから脈絡無く物語が始まり,1時間半くらいで繋がってくるパターンに興奮します。
映画評はご覧のとおりからきしですが,ぼちぼち書いていきます。

投稿: とみ | 2007年1月21日 (日) 23時26分

こんにちは♪
「ミチの雑記帳」のミチでございます。
先日は拙ブログにお越しいただきコメント頂戴してありがとうございました。
悠さんのところで時々お名前は拝見しておりました。
またよろしくお願いいたします。
音羽屋贔屓なのですね~。
寺島しのぶと富司純子の母娘はどちらも演技が上手くてどんな作品に出ても安心してみていることができますね。
とみさまは宝塚もご覧になるとのこと。
私は数年前轟悠さんがトップの頃に雪組の大ファンでした。いまはちょっと離れていますが、「エリザベート」がまた上演されるなんて嬉しいですね~。
歌舞伎はまだ2回しか見たことがないのですが、とても好きな世界です。
たまたま両方とも玉三郎が出演していたのですが、彼(彼女?)が出てくると舞台の雰囲気がさーっと変わるんですよね。
今年の大河で頑張りが期待される亀治郎さんの素晴らしい踊りにも見せられました。
母と歌舞伎見物のための上京を計画中です(笑)

投稿: ミチ | 2007年1月21日 (日) 18時00分

>悠さま
豊川さんと寺島さん主演でしたら,ストーリーはあってないがごとし。お綺麗でした。お綺麗といえばご母堂様も…。
待合室,どうしても時間が取れなかったので,DVD待ちです。

投稿: とみ | 2007年1月14日 (日) 22時49分

みてきました。新聞連載時に毎朝読んでましたが、映画の方がよかったですね。しのぶさんがきれいになってゆくプロセスがよかったですね。
不倫すると、男はとんでもない目にあう、という系列の映画ですかね(^^ゞ。検事の長谷川さんが妖しかったですね(笑)。

投稿: 悠 | 2007年1月14日 (日) 21時26分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 愛の流刑地:

» 哀歌(エレジー) 平井堅 [365day]
哀歌(エレジー) 平井堅と映画「愛の流刑地」 平井堅の哀歌(エレジー)は、映画「愛の流刑地」主題歌で、2006年6月発売の『バイマイメロディー』以来となるニューシングルで2007年の第一弾シングル。映画の主題歌を手がけるのは『瞳をとじて』以来。原作と脚本を読み、インスパイアされた感情をそのままに書き下ろした楽曲は、自身初となる“女性視点”での歌�... [続きを読む]

受信: 2007年1月15日 (月) 18時47分

» 【2007-6】愛の流刑地 [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
私は選ばれた殺人者なのです・・・ もう、だれにもさわらせない [続きを読む]

受信: 2007年1月15日 (月) 23時47分

« 現代劇に挑戦される市川段治郎丈 | トップページ | 週刊人間国宝文楽「大夫と三味線編」 »