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2006年12月 3日 (日)

武士の一分

武士の一分
監督・脚本:山田洋次,原作:藤沢周平『盲目剣谺返し』
出演:木村拓哉,檀れい,坂東三津五郎,笹野高史,桃井かおり
幕末,東北の小藩海坂。三村新之丞は腕も立ち俊英な藩士だが,お役目は毒見。お役にはモチベーションは持てなかったが,優しい妻と忠義な中間と慎ましく幸福な日々を送っていた。ある夏,事故は起きた。貝の猛毒に当たり失明してしまった新之丞は,失職と家名の存亡という過酷な運命に直面しなければならなくなる。何より新之丞を苛んだのは,介助なしに生きられないという依って立つものの喪失だった。新之丞を愛し慈しむ妻・加世は,親類に促され,尊大な上司に寛大な沙汰を願いにゆくが…。

静謐な緊張感ある映画と覚悟していったが,それなりに温かく優しい人たちが多く登場し,新之丞の置かれた状況の苛酷さを和らげてくれている。タイトルは武士の一分,「人には命をかけても守らなければならない一分がある。」というコピーが付されているが,言うまでもなく人間としての尊厳である。ちょっと長いめの感動的なよい台詞が随所にあって,快く見られる。キャストも最高。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

>あさこさま
自儘な映画評しか書けていませんのにコメントありがとうございます。
日本映画は台詞を聞き取れない役者さんが多く出ておられます。「字幕付けい!」と突っ込み入れることもありますので,大時代な台詞回しが気にならないのはワタクシだけ。本当は気にしないといけないのでしょう。
さて,海坂藩は1人を除いて全員エエ人ばっか。ありえねえ感じしました。そこがいいのですが…。
今なら障害年金や労災保険に親類が群がり家に転がり込むかな。あの妻女なら同僚全員が狙うことでしょう。無神経なマスコミが,「今の感想どうっすか。」。外を歩けばインタビュアーが,「名誉の負傷ですね。でも,生活の保障があるのですから羨ましいという声もありますが…。」てな,ことでしょう。

「島田を斬った使い手は誰でしょうね。」,「さあ…。」
ブラボーです。

投稿: とみ | 2006年12月10日 (日) 07時42分

とみさま、こんばんは。
私のむちゃくちゃな記事にコメントありがとうございました。
私はキムタクと檀さんのヅカ口調に翻弄されて
ちゃんと映画を見てませんでした。反省ー。ダメですねー。

>左手を失い自害した島田はそのレベルの一分

ここここ!!思わず膝を叩きましたよ。「本当の武士の一分」!!
現代人にこれを気づかせたくて現代男性の象徴である
キムタクに演じさせた山田監督の意図がよーくわかりました。
「花よりもなほ」の岡田准一くんにも通じるかもしれないですね。

投稿: あさこ | 2006年12月 9日 (土) 21時43分

>悠さま
今,貴宅にコメント記述してきました。同じ感想です。富国強兵の時代の考え方を今も引きずっています。役に立たないなら生きる甲斐もないというしょーもない「武士の一分」で彼は死ななかった。まずそこが良かったです。
左手を失い自害した島田はそのレベルの一分です。三村が手にした本物の一分との対比がよかった~。剣の腕が立つことを隠して生きてゆくところに喝采です

投稿: とみ | 2006年12月 3日 (日) 21時59分

目がみえないと、役目ごめんになる、と、なんの役にもたたない、と、死ななければいけないのだろうか?。そんな美意識は、ひょっとして、明治以降にできたもんじゃないだろうか?と悩んだりしてました(^^ゞ。
壇さん、時代劇も似合ってましたね(^_^)。

投稿: 悠 | 2006年12月 3日 (日) 21時33分

>藤十郎さま
コメントありがとうございました。
木村さんという好感度の高い国民的人気スターを主演に登用するというところで勝負ありと思われます。一分は誰かに誇るものでなく自分のためにあるという強いメッセージが,全ての人に勇気を与えてくれる物語です。

投稿: とみ | 2006年12月 3日 (日) 19時52分

「一分」は日本人の美意識のひとつだろうと思うのです。
明日、大学の学生に話してみようと思っているテーマです。
この映画を話題にするといいかもしれませんね。ありがとうございます、参考になりました。

投稿: 藤十郎 | 2006年12月 3日 (日) 17時21分

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会議 宴会がはいってるために、会議の前に「武士の一分」、宴会の後に「カジノ・ロワ [続きを読む]

受信: 2006年12月 8日 (金) 00時23分

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