天守物語・朗読の会(イントロ)
23日(祝)昼の部を拝見した。
天守物語・泉鏡花,監修:坂東玉三郎
天守夫人富姫:玉三郎
奥女中薄・舌長姥・近江之丞桃六:守若
小田原修理・朱の盤坊:玉雪
姫川圖書之助:功一
山隅九平:幸,猪苗代龜ヶ城龜姫:玉朗
今回の公演では,玉三郎丈は富姫の拵えをし,お弟子さんたちと共に舞臺に立たれた。見台に戯曲を置いての朗読である。装置は青面の獅子頭のみ。
演劇 |
花道から丈が音もなくご登場。舞臺中央に進まれ口上。本公演の趣旨と,丈がとらえておられる鏡花作品の主題について述べられた。
すっぴんの朗読会を開催したこともあるが,恥ずかしかったとか…。らぶりーであられる。
醜い人間界とそれなりに義理堅い異界,清廉な魂故に難儀に遭って人間界から異界へ転生する美しき者たちへの慈しみの心。そしてこの世の秩序を回復するのは職人という芸術家であるという信念で書き上げられているとのこと。日本語の美しさ,鏡花の台詞の一言一句を楽しんでほしい…。
…と,玉三郎丈が話されるうちに,
此處は何處の細道ぢや,細道ぢや,
天神様の細道ぢや,細道ぢや,
玉三郎丈から富姫さまに変わる瞬間まで見せて頂き,そのまま物語の世界へ…。
つづく
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コメント
>スキップさま
玉三郎丈の構築したかった鏡花の美を聴かせて頂き,たいへん安心したと申しましょうか,うれしい思いを致しました。
いつまでもお変わり無く美を追い続けられるお姿に思わず合掌です。
シネマ歌舞伎のポスター欲しいですね。
投稿: とみ | 2006年11月25日 (土) 01時02分
>悠さま
始まったところで力尽きたエントリにコメント頂き恐縮でございます。本編と総括書きます。おっしゃるとおり,能の地謡とシテ,ワキ,ツレの関係です。わーん,書こうと思っていたのに~。
ク・ナウカはいつも,現代の大夫さんで美加里さんは人形というか装置という芸術家と思うておりました。
投稿: とみ | 2006年11月25日 (土) 00時51分
とみさま
私は夜の部を拝見しました。すれ違いでしたね。
玉三郎さんがおっしゃるように、鏡花の台詞の流れるような美しさを再認識し、イマジネーションも刺激された舞台でした。
それにしてもシネマ歌舞伎の前売券を買ってしまうところまで同じとは・・・ちょっと笑っちゃいましたが、何だかうれしいです。
投稿: スキップ | 2006年11月24日 (金) 01時21分
朗読会、地の文、台詞の分は、演技はなさるんでしょうか?と気になってました。能の素謡みたいに、それぞれのパートを朗読される形なんですね(^^ゞ。
ク・ナウカの「王女メデイア」は、台詞も地の文を受け持つパート、俳優は無言でえんじるーー文楽みたいでした。
こんど、楽しみにしている演劇倶楽部「座」の舞台は、地を受け持つ人と、台詞ー演じる俳優ーーー能みたいかも、と思ってるんですけど(^^ゞ。
投稿: 悠 | 2006年11月23日 (木) 22時56分