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2006年11月12日 (日)

死者の書・川本喜八郎人形アニメ

Dead_1

死者の書・川本喜八郎人形アニメ

川本さん↑サインは人形劇「三国志」,「道成寺」等の実績を持つ第一人者。
折口信夫の最高傑作小説の人形アニメ映画
舞台は花の平城京。天智天皇の皇子・大津皇子の刑死と當麻寺の中条姫伝説を織り交ぜた難解な文学だ。
50年前に刑死し成仏できない皇子(源太風),藤原南家の乙女(娘風)として仏に仕えることを約束された姫。夢幻を彷徨う主人公二人に対し,大伴家持(孔明風)と恵美押勝の対話が平城京の今を語る。

テーマは,至高の恋情への激しい枯渇であろう。仏に近い完璧な容姿を持つ男への思いを,清浄な姫は,蓮糸で布を織るという行為で昇華させる。武勇,頭脳,容姿に優れながら死を賜った男の無念は,藤家の娘への未練という形でこの世に留まり,女の夢の中で像を結ぶ。神との交信がなったというこのシーンの映像が凡人であるワタクシには苦しい。
折口が生きた近代の苦悩や大阪四天王寺界隈の文化,折口の愛と生き様。ちょっとやそっとで分かったとは言えない代物だ。
声優さんは専門家ではなく宮沢りえさんほかの俳優さん。「なも阿弥陀ほとけ,あなとうと,阿弥陀ほとけ」と唱えるお声がよい。
人形アニメは高度な純文学の表現媒体であることを納得させてくれる作品である。
個人的な嗜好として,映像と音響の能楽はミスマッチ。折口文学は,完全な複式夢幻能で劇化は可能と思われるので能の新作を希望する。
中将姫伝説はこちら

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

今朝、川本美術舘HPアドレス、コメントしましたよね。失敗でしたか。
http://www.city.iida.nagano.jp/puppet/kawamoto/

DVDはレンタル禁止のようです。

投稿: hitomi | 2007年8月 8日 (水) 22時55分

>hitomiさま
コメントありがとうございます。三国志夢中になって拝見していました。人形展も行ったことございます。
美術館この春のオープンでしたね。行ってみたいです。
スミマセンがどこに何が載っていたのか発見することが出来ませんでした。お教え頂ければありがたいです。

投稿: とみ | 2007年8月 8日 (水) 00時54分

今、飯田で人形劇祭やってるので行きたいと思ってHPひらいたらおとみさまと拙ブログが出てきました。おとみ様は当然ですが自分のグログ出てきたときはびっくり。DVDで道成寺や火宅観てどうしてこうも女性を恐れたのかと不思議なくらいです。素晴らしい出来ですが。あの懐かしいみつわ石鹸のCMも川本さん作なんですね。旅」は気に入りました。この能舞台の獅子丸、とみさまにぴったりですね。

投稿: hitomi | 2007年8月 7日 (火) 10時48分

>hotomiさま
ご覧になりましたか。
折口信夫の死者の書は浄瑠璃もあるそうです。咲大夫さんと燕三さんで6月27日,上演されます。
中将姫伝説に魅せられて3月の国立劇場,當麻寺と大和路探訪を致しました。むか~し,三国志人形展拝見した記憶あります。氏の人形は夢の世界に誘って頂けます。

投稿: とみ | 2007年6月22日 (金) 23時11分

死者の書、映画舘で観て、ほかの作品も観たくなりました。レンタルかDVDないでしょうか。長野だったか川本さんの美術舘?オープンしましたね。行きたいです。
人形でなければ出来ない、そうですね。宮沢さん、あってました。大活躍です。

投稿: hitomi | 2007年6月22日 (金) 17時27分

>いわいさま
川本先生の孔明は文楽首の孔明と同じイメージなので納得しました。昔の人形劇はアニメでなく人形遣いさんが遣っておられたのが懐かしいです。
人形アニメといえば,コープス・ブライドが好きですがこのような純文学にこそ相応しいというのも深いです。
トラバありがとうございました。

投稿: とみ | 2006年11月25日 (土) 01時29分

とみさま、こんばんは。
コメントいただいてから、訪問が遅れまして失礼いたしました。
この後、川本喜八郎作品を続けて鑑賞することができ、『道成寺』をとても気に入りました。人形アニメの世界は大好きです。
上記コメント中の、ぐるぐる回っている関連が興味深いです。

トラックバックさせていただきますね。

投稿: いわい | 2006年11月24日 (金) 20時12分

>悠さま
早々のトラコメありがとうございます。難解でした。鑑賞者は全員大人でした。鳴弦,魂乞,興味深い行動が出てゆかしいです。
文楽人形を見ながら謡いを聴いている感じでした。
ちょっと調べて加筆します。
折口→四天王寺→合邦辻→俊徳丸→弱法師→謡曲→人形浄瑠璃→身毒丸→折口→寺山修二→藤原竜也→死者の書→折口と頭の中でぐるぐろ回っていますので整理します。

投稿: とみ | 2006年11月12日 (日) 20時07分

なんか、映画では、山の合間に阿弥陀がでてくる日本的な絵ができあがるプロセスを追うってのも、テーマになってましたよね??。
夕陽が沈むところが西方浄土ってなのは、日本的なんですかね??。

投稿: 悠 | 2006年11月12日 (日) 18時33分

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受信: 2006年11月24日 (金) 20時13分

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