船場言葉で文字アート・北船場くらぶの取組
昨日,国立文楽劇場に出向き,大阪言葉を洪水のように浴びたので船場の子の地金が出てきた。義太夫は船場言葉や。ここらで船場のエントリを…。
花餅屋廼徒然書附帖の大夫元さんにご紹介頂いた産経関西11月4日付け記事で紹介されていた北船場ウォールアートプロジェクトについて記述する。
大阪市中央区の元北浜三越百貨店跡地で現在建設工事中のマンションの仮囲いに,地元の経営者らでつくる「北船場くらぶ」が,船場言葉でアートシールを作成して彩っている。
船場言葉とは,「かんにんしてや(ごめん)」,「べっちょーない(別条ない)」,「たんたん(風呂)」など船場商人らが培ってきた柔らかい言葉である。公式ページ
船場言葉は,商人が奉公人と共に暮らし,職住が共存していた時代の言葉であった。私鉄網の発達は,店と住まいを別にするという生活様式を生み出し,台頭してきたのが阪神言葉である。それは,伝統的な上方言葉の柔らかさを保ちながら,標準語の概念をとりいれたもので,大阪市中へ再び流入し,現在の関西共通語の母胎となったと推測される。(阪神言葉は河内厚郎氏の研究による。)
ふんわりした節回しでお商売に必要とされてきた人情の機微を語る言語は,ホワイトカラーを中心とする新しいライフスタイルに必要な知的生産媒体とせめぎ合いながら融合したと言えよう。
ワタクシは旧三越の北にある現在の開平小学校(当時集英小学校)出身である。確かに,お風呂は「たんたん」,手拭いは「てんてん」,お座りは「おっちん」とゆーてた。三越百貨店↑は放課後の遊び場やった。
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コメント
>藤十郎さま
おこがましくも文学博士様に文化論というつもりは毛頭おません。お目に留まりましたら恐縮でございます。
時代が必要とする概念が船場言葉の語彙に無かったのでしょう。学術論文も比較文化論も阪神言葉でないと語れません。阪神間で学ぶのが船場モンの目指すところでした。
南船場や島之内はいかがでしょう。研究し甲斐ありそうです。寿命いくらあっても足りませぬ。
投稿: とみ | 2006年11月 7日 (火) 19時44分
>大夫元さま
上方歌舞伎や浄瑠璃にご登場の忠兵衛,与兵衛,治兵衛,徳兵衛,伊左衛門さんのような方々に似つかわしい言葉です。二枚目さんもおかしゅうて哀しいところが上方好み!
婉曲な表現,相手を慮る心は継承して欲しいものです。
投稿: とみ | 2006年11月 7日 (火) 19時29分
両親が大阪の人なので、船場言葉も少しはわかるのですが、私の場合、やはり阪神間の言葉になってしまいます。
「たんたん」も「てんてん」も使ったことはありません。
あこがれますねぇ……。
投稿: 藤十郎 | 2006年11月 7日 (火) 08時53分
毎度、お世話になっております。花餅屋に御座います。
おとみさんは、船場のお育ちで御座いましたか…。
確かに、上方の言葉でも船場のたおやかな心地好い節回しの言葉には、風情がありますね…。
上方歌舞伎を観るのもこう言った言葉をわかっているのと、わからいでは…えろう違って参りますなぁ…。
私も小さい頃、よく聞いていた言葉とか…商売屋の家ですよってにぃ…今はつこぉておりませんなぁ。
たまにテレビとかで大店の御寮はんとかを見ますと…心和みますよ。
投稿: 花餅屋の太夫元 | 2006年11月 7日 (火) 01時00分