文楽の女・お園と操
…結ぼれ解けぬ片糸の,繰返したる独り言。今頃は半七様どこにどうしてござらうぞ。
「お園~艶容女舞衣・酒屋の段より~」
浄瑠璃 竹本文字久大夫
三味線 鶴澤清二郎
人 形 桐竹勘十郎
白の屏風と行灯のみの装置。お園のあまりにも有名なくどき。
文字久大夫さんは,艶のある高音域をじっくり聴かせて頂いた。清二郎さんの三味線は可愛らしく泣いておられた。勘十郎さん,ガイダンスを意識しながらも,いつもながら見せ場の形を軽々と決めておられた。
拝むわいのと手を合はし,諌めつ泣いつ一筋に,夫を思ふ恨み泣き,操の鑑曇りなき,涙に誠あらはせり。
「操~絵本大功記・尼ヶ崎の段より~」
銀の屏風と鑓の小道具。気丈な武家の妻のくどき。
文字久大夫さんは,しっかり目だが,ごーごー泣いておられた。清二郎さんの三味線,厳しく責めておられた。勘十郎さん,気品と格を重んじた操だった。
どちらかといえば,操の方がしよいように見受けられた。また,三味線はリズム楽器ということを感じた。
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