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2006年10月23日 (月)

「染模様恩愛御書・細川の男敵討」ボーイミーツボーイ!

大阪松竹座十月花形歌舞伎
通し狂言 染模様恩愛御書 細川の男敵討
(そめもようちゅうぎのごしゅいん ほそかわのかたきうち)

10月22日(日)夜の部を拝見した。
作:三世河竹新七,脚本:今井豊茂脚本,演出:奈河彰輔
配役 大川友右衛門/染五郎,横山図書:猿弥,腰元あざみ/春猿,細川越中守/段治郎,印南十内・堀尾帯刀/薪車,一ノ瀬九郎右衛門/寿猿,数馬母お民・細川奥方照葉:吉弥,印南数馬/愛之助

会津藩の剣術指南役横山図書が,朋輩の印南十内を刺殺し,妻の不義相手に仕立てあげたうえ逐電するところから物語は始まる。
10年後,十内の忘れ形見数馬は美しい少年に成長し,細川家に小姓として取り立てられていた。浅草寺に参詣していた数馬は,杜若咲き誇る境内で,凛々しい青年武士大川友右衛門と運命的な出会いをする。一目で恋におちた二人。友右衛門は武士の身分を捨て,数馬を慕って中間として細川屋敷に奉公し,その思いを遂げる。二人は義兄弟の契りを結び,友右衛門は数馬の仇討ちの助太刀を誓うが思わぬ男敵が出現する。

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歌舞伎

市川染五郎丈が,大阪松竹座で上方歌舞伎の仲間と共に創り上げた復活狂言の第3弾。衆道が主題,火事場が見せ場,役者が燃える演出と差し障りが多く,長く上演が途絶えていた「蔦模様血染御書」を,相手役愛之助の「愛」も外題に挿入し,趣向を凝らしての上演となった。当世,若い女性の間で人気のボーイズ・ラブ・ノベルとのコラボレーションなどプロモーションにも力を入れ,前評判は上々。開演後も評判が評判を呼び,連日大阪松竹座は熱気に包まれた。
染五郎丈は,これまでの歌舞伎は勿論,他のカテゴリーの演出家と組んだ経験を活かした堂々たる座頭振り。相手役の愛之助丈は昨今の力強い勇者や不適な色悪を露ほども感じさせない嫋々たる若衆の風情。
剣豪の悪漢が嵌る猿弥丈,美しさと気丈さでラブトライアングルの一角を担う春猿丈,センターに立つ美丈夫が納得の段治郎丈,生真面目さが好感度大の薪車丈,手堅さと優しさで舞台を包み込む吉弥丈,きっちりとお役目を果たした芝のぶ丈,全員に見せ場があり,楽しさ一杯の舞台で長さを感じさせない。
短い準備期間と切り詰めた経費のなかで,共感を得られるエンタテイメントに仕上げた若い歌舞伎役者さんたちの総合力にひたすら敬服する。この勢いで疾走していただきたい!

演出は別エントリで…。

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歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

>kabukistさま
まずはお寄りくださってありがとうございます。気になさってはおられないようですから,もう心配はしません。
こんなものが見たかったという先入観と現実とのギャップでしょうか。プロパガンダに誇大があったか,チケット購入前のリサーチ不足かによるわけですが,回避策はまたゆっくりと…。

投稿: とみ | 2006年10月27日 (金) 12時59分

暖かいコメントありがとうございます。
どうも好き嫌いが激しくて、喜怒哀楽も激しくて・・・(汗
まだまだ「なぜだろう?なぜかしら?」の段階から抜け切れないなぁって思います。
今後ともどうぞよろしくお導きくださいね。

投稿: kabukist | 2006年10月27日 (金) 01時08分

>はるきさま
重ねてのコメントありがとうございます。びんちょさまとは七月の歌舞伎座のときに大いに盛り上がり,七月限定おあねえさま,びんちょさまの姉妹の契りを結びました(爆)。おもだかやさん贔屓ではるきさんとは間違いなく気が合われます。
さて,勝手な先入観を持ち,それと異なったから失望したと書く演劇評論家とはワタクシは断じて違います。仮想上演は趣味ですし,違っていたら喜んでいます。
実は,先に上演台本と錦絵から明治22年の初演を妄想していました。講談師が洋装で出て欲しいナとか…。
もし,よろしかったら,国会電子図書館の上演台本を通読なさって,染五郎丈が今の演出に行き着かれたプロセスなどを考察してみると楽しそうです。益々惹かれそうです。

投稿: とみ | 2006年10月25日 (水) 23時43分

びんちょ♪さん、はじめまして。
段治郎さんファンなのですよね?お殿様の段治郎さん、ほんっとに素敵で、立派でしたよね。こういう方だからこそ友右衛門も死ねたんだ!!って思えました。私も段治郎さん大好きなので*^^*
ノベルズの件、有難うございましたm_ _m確かに、ラストの数馬の沈み具合(泣けました…)を見ると、その方が嬉しかったかもしれないですね。きくさんは幸せで良かった^^あの後どうしたんだろうって、ほんっとに心配でしたもの。

とみさん、失礼致します。
あれからこちらにTBされた皆様の熱い思いに触れ、我が意を得たりとニヤニヤしたり、眼を潤ませたりしておりました。(芳年・絵金系の演出もいいですね!いいですが、拝見した後無事に劇場を出てこられるかどうか?)
これだけの御感想が集まったのも、ひとえにとみさんの御人徳の賜物ですね。有難うございました。

投稿: はるき | 2006年10月25日 (水) 22時29分

>管理人Aさま
貴宅に幾度かコメントしましたが反映されませんのでこちらに書きます。
笑ったり笑ったりしながら読ませて頂きました。コメントしたつもりでしたがごめんなさい。
>コレを見るために大阪まで遠征してしまった自分ってどうよ?
笑ってばかりでは失礼ですのでコメントしますぅ!
実は,ワタクシは幕末から明治にかけての月岡芳年や絵金風,極彩色,泥絵具風のあぶな絵をイメージしていました。出来れば,背景が絵巻物風に下手から上手へ紙芝居風にシークエンスして欲しかったのです。幕開き語りが講談だったので鳥肌立って卒倒しかかっていました。コテコテの明治,見たことのない明治が見たかった。また,最近血まみれ生レバー演出拝見したばかりでしたので…実は…。ここまで!
さておき,
お二人のラブラブぶりを充分楽しませて頂きましたし,堅実で手堅く綺麗で危なげのない演出が良かったですし大満足でした。

投稿: とみ | 2006年10月25日 (水) 01時04分

>亜朗さま
ご無沙汰しています。お宅にも後ほどお邪魔します。博学多識!奥深く楽しまれたのですね。歌舞伎,剣劇,ラブロマンス,何と思って見るかで様々な見方ができる楽しいお芝居です。それぞれの「こんなお芝居が見たい。」という思いを背負って突っ走って頂きました。全てが美しい舞台でした。もうちょっと勉強してから次のエントリ書かなくては…。

>びんちょさま
重ね重ねのコメントありがとうございます。いつもびんちょさまのニュートラルで愛に満ちた観劇記を拝見しています。段治郎丈のお殿様は,主人公が命を懸けて恩に報いようという気になる大人物でした。奥方も優しくゆかしいお人柄,家老律儀そう。こんな藩で働きたいものです。
続けまして,ノベルズはそのようなストーリーでしたか。ご紹介ありがとうございました。少し思いは残しておりましたが,そのように終わってもいいっかという感じですね。

>スキップさま
すみません。一度目も二度目も酩酊状態で見てしまいました。アホなワタクシ…。評価を定めるのは観客。結果を出したことが全て。ブラボーでございます。次回作への期待を書かんとあかんという気になっております。

>はるきさま
この演目に関しては,強い思い入れを持っておられ,命かけておられる方多数。それぞれのご贔屓さまのサイトでごらんくださいね。それぞれのお方がどれほど素晴らしかったか,語り尽くしておられます。
総花博愛,花博おとみの目で見ますと,染五郎丈の友愛オーラが舞台の隅々を照らす輝かしい舞台でした。その名も大川友右衛門!出来た!

投稿: とみ | 2006年10月25日 (水) 00時23分

はるきさん、初めまして。おとみさん、失礼いたします。

ノベライズを読みました。
舞台と大きく違うのは、あざみがキーパーソンではないことと、ラストです。
数馬の仇討ちが叶ったあと、数馬には元服の話、友右衛門に縁談(この一人があざみです)の話が持ち上がります。そんな中、火事がおきて、数馬と友右衛門は二人で御書を取りに行き、心中します。二人の恋が永遠のものとして成就したという意味で、ハッピーエンドです。
それから、きくは、図書とは結婚せず、元庵の弟子と結婚して幸せになりますよ。

投稿: びんちょ♪ | 2006年10月24日 (火) 23時03分

待ってました!とみさんの観劇記。
染五郎さん、愛之助さんともに開幕前の在阪TV局へのご出演ぶりを見るにつけ、プロモーションの力の入りようを感じるとともに、「切符売れてないのかな?」と心配したりもしたのですが、杞憂だったようです。開幕すると評判が評判を呼びリピーターも増え、相乗効果で舞台も客席も盛り上がったのを我が事のように嬉しく思いました。
演出については一言おありでしょうか。とみさんのご考察、楽しみにしております。

投稿: スキップ | 2006年10月24日 (火) 22時43分

とみさん、皆様、こんばんは。
「染模様恩愛御書」の感想、案外纏まって出てきてなかったので、沢山読めて嬉しいです。BL物というより、武家の衆道という点を重んじた描き方で、意外な骨っぽさに好感を持ちました。
東京で再演もしてほしいし、別の顔ぶれでも拝見したい御芝居です。

ところで、ノベルズを読まれた方、どんなお話だったか教えて下さると有難いのですが^^

投稿: はるき | 2006年10月24日 (火) 22時35分

とみさん、こんばんは。
コメント&TB、どうもありがとうございました。
私からも、TBをお送りいたしました♪

とにかく、お殿様の人物像が素敵!
演者が段治郎さんだから、なお、素敵!!!
もう、大満足でした。。。

投稿: びんちょ♪ | 2006年10月24日 (火) 22時09分

ども、一日違いだったんですねー。
愛之助さんは女形経験があって、なおかつ立役なのでお小姓の雰囲気はばっちりでしたよねー。
個人的には染五郎さんが歌の短冊を渡した直後のニヤニヤが好きです(笑)

投稿: 亜朗 | 2006年10月24日 (火) 21時54分

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