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2006年10月 3日 (火)

ジョン万次郎の夢

劇団四季の地方公演は,若い俳優さんが頑張っているだけでなく,未来のプレイヤーやファンを育てようというしっかりした企業目標も持っているため,良質な感動が得られる造りになっている。なかでも,「ジョン万次郎の夢」は,少年の勇気と決断と行動の物語であり,いまどきの少年に是非見て頂きたい。
幕末。土佐の漁師・万次郎少年が,漂流の果てに合衆国で成人し,望郷の思いと大志を抱いて帰国するまでが一幕。二幕目は,日本の幕末の諸士との交流を通じて,閉ざされた幕閣の心を開き,咸臨丸の指揮官として合衆国に赴くところまで。硬派だ。

こう書くと,どうやって児童が感動するのか不思議だが,地方公演にも関わらず,黒船や町並みのデフォルメされた可愛らしい装置が付き合う。活きの良い日米ジャーナリストのねえさん役の歌と踊り,本格的な歌い手の朗々とした歌唱,嵐のシーンの緊迫感と手抜きなしである。
土佐の漂流船の漁師たちと,合衆国の捕鯨船の乗組員が言葉が通じないなか,心を通わせるシーンは,笑いを取りながら大きな感動を巻き起こす。
万次郎は,人間愛で包み込んでくれる船長夫妻,充実した合衆国の暮らしに感謝しながらも,日本に帰り開国を説得しようとする。生きる意味を使命感に昇華させ,決断と行動を起こす原理は,少年少女たちにもきっちり訴求する。
くるくる良く動く瞳の童顔の石井さんの健気さが光る。
アルカイックホールはオペラの殿堂のため気積がでかい。吉原さんの大音声に温かい拍手が…。
二幕がストーリーを追う展開になってしまうところが惜しいが,サンフランシスコの港が見え,懐かしい船長夫妻が出迎えたところでカテコ。万歳である。
万次郎:石井雅登
伝蔵親方/親藩藩主:遊佐真一
重助/老中:西野 誠
寅右衛門/幕臣:高橋辰也
五右衛門/福沢諭吉:高橋卓爾
ホイットフィールド船長/島津斉彬:吉原光夫

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コメント

>けろちゃんさま
ようこそ。相変わらず雑食してます。おなじみの顔ぶれ,新しい顔ぶれ…。地方公演はいいです。
ふぁみみゅの方が脚本,衣装,装置しっかりしてますよ。
曲は李香蘭そっくりですが。
地元大津に芝さんが来られたとき,狭いホールに声余ってました。尼崎はいいのですが,他のホールでミツオさん絶対声余ります。

投稿: とみ | 2006年10月 7日 (土) 10時46分

ジョン万 小山町でもあったのですが「行く?」と娘たちに聞いてもそっぽをむかれ、自分の体調もよくなかったのであきらめたのです。でもファミミュらしからぬ立派な出来栄えの評判を聞くにつれて 逃した魚は大きかったと後悔してます。小山にきたころはまだ船長は柳瀬さんだったかと思うのですが、ミツヲ船長を観たかった~と涙。

投稿: あいらぶけろちゃん | 2006年10月 7日 (土) 01時18分

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