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2006年10月22日 (日)

宝塚雪組公演「堕天使の涙・タランテラ!」マイ千穐楽

宝塚雪組公演 「堕天使の涙&タランテラ!」21日(土)夜の部を拝見した。二度目でマイ千穐楽である。
前回は主演コンビのデュエットダンスに只々魅了されているだけであったが,こんな朝海さんと舞風さんを見たいという観客の願望を忠実に具現化した作品をトータルに楽しませて頂いた。
堕天使の涙!今回は台詞を捨てた(笑)。舞踊劇として鑑賞すると,見えなかった主題が鮮やかに浮かび上がる。

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ミュージカル

舞踊で全て表現出来ているため,歌も台詞も敢えて不要と言い切ろう。主演級のダンスとして魅せる場面は元より申し分ないが,主人公の心の内面を表現する群舞と,物語を表現する脇筋のマイムが,あーそうだったのかと美しく哀しく胸に迫る。特に自堕落で野心家の振付家ジャン・ポールの水夏希さんが人間らしく切ない。ジャン・ポールの名誉欲,妹との絆,母との確執…。水さんの表現力は,魔性の朝海さんと対比を成すだけに見逃しは禁物だ。
その朝海さんも二面性を鮮やかに踊り分ける。プロローグのルシファーの劇中劇のダンスは魔性の者らしく扇情的で,クライマックスの光のパ・ドゥ・ドゥでは神性を示し,優しく慈愛に満ちている。ルシファーの心が闇から光に導かれたことに凡百の言葉が必要か…。訴求力のない歌曲が必要か…。
前述したが,天上に昇る演出に斜行リフトもゴンドラも不要だ。舞風さんは歩くだけで天国に駆け上がり,朝海さんはセンターに佇むだけで大空へ飛翔してゆくのを確信した。
装置も壮麗で,映像を多用したシークエンスがあざとくなく,礼拝堂から庫裏に移るところをはじめ印象的な動きが感じられる。
植田景子先生の演出は繊細で的確だ。情報量が多くユニバーサルデザインだ。見る側としては上手く間引いて今後も楽しませて頂こう。

タランテラ!蜘蛛の子を散らすような…。
メインのデュエットダンスの衣装は,タランテラはベージュに蜘蛛柄,蝶はパープル系のグラデーション。しかし,大階段前で黒燕尾とブラックドレスのデュエットダンスに同じ黒燕尾の水さんが加わっての3人のダンスが圧巻。
さよならモードの歌や台詞は敢えて抑制気味であったため,実力派ダンサーコンビをさらに引き立てるものであった。

おふたりの4年の活躍に感謝し,今サイコーの雪組を次代も見続けることとする。

p.s. 藪下さんのサイトに新人公演の模様がアップされています。藪下先生どうなさったのでしょう。未だに脚本にこだわっておられます。褒めることにかけては天下無双。心密かに師と仰いでおりますお方です。
観客としては基本的に感性を総動員して鑑賞しますが,最も心地よいよう音量,彩度,動体視力等調整しないといけません。三島由紀夫さん,泉鏡花さん,真山青果さんの戯曲が諳んじんばかりに詰まった頭では反応過剰になってしまいます。
産経も酷評のようです。

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コメント

>スキップさま
宝塚鑑賞方法の習熟度アップについては,初心者の悲しさ,回数が不足しております。それでも,見る目に曇りが無かったかいつも問いかけ,印象的な褒め言葉が見つかるまでエントリアップしてません。
朝海ひかるさん&植田景子さんの組み合わせでは,トラジェティ・アンナ・カレーニナで,アンナの死を嘆くアリョーシャを吊人形振りのソロで表現なさってました。糸が切れてくず折れなさったときには号泣しました。肩入れしてますっ!
さて,名作の誉れ高い柴田先生の星影の人!それほどの作品なのですね。拝見できるか心配になってきました。

投稿: とみ | 2006年10月23日 (月) 13時00分

とみさま
セリフを捨てて舞踊劇として捉えたとみさんのご感想、大変興味深く読ませていただきました。トップのお2人のダンサーとしての実力は広く知られているところですが、雪組全員で支えたショーでしたね。「堕天使の涙」のプロローグのルシファーのダンスでいきなりヤラれ、“光のパ・ドゥ・ドゥ”でヤラれ、「タランテラ!」の黒燕尾のダンスでヤラれ、とやられっ放しの私でしたが。
とみさんが別記事でお書きの通り、水夏希さんのトップデビュー作は「星影の人」とか。初演の汀夏子版(土方歳三は麻実れい)、ちょうどベルばらの後ジュンコさんにイカレてた頃で、恥ずかしながら両手の指で足りないくらい繰り返し見ました。ジュンコさんとは違ったタイプとお見受けする水夏希さん、どんな沖田総司を見せていただけるか楽しみです。

投稿: スキップ | 2006年10月22日 (日) 23時57分

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「急に都合が悪くなってしまって、申し訳ないけど代わりに行っていただけないかしら?」 神様はときどき気まぐれな贈り物で地獄の日々に彩りを与えてくだいさいます。チケット取れないとあきらめていた朝海ひかるさんのサヨナラ公演、しかもSS席 5列目センターっていう超..... [続きを読む]

受信: 2006年10月23日 (月) 00時00分

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