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2006年9月18日 (月)

鹿鳴館 in Kyoto 危なげない開幕

9月18日(日),京都劇場で鹿鳴館4度目の観劇。
主要キャストは変更無しでアンサンブルさんが少し出入りあり。
初日から駆け付けたい逸る気持ちを抑え,本日が京都見始めとなった。
残響時間は名古屋ほど長くない分,台詞の明瞭さが戻った。仮屋崎さんのシャンデリアの花くす玉は健在で,高く上がり鹿鳴館らしい高揚感が…。下手の視界を遮ったコンポーネント(仮屋崎さん,自由劇場では恨みましたぞぇ。)が少し小振りになった。

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演劇

懲りずに久雄に注目。田邊真也さんの清原久雄。今日の出はシニカルにスタート。影山朝子が母と分かり,だんだんその事実を飲み込んでゆくプロセスから,一気に感情を爆発させ,自分の感情に戸惑い自嘲し立て直すというやり方だった。3度の詰問は大時代的抑揚という様式性を崩さず,ピュアな青年の魂の叫びになっている。凄い。
「…あなたはそれで僕の父を愛していらしたんですか?」
「…そうして,今もですか?」
「今も父を愛しているんですか?」

久雄は言う。「一日として未だ見たこと無い母を思わない日は無かった。貴方がすっかり忘れてしまった頃,僕の成長は始まった。」三島氏から全ての母へのメッセージであるが,観客層の大半を占める母なるものを揺り動かす。ずるいぞ三島。

野村さんはお声の調子が良くないのか,少し割れておられたが余裕でヒロインになりきっておられた。人物になりきっていると何が起こっても朝子として振る舞える。
広瀬さんの清原さんのお優しいこと。「その艶やかな黒髪…」なんぞという気恥ずかしい台詞が硬派を自認するのお口から違和感なく流れる説得力に,観客は溶ける。
心配された日下さんは無難に演じておられたが,観客をはらはらさせるようでは…と申し上げざるを得ない。

顕子役の岡本結花さんに特筆。一卵性母子として演じるという方針が見事。「お似合いよ。」,「素敵よ。」,「ご立派よ。」だけでなく,全ての台詞の抑揚と音階が同じである。ツレと膝をたたき合って感動したのが,お辞儀の角度と上げ下げのタイミングを末次さんと寸分違わずにされた点である。
心騒ぐ一月になりそうである。

この日のキャストは以下のとおり(敬称略)。
影山悠敏伯爵:日下武史,同夫人朝子:野村玲子,大徳寺侯爵夫人季子:末次美紗緒,その娘顕子:岡本結花,清原永之輔:広瀬明雄,その息久雄:田邊真也,飛田天骨:志村 要(劇団俳優座),女中頭草乃:中野今日子,宮村陸軍大将婦人則子:木村不時子,坂崎男爵夫人定子:大橋伸予
華族/写真師/給仕/職人:太田泰信,川原信弘,岡本繁治,岡本繁治,長谷川浩司,小出敏英,高林幸兵,鳥畑洋人(劇団昴),緒方愛香(劇団昴),青羽 剛,丸山憲史,勅使河原武志,田島雅彦
華族:岡本和子,林 浩代,藤井智子,寺嶋あゆみ,大西利江子,深沢未可子
京都で1ヶ月の公演が打たれる。

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コメント

ク~ミンさまのお宅で福井ファン約数名(グスッ)でさんざ盛り上がりましたが,明日から福井さんはタガーに復帰。ま,猫劇場におられるという所在が確認できましたのでいっか。一週間のお休みをごゆるりとすごされたのでしょうか。

投稿: とみ | 2006年9月20日 (水) 00時11分

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