« パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト | トップページ | グリザベラはグラマー・キャット »

2006年8月21日 (月)

第16回上方歌舞伎会

1012216 8月20日(日),国立文楽劇場で開催された上方歌舞伎会夜の部を鑑賞した。
出演者の気迫と観客の暖かさのバランスが丁度よく,心浮き立つ公演だった。
演目のラインアップも,師匠方得意のものだけでなく,藤間豊宏氏振り付けの春調娘七種,山村若氏振り付けの願糸縁苧環と志も高い。歌舞伎の技術に疎いのと,ご出演者さんのお名前やプロフィールを完全把握するには脳細胞がへたっているので,親心&応援団モードで記述する。(敬称略)
春調娘七種 藤間豊宏氏振り付け
 曽我十郎 中村鴈秀
 曽我五郎 片岡當吉郎
 静御前   片岡りき弥
双蝶々曲輪日記 角力場
 濡髪長五郎   片岡千蔵
 放駒長吉     片岡千次郎
 山崎屋与五郎 中村鴈祥
 藤屋吾妻       片岡當史弥
願糸縁苧環 山村若氏振り付け
 お三輪 上村純弥
 橘姫   坂東竹朗
 求女   中村鴈洋
恋飛脚大和往来 封印切(松嶋屋型)
 亀屋忠兵衛        片岡千壽郎
 梅川              中村扇之丞
 井筒屋おえん     坂東竹雪
 槌屋治右衛門   片岡佑次郎
 丹波屋八右衛門 片岡松之助

にほんブログ村 トラックバックテーマ 歌舞伎へ
歌舞伎

春調娘七種
當吉郎丈の五郎は,若く血気盛んな様が舞台に溢れ,鴈秀丈の十郎の落ち着きと気品と好対比。りき弥さんの静御前はすっきりすんなりお姿も動きもお綺麗。三人の息もぴったりで菜切包丁とすりこぎの振りも楽しく拝見できた。
角力場
放駒長吉を演じられた千次郎丈が,男気と愛嬌で舞台を動かしておられた。見栄や表情も絵になる。動かない濡髪は千蔵丈。君はそこにいるでけで舞台が和む。典型的なつっころばし若旦那の与五郎は鴈祥丈。お役の心つかんでいるから何をなさっても破綻なし。吾妻の當史弥丈は安定感があり,色香漂う芸者役がぴったり。
願絲縁苧環
娘役二人の壮絶な恋のバトル。純朴で直情的な純弥丈のお三輪,おっとりしていそうで握力の強い竹朗丈の橘姫。パワフルな娘二人に挟まれたほっそり二枚目求女の鴈洋丈。若者のラブトライアングルがこれほど際立つ妹背山は初見。三者三様に大きく豊に舞っておられた。
封印切
それぞれのお役に秀太郎丈と仁左衛門丈のご指導がビシバシッと行き届き,緊張感の中にも上方らしい柔らか味が…。ベテランさんの梅川と八右衛門は申し分なく,おえんを演じた竹雪丈はたゆまぬ努力が光る。
この日の期待を一身に集めておられた亀屋忠兵衛役の千壽郎が最高。細かい技術や段取りは観客の脳裏に刷り込まれた仁左さまと比べるべくもないが,恋愛だけにしか長けていない短慮で見栄っ張りの上方美青年がそこにいた。観客の心を,片隅で声を殺して泣く梅川の心に同化させておられた。

演劇の神は確かにおられ,滅私精進したものの上に降臨し賜う。

|

« パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト | トップページ | グリザベラはグラマー・キャット »

歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

>るみさま
ご覧いただきありがとうございます。
若者の一生懸命さから頂ける感動の持続時間は一年かと思われます。幼少時より国民的イベントとなっている高校野球やプロ野球のペナントレースなどで身体や頭脳が慣らされているからかもしれません。含蓄のあるお言葉でございました。
しかし,皆さんが本興行でこの日のお役をなさったときに,あの日の清新な丈を拝見したと言えたらいいですね。ワタクシは拝見できるかどうかはわっかりませ~ん。
上方を 指導されたし 仁左衛門  獅子丸
決まりました!

投稿: とみ | 2006年8月27日 (日) 00時58分

とみ様、こんばんは。
観劇レポを読ませて頂き、また感動が蘇ってきました。
若いって素晴らしい。一生懸命って素晴らしいなと思います。
なんだか上方歌舞伎会を見ると、自分ももっと初心に戻って頑張る心を取り戻さなければと思います。
昨年も思ったのですが、一年経つと忘れてしまうものです。
改めて気付かされました。

投稿: るみ | 2006年8月26日 (土) 22時00分

>大夫元さま
おこし頂きありがとうございます。自宅で猫かぶっていてよそで「どないやねん。」は失礼致しました。
>封印切は、期待半分、残念半分で観ましたが…
梅川さん,声を殺して肩で泣いておられました。うちのおとこはんやという感じが伝わりました。華やかさに欠けますがいじらしかった…。

>NAOさま
とりちらかしていますがようこそ。風知草も勉強中です。
健気な修行と果敢な役作りのバランスが絶妙でした。
上方若衆にぜひご注目を…。

>rikaさま
渾身のレポお待ちしています。次週は子供歌舞伎でしょうか。そちらもれぽよろしくお願い致します。暑いとはいえトンボなんぞが飛び秋の気配を感じます。移りゆく季節を楽しみながら秋の観劇に向けテンション高めてゆきましょう。

>白桃桜さま
お立ち寄り下さいましてありがとうございます。2公演ご覧になれてよかったですね。安定感のある役者さん,安定感よりハイテンションで勝負の俳優さん。いずれも魅力あります。このように若い方のお顔とお名や芸風が分かり,ますます楽しみになります。
若伎会,見る数増やそかしらン。

投稿: とみ | 2006年8月23日 (水) 22時55分

私は、19の夜と20の昼観劇です。

どの演目も本当に飽きずに観劇できました。簡潔にレポが書けるようになりたいです。でも、苧環はすごかったと思います。恋苧環は去年中村屋兄弟の公演で観劇しましたが、お三輪は大人しかったような感じが…

純弥さんのお三輪は本当なんか強い女性のように感じてしまいました。こういう、お三輪もいいなぁ…と思いました。

来月は若伎会…こちらも楽しみです。

投稿: 白桃桜 | 2006年8月23日 (水) 20時02分

とみさん、こんにちは。

とみさんのレポを拝見すると、舞台の様子が思い出されます。
私もサボってないでレポ書かねば・・・(^^;
来月の「若伎会」も楽しみですね。

投稿: rika | 2006年8月23日 (水) 07時59分

こんにちは.
ご訪問&TBありがとうございました.
どの幕も,まさにご指導がいきとどいている,という感じでしたよね.
それに一生懸命,忠実にこたえていこうとするみなさんの姿がとても印象的でした.

投稿: NAO | 2006年8月23日 (水) 07時22分

上方歌舞伎の未来は明るい!と思わされた公演でした。
芝居を楽しみ、彼らの成長に感動し、感激な観劇でした。

投稿: 火夜(熊つかい座) | 2006年8月23日 (水) 06時41分

こんばんは、花餅屋です。
毎度、楽しいレポート…見習わねば…ダラダラ書くのが良いのもじゃぁない(汗)

今回は…当初演目的には余り期待していませんでしたが…来て観て良かったです。
封印切は、期待半分、残念半分で観ましたが…思っていた以上の忠兵衛…秀太郎さんお気に入りの千壽郎丈だモノ…何故か納得。

しかし…同じ時間だったのですね…まぁ、絶対何方かは居られるだろうとは思っていましたが…(汗)

投稿: 花餅屋の太夫元 | 2006年8月23日 (水) 02時26分

>あやめさま
国立で雑魚の会というのが週末にあるようです。中村座は恒例ですし…。
東京は歌舞伎が3公演も4公演もある月ございますし,財布に優しくご観劇がよかろうかと思われます。
ワタクシもしばらく地元で地道に頑張っておられる方を応援します。
七月は財布の絶叫に耳を貸さず,悔いなく観劇しました。おかげで演劇とは,歌舞伎とは,日常と非日常,コメディとトラジティのあやめがみえてまいり,風知草の限界も認識しました。
そこで,よりフェアな風知草として,皆様に真摯に問いかけたいと考えています。

投稿: とみ | 2006年8月22日 (火) 19時49分

こんにちは。

・・・あ! 獅子丸くんが「あやめが来た!」って言ってくれました。サービスいいですね♪

さておき、関西まではまだ行くことができないので、今回は見送ってしまいました。こういう、私のように経験の少ない観客にも勉強になる演目(願絲縁苧環が一番見たかった・・・)はぜひぜひぜひ! 観たいものです。

暖かさのこもった報告、ありがとうございました。

投稿: あやめ | 2006年8月22日 (火) 11時12分

>ハヌルさま
長吉さん。活きのいい若者でした。目が利いておられます。お衣装もお似合い。何より全ての言動が可愛い。弟にしたい(息子だ)!!

投稿: とみ | 2006年8月21日 (月) 23時44分

とみさま!
ナイスなツッコミありがとうございました。
(あ、獅子丸くんちにお友達が来てる!)
話がそれました。
初めての上方歌舞伎会でしたが、ゆっくり楽しませて
いただきました。
私の中のベスト1は長吉を演じられた千次郎さんでした!

投稿: ハヌル | 2006年8月21日 (月) 22時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/106008/11545512

この記事へのトラックバック一覧です: 第16回上方歌舞伎会:

» ほんわかなひととき 『第16回 上方歌舞伎会』 [☆ハヌルのそんな感じやねん☆]
   でぇ〜〜っ、第16回?!     そうなんだぁ・・・、始まった頃には、    千代丸くんとして愛之助さんも出てたんだ。    始まった頃って、私は留学先から帰ってきて    逆ホームシックにかかり、自分のことしか    考えない全く情けない頃だった。  その前には 『若鮎の会』 というのがあったんだそうで。 ね、やっぱり意識してなきゃわからないもんだよね。 どうなることかと思ったが、全体が見渡せるすんばら良い席。 補助席まで出ていて満員御礼ですぞ。  16回という... [続きを読む]

受信: 2006年8月21日 (月) 22時52分

» 第16回『上方歌舞伎会』に行って参りました。 [花餅屋廼徒然書附帖]
上方歌舞伎会に行って参りました…。 この会は、ほぼ毎年行っていますが…今回は、久し振りに紅染屋さんと合流致しまして…。 会場は大勢のお客さんですね…松竹座よりも多いか?(汗) 二日間、四回のみの公演ですから…これを楽しみに…ですね。 夜の部の観劇です…。 三列目の26番…中央座席ではないけれども…まぁ良いお席で、それ以上に舞台が近い! また突っ込み所を探せるぞっ!←違うぞ(汗) 先ずは、『春調娘七種』で開きます…�... [続きを読む]

受信: 2006年8月23日 (水) 00時59分

» 第16回上方歌舞伎会@2006.08国立文楽劇場 [好事家の戯言]
8/20(昼の部)観劇 右側2列目 初!文楽劇場! 大きさは国立小劇場より少し大きいです. 音がよく響くホールという印象を受けました. 一階には文楽資料館があり,二階が客席. 入場したら,最初の演目で出番のない方々(というより「封印切」メンバー?)が,9月の若伎会の宣伝をされていました. 若伎会は9/16,17です.皆さん足をお運びくださいませ(笑) お席は右側の2列目. 舞台に向かって斜めになっている桟敷席(ただしテーブルなし)という感じです. 普通の客席より一段高... [続きを読む]

受信: 2006年8月23日 (水) 21時20分

« パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト | トップページ | グリザベラはグラマー・キャット »