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2006年7月25日 (火)

文楽夏休み特別公演第2部名作劇場

23日(日),大阪松竹座昼の部は,全ての役者さんが舞台に登場するのを見届け,釣船三婦内の場,義平次を追って走る団七の心で,国立文楽劇場へ走る。文楽は内本町道具屋の段を上演中である。リンクは公演成功祈願の高津宮詣。蝶子と柳吉っつぁんも…。

夏祭浪花鑑
住吉鳥居前の段  
内本町道具屋の段 奥 豊竹咲大夫 鶴澤燕三
釣船三婦内の段  切 竹本住大夫 野澤錦糸
長町裏の段 団七 竹本綱大夫 義平次 豊竹英大夫 鶴澤清二郎

Nec_0269 団七九郎兵衛 玉女
一寸徳兵衛 玉輝
三河屋義平次 玉也
釣船三婦 文吾
徳兵衛女房お辰 蓑助

時間を団七と徳兵衛が袖を交換し合ったところまで戻す。
団七は大坂で魚売りを始め,団七の世話で磯之丞は内本町の道具屋に奉公しているが,ここでも店の娘お中と恋仲になる。番頭の伝八は,小悪党義平次と共謀し,店の金を騙し取り,磯之丞の落ち度とする。磯之丞は,団七の機転で一旦窮地を脱したものの,仲買人を殺害し,娘を連れて逃げる。
で,釣船三婦内の段で,もう琴浦とじゃらじゃらとなる。三婦は,罪を自害した番頭になすりつけ,磯之丞をかくまっているわけだ。話が繋がった。なんでこんな磯之丞を匿わんならんねん(怒)。
冷静に冷静に…。

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文楽

蓑助丈のお辰の抑えた色香は絶品。さすが人形だから涼しげ。住大夫の「あア嬉しゅうござんす」も色っぽい。
眼目の殺し場。大夫さんと三味線さんが,おそろいの団七格子の肩衣でらぶりー。義平次の首(舅のガブ)は笹野高史さんにそっくり。団七の首は文七(ややこし)。文七でも大型のもの。
この場でこみ上げる怒りだけでなく,前段からの「見下げ果てたお人や」という伏線が効いてくる。死闘の場の人形の動きの激しいこと。左遣いさんは大外を回るので振り切られそう。足遣いさんは命懸。
高津宮のだんじり囃子が近づき遠ざかる。音も良い。
疾走感溢れるドラマ運びに,殺人犯となるプロセスとはこんなにもあっけないものかと震撼となる。人の死が襤褸人形となるところもリアリティあり過ぎて怖い。

Nec_0268 連獅子
雄獅子の精 清之助
雌獅子の精 蓑次郎
子獅子の精 浩助
文楽の連獅子には「おかん」がいる。過保護な仔獅子である。
松羽目でなく石橋の道具が登場。狭い橋の上に9人の人形遣いがひしめき合う。何と仔獅子は本当に橋の上から落ちる。人形を携え3人が飛ぶ。ヒエーと客席から悲鳴が…。
舞や毛振りは歌舞伎に比ぶべくもないが,景事として楽しさ一杯。

続く…。

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コメント

>かしまし娘さま
団七さん大きめで格好良かったですね。人形はわかりやすくて良いです。

投稿: とみ | 2006年8月12日 (土) 01時22分

とみ様、まいど!
ダブルブッキングですか!!!ヒェエエ、大変でしたね。
「内本町道具屋の段」が観れて幸せでした~!!磯之丞がますますキライになりました~!

投稿: かしまし娘 | 2006年8月11日 (金) 16時18分

>ハヌルさま
団七が大きくて立派です。首のお顔も良いです。それにキルティングのぽこぽこと文様が何ともいえません。
つい主要キャストに集中してしまいますが,ツメ人形も可愛らしいし,バックの祭囃子の大勢にも心惹かれます。
どれか一つといえば断然夏祭浪花鑑ですが,大阪らしさ一杯の三部も良かったですよ。

投稿: とみ | 2006年8月 4日 (金) 23時57分

とみさま、行ってしまいました! えへっ。
TBさせていただきました。
文楽は本当に久しぶりでしたが、とても楽しかったです。
なんか心地良いです、まったり~とした中に活気のある
浪花の雰囲気が・・・。
つくづく私は大阪の人間なんだなぁ、と、ここ以外では
暮らしていけないだろうなぁ、と、痛感しました。

投稿: ハヌル | 2006年8月 4日 (金) 22時28分

>yaeさま
大阪では2年続きで,中村屋さんの大捕物付き串田演出が記憶に新しいです。
疾走する青春群像劇は世界共通且つ今日的ですが,懐石を一皿ずつ頂く感じで贅沢でした。
人間を押しつぶす不条理な大阪の義理の重さがもう少し欲しいところでしょうか。
イノセントな磯之丈!けしからん!
団七さんは顔が□の方が絵になるかしらん。

投稿: とみ | 2006年7月28日 (金) 00時19分

とみさま、こんばんは。

本当に、磯之丞って・・ですよね。それ故に、団七の悲劇も際立つのかもしれませんが・・・。
五月の新橋演舞場の『夏祭』では、三婦内で磯様とじゃらじゃらしている琴浦が、「この前もお中さんと・・」と言っていました。
こういうちょっとしたところに、それぞれの役者さんの考え方が出るような気がして、大変興味深かったです。
それにしても・・松嶋屋の『夏祭』はいつ拝見できるのでしょうかね・・。

投稿: yae | 2006年7月27日 (木) 22時10分

>kabukistさま
芸能界を構成する一員としての役者を対象とする世界唯一の女性向け性愛文化が歌舞伎だという説がございます。女性も大衆文化を享受できた大江戸260年の平和は世界に誇って良いと思われます。早い話,役者さんに尽きます。
さて,文楽。一見音曲や装置は似ていても,震えている心の糸が違います。命懸けの芸の凄さに惹かれて鑑賞するようになりましたが,実のところ良く分かっていません。
勉強熱心なkabukistさまを見習いたいと思っております。

投稿: とみ | 2006年7月27日 (木) 19時16分

やっぱりこちらも面白そうですねぇ。
文楽の"芸"は人形という媒体がはさまっている分、歌舞伎以上に素晴らしいと思うところがあります。
暑いけれど、がんばろうかなぁ。。

投稿: kabukist | 2006年7月27日 (木) 08時38分

>ハヌルさま
間違ってダブルブッキングしました。こんなことは生涯初めてです。当然のことですが,舞台にかかわる全ての方に失礼なので,最後まで居ります。なんともったいないこと致しました。\(__ ) ハンセィ
歌舞伎は本日が千穐楽。良い舞台に感謝の気持ちが一杯です。
さて,想像つかないのはごもっとも。勢獅子の姫二人のような感じと申し上げればお分かりいただけますでしょうか。「おかん」が登場する連獅子は違う物語になってしまいますね。

投稿: とみ | 2006年7月27日 (木) 01時29分

とみさま、こんばんは。
「夏祭浪花鑑」、どちらも中途でありながら、リンクするなんて、
スゴい、はしご~。 感動だっ!
「連獅子」の毛振り、観てみたいですね、想像できひん。
ちなみに、 ”おかん” は、いかがでしたか?(苦笑)

投稿: ハヌル | 2006年7月26日 (水) 23時43分

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