« A Life in the Theatre | トップページ | 名古屋大須演芸場 »

2006年5月 6日 (土)

シネマ歌舞伎・坂東玉三郎/鷺娘

Chirashi_s 5月6日(土)梅田ブルク劇場で,シネマ歌舞伎・坂東玉三郎/鷺娘を見た。大阪初日である。
上演時間は,同時上映の日高川入相花王と2本で60分。ハイビジョン,6ch音響ということで,映画館のスクリーンで,さながら歌舞伎座に居る臨場感を味わいながら,映像ならではの寄りが堪能できるという,歌舞伎座から遠いものにとってはうれしいエンタテイメントジャンルである。
予告編もプロローグもなく,いきなり柝の音で始まる。

日高川入相花王
2005年10月歌舞伎座
清姫 坂東玉三郎,主遣い 尾上菊之助,船頭 坂東薪車
浄瑠璃と三味線は左のスピーカーから聞こえる。
玉三郎丈の人形振りは大映像でも揺るがない。下手な人形遣いが遣う人形ではなく,人間と見まごう人形を演じておられる。特にご尊顔が,上演時には怖すぎと感じたのだが,誤解であったことが分かった。実は無表情で,角度により,切なくも恐ろしくもなる,正に文楽人形そのものであった。菊之助丈は,邪魔にならない主遣いになられていた。上演時はつい視線が吸い寄せられていたようだ。船頭の薪車丈のきっちりとした人形振りも好感度益々アップ。
鷺娘
2005年5月歌舞伎座
長唄は正面ののスピーカーから聞こえ,エコーが少しかかっている。
もう何も申し上げることはない。玉三郎丈だけが許される降りしきる雪の中で瀕死の鷺娘がはかなく息絶える演出のものである。寄りが良いのは勿論であるが,引いたカメラも取り混ぜて欲しかったか。
丈は最新の意欲作とライフワークとの変化舞踊2題を,1時間の映像作品としてまとめ上げられた。どちらも恋の妄執に相手を焼き尽くすか,自ら燃え尽きるという凄惨で深淵なものであるが,高い技術により構築された舞姿は美以外のなにものでもない。
赤と白,蛇と鷺,炎と雪,多くの対句が散りばめられているであろう。再見するまでに考えるのも楽しみの一つか。

|

« A Life in the Theatre | トップページ | 名古屋大須演芸場 »

歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

>ぴかちゅうさま
観劇と同じで息もつけないまばたきも出来ない映画でした。大阪はおそらく今回一度だけ見ることになるでしょうが,京都に来るときは通ってしまいそうで怖いです。

投稿: とみ | 2006年5月 7日 (日) 20時37分

>noppyさま
ありますとも。丈はまだ千回に達しておられないはず。きっと演じ続けられることと信じております。三階からでしたらシュプールが美しいです。
あ,一題でけました。スイマーとスキーヤー(`_`)ノ゙バシィィィィィ!!!!。

投稿: とみ | 2006年5月 7日 (日) 20時26分

東劇では「RENT」の予告編がつきました。しっかり5/1にやはり東劇で観た私(^^ゞ
「日高川入相花王」の人形振りは見事でしたね。お顔も文楽人形の頭を思わせる無表情と般若面の半分や全部をつけるという場面もあり、とにかく徹底的に顔の筋肉を動かさない!瞬きもされていないような感じでしたよね。
でも、人形振りは上手な遣い手による動きではなくもう少し下手な遣い手による動きを真似した方が人形らしく見えるのだそうです。誇張表現ということでしょうね。
清姫と鷺娘の恋の妄執の共通点と相違点を考えると面白かったです。
長唄がききとれるともっと面白くなるのだろうけれど、動きに集中するとまだまだ聞き取れず、結果睡魔に襲われることも度々になってしまうのでした。

投稿: ぴかちゅう | 2006年5月 7日 (日) 02時57分

ハローとみさま
蘇るシネマ歌舞伎....
とみさまの文章を読ませて頂き、「鷺娘」ってかような踊りだったのかと今更ながら噛み締めました。
鷺娘は実際の舞台で観た事がないのですが、この先観る機会があるかなあ。
ぜし観てみたいなあ、と激しく思いましたことです。

投稿: noppy | 2006年5月 7日 (日) 02時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/106008/9933849

この記事へのトラックバック一覧です: シネマ歌舞伎・坂東玉三郎/鷺娘:

» 06/04/23 シネマ歌舞伎第二弾・坂東玉三郎「鷺娘」 [ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記]
昨年の1月、勘三郎主演の「野田版鼠小僧」を第一弾として上映したシネマ歌舞伎の第二弾は坂東玉三郎の舞踊「鷺娘」。舞踊のみの映画だが「日高川入相花王」との2本で約1時間。歌舞伎座の舞台でそれぞれ一回ずつ観ているので初めての作品ではないという気安さがある。4/23にお茶屋娘さんと行くと決め、せっかく東劇で観るので勿体ないので歌舞伎座の夜の部も観ることにしたのだった。 シネマ歌舞伎第一弾「野田版鼠小僧」の感想はこちら 1)「日高川入相... [続きを読む]

受信: 2006年5月 7日 (日) 02時44分

» 「シネマ歌舞伎 日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)」と、大阪歴博 [熊つかい座(so-net)]
連休最後の晩です・・・・、しゅん。 明日出勤する場所を間違えないようにしないと(←連休中に職場が引っ越したのです)。 自由に過ごせるうちに思う存分楽しんでおくことにします。 また今日も梅田ブルグに行きました。 連休で町は人が多いのに意外とこの映画館は空いてます。 思いきって前のほうの席に座ってみました。 わたしは人形振りが大好きです。 人形と人形遣いが、ひとつになってはじめて人形に命が吹き込まれます。 役者と役者が、ひとつになってはじめて物語が動き出します。 自分で動いているはずのないも... [続きを読む]

受信: 2006年5月 7日 (日) 21時20分

« A Life in the Theatre | トップページ | 名古屋大須演芸場 »