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2006年5月 6日 (土)

A Life in the Theatre

Photo_1 5月6日(土)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで「A Life in the theatre」を観劇した。
概要は以下のとおり(敬称略)
作:デイヴィッド・マメット,翻訳:小田島恒志,演出:ポール・ミラー
出演:市村正親,藤原竜也
日本を代表する舞台役者,市村正親と藤原竜也の初顔合わせ
がっぷりよつに組んでの二人芝居
芝居好きにはたまらない究極の演劇

場面は,楽屋,衣装室,レッスンルーム,本舞台と劇場内に限定される。役は,ベテラン俳優ロバート(市村正親)と新進俳優ジョン(藤原竜也)のみ。二人は頻繁に同座し,芸域も広く,演劇界を代表する役者で,よく共演するが顔見知り以上の関係は無いようである。
二人は芝居の合間に会話を交わす。舞台の出来不出来,役づくり,トレーニング等,仕事上の何気ないものであるが,老境に差し掛かった者とこれから世に出ようとする者との関係は,次第に微妙なものとなってゆく。

芝居好きなら必ず発売日に電話をかけるであろう企画と,キャッチコピーにまず敬意を払おう。二人芝居には先入観がある。おかしな二人,二人の噺,セイムタイム・ネクスト・イヤー,ラヴ・レターズ,K2,メアリー・スチュアート,イッセー尾形&桃井かおり「二人芝居」…(`_`)ノ゛バシィィィィィ!!!!
先入観と勘違いの期待を捨てて感想を書く。
世代の新旧対立や,若さへの嫉妬,老害,立場の逆転などは,劇場へ足を運ぶまでもなく,全ての観客に共通する日常茶飯事。これでは,観客を満足させて帰らせられない。では,演劇人の劇的でない意外な素顔の暴露。これも,シンパシーを感じてもエンターテイメントとはほど遠い。
では,この戯曲の主題は何か。悲劇でも喜劇でもない長い人生を演じ続けなくてはならない全ての人間。きつい稽古もしなければならないし,良いときもあれば悪いときもある,共演者に恵まれないことも,共演者に喰われることも…。舞台から下りられないなら,達観し楽しんでしまおうというエールと見た。
全盛の市村氏が演じる老優,寵児の藤原氏が演じる新進俳優というジョークに,素直に身を委ねた贅沢な時間であった。

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演劇」カテゴリの記事

コメント

>ぴかちゅうさま
現実社会で起きて舞台上で絶対に起きないこと。それが老醜をさらすことです。実は,醜い老優は去るのみで,衆目にさらされることはありません。だって観客チケット買いませんもの。
役を下りられない一般社会を,舞台という逆の箱から笑い飛ばして頂いたと思えばスッキリしました。
鷺娘談義,また,ゆっくりと…。

投稿: とみ | 2006年5月 8日 (月) 23時53分

ふっふっふ、『グリークス』でんな!あの姉弟は本当に迫力でしたよね。あれですっかり寺島しのぶファンになっちゃいましたから。映画の『赤目四十八滝心中未遂』まで観に行きましたよ。かなり変な話でしたけど(^^ゞ
蜷川『エレクトラ』で大竹しのぶエレクトラも体験済みなので、今回の藤原オレステスも先入観なしで行きますよ~。
どうしてもイメージを封印したい場合は別キャスト版を観ないことにしています。だから松たか子アルドンサになってからまだ一度も『ラ・マンチャの男』観てません。いつ封印を解く気になるやら...。

投稿: ぴかちゅう | 2006年5月 7日 (日) 23時08分

>ぴかちゅうさま
よくぞきいてくださいました。二人芝居,ばりばりの先入観と期待感に凝り固まっております。例示程度しか観劇してませんが,みんな迫力の対決あります。
蜷川さんオレステスはど真ん中の直球,分かりやすそうですね。これは,大阪公演あるようです。楽しみです。オレステスは菊之助丈,エレクトラはしのぶ姉上様という凝り固まったイメージありますので,またまた,換骨奪胎して頂けることでしょう。

投稿: とみ | 2006年5月 7日 (日) 20時45分

>スキップさま
お読みいただきありがとうございます。今日一日考え,なんとなくはぐらかされた読後感の謎が解けました。あとでちゃーんと書きます。

投稿: とみ | 2006年5月 7日 (日) 20時39分

市村×藤原という組合せならどんな内容でも一応観ておかないといけないという使命感のようなものが働いてしまいます(おいおい、どんな使命だよって)。
>二人芝居には先入観がある...とはどのようなイメージですか?私はそんなに観ていないので特にイメージがありません。
>全盛の市村氏が演じる老優,寵児の藤原氏が演じる新進俳優というジョーク...って発想面白いとは思いましたが、そこまではあまり考えてないんじゃないかとも(^^ゞ
マメットはこれは喜劇だと言っているようですから、とみ様のエールという解釈当たっているんじゃないでしょうか。私はマメットとか知らないので全くイメージもなしに観たのですが、エールも直球じゃないと受け止めきれない状態なのでかなりシニカルっぽい描き方がイマひとつ乗れなかったんです。直球こいこいこい、かな私。
『オレステス』チケとりました。定点観測します。

投稿: ぴかちゅう | 2006年5月 7日 (日) 02時43分

とみさま

ご覧になったのですね。
「人生というステージを達観し楽しんでしまおうというエール」
・・・ナルホド。
なかなか達観の域に達せずもがき苦しむばかりのわが身を振り返り、道標にいたします。

投稿: スキップ | 2006年5月 7日 (日) 01時26分

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市村正親・藤原竜也の2人芝居 「ライフ・イン・ザ・シアター」観劇 5月3日13:00 シアター・ドラマシティ 5列センター 劇団の看板俳優ながら全盛期を過ぎて老いの陰が忍び寄るベテラン ロバートと若く輝くばかりに前途洋々の新進俳優ジョン−2人の楽屋や衣裳部屋、舞台..... [続きを読む]

受信: 2006年5月 7日 (日) 01時22分

» 06/04/09 『ライフ・イン・ザ・シアター』市村正親×藤原竜也 [ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記]
「ライフ・イン・ザ・シアター」をTHEATRE1010の千穐楽(その後全国公演あり)で観てきた。市村正親が藤原竜也と舞台やりたいなと言っていると何かで読んだが、この企画に結実。市村正親の二人芝居は勝村政信との『ストーンズ・イン・ヒズ・ポケッツ』を観たが、白石加代子との『ミザリー』は見逃した。これは絶対はずせなかった。 以下、THEATRE1010の公式サイトより。 デイヴィッド・マメット作、1977年シカゴ�... [続きを読む]

受信: 2006年5月 7日 (日) 02時07分

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