文楽若手自主公演・十色会
4月29日(土),国立文楽劇場・素浄瑠璃の会からドーンセンターへ移動し,文楽若手自主公演の「十色会(といろかい)」を鑑賞した。
演目等は既述のとおり。
客席に,なにげに蓑助さん,玉女さん,勘十郎さんがおられる。また,出演者の奥様方や親類縁者,お友達がいっぱい。ロビーはお花でむせかえるよう。文楽の明日を支える若い方々の真剣さと,それを支える女達の熱さに打たれ,安泰盤石とは言えないまでも明るい希望を感じた。
初心者とはいえ,大坂谷町生まれの船場育ちでありながら,文楽に関し大きな誤解をしていたことを反省したい。猛省。
歌舞伎はスター至上主義,文楽は物語重視。たとえば老親の嘆きが見せ場になったりすることもあると…。
しかし,文楽の精華は,芯になる立役人形の美しさと今更ながら気づいた。スターは要る。花は花でなければならない。桁外れの芸の凄さは感じていたが,申し訳ないほど当たり前に文楽劇場に行けば玉男師がおられた。人形遣いさんの修行の道程を思いやりじわーんとなった。
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コメント
>かしまし娘さま
シロウトの感想でお目汚しさせてしまいました。分かりにくくい記述で申し訳ありませんでした。
確かに玉男さんご本人も花も実もある美丈夫であられますが,ワタクシのいうのは人形の花です。センターでまっすぐシャキーンと丈高く立ち,視線を集中させる頂点。ぶれなく揺るがず瑞々しく…。
主演立ち役は重厚で大きく美しくなければなりません。黒子か出遣いかは気にもなりません。
玉勢さんは振るいつきたい(ボカッ)美男子ですが,求女さんは,いまどきの小柄痩身,優柔不断,軟弱男子でした。
女形はそれほど気にならなかったのです。不思議です。
立ち役の人形と訂正します。
投稿: とみ | 2006年5月11日 (木) 19時03分
とみ様、まいど!
船場育ちといえば、もう谷崎潤一郎の世界ですね~。ステキ~。
”立役さんの美しさ”モチロン有る方が、私は嬉しい~!
でも人形劇は、人間と違って「己を消す」事をしなければならないのが難しいところですよね。
「下手な人は人形より前に出る」と、以前人形劇団の方が言ってましたです。
彼等の長い長い道程のどこまで観れるかわかりませんが、頑張ります!
な~んて、私、皆さんほどキチンと観劇出来てないので…。ハハハ~
投稿: かしまし娘 | 2006年5月11日 (木) 13時11分
>藤十郎さま
ロビーは,ご出演者の師匠,ご母堂さま又はそれに準ずる方,奥方などおられ華やかでした。みなさまが幸多かれと祈る博愛おとみでございました。
投稿: とみ | 2006年5月 1日 (月) 22時54分
>大坂谷町生まれの船場育ち
おおお、筋金入りの大阪人ですね。
私なんてタカラヅカですから…。
十色会の稽古と本番の間に谷町界隈をうろついてきましたよ~。
スターはほしいですね。ただ、あくまでそのスターを見せるのではなく、スターが役の性根を見せるのでしょうけどね。
玉男さんはすごいです。たしかに。
投稿: 藤十郎 | 2006年5月 1日 (月) 21時52分