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2006年4月 8日 (土)

クラッシュ

アカデミー作品賞始め三部門に輝くクラッシュ。まもなく終了予定とのことで,4月8日(土)駆け込みで見に行った。
監督:ポール・ハギス
出演:サンドラ・ブロック,ドン・チードル,マット・ディロン

現代のLA。クリスマスも近い寒い夜,車の追突事故が起こった。事故の当事者の一人となった黒人刑事グラハムは,事故現場のすぐ際に黒人青年の銃殺死体を発見する。実は,この事故と銃殺死体には,前日から,多くの人種,国籍,性別,年齢,階層の異なるLA市民が関わっていた。
差別撤廃主義を公約にしている白人地方検事,裕福な黒人映画プロデューサー,雑貨店を営むペルシャ系ファミリー,犯罪すれすれのLA市警の面々,危うい商取引を目論む中国人,強盗を常習とする黒人青年二人組,全員が主人公である。極悪人でも正義漢でもない懸命に生きる市民が,乾いたLAの街で衝突する。わずか一日の出来事であるが,ある者はささやかな出来事に生きる意味を見つけるが,あっけなく落命する者もあった。

物語は同時多発で展開するので,途中までしっかりついて行く必要があるが,つながりだしてからのたたみかける感動は素晴らしい。カメラワークも,LAの真実を奇をてらわないで淡々と写す。群像劇の真の主人公は,LAという天使の宿る街ということは間違いなさそうである。
二度見るべき映画であった。時間があるか。

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