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2006年4月30日 (日)

素浄瑠璃の会

Nec_0089_1 4月29日(土),国立文楽劇場に出かけた。素浄瑠璃デビューである。同じ拝聴するなら最高峰ということで,出演者及び演目等は以下のとおり。

「一谷嫩軍記」組討の段
   竹本伊達大夫 竹澤宗助
舞台は銀屏風。二段目立端場ということで,勇壮であるべき戦場の描写ながら,いとけない若武者を悼み,許嫁の玉織姫への憐憫をノリ地で語る。むうかんのたゆうあつもり(実は一子小次郎),なあむうあみいだぶつで拍手が…。
「義士銘々伝」弥作鎌腹の段
   竹本住大夫 野澤錦糸
舞台は白屏風。忠臣蔵外伝である。武家と百姓の狭間,義理と人情の板挟みにあって,農民の兄が赤穂藩へ忠義立てする弟のため命を犠牲にする。「一ノ谷」が音曲的なら,「弥作」は台詞劇に近い。住太夫の暖かみのある名調子は,親子兄弟の愛情を語る演目にこそ相応しい。ラストは大落とし。
「生写朝顔話」宿屋の段
   竹本津駒大夫 鶴澤寛治 琴 鶴澤寛太郎
すれ違いメロドラマの佳境の場面。盲目の琴弾女・朝顔は,探し求める駒沢にまみえながらそれと気付かない。太夫は艶のある語り。この場面には琴の演奏があり,寛治さんの情感が滲み出る。しらなんだ,しらなんだ,しらなんだわいなあで涙が…。

素性瑠璃は一人芝居。名演を三本続けて見た充実感であった。ロビーで住太夫さんが挨拶をなさっておられた。

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