池田文庫と逸翁美術館
ご覧のとおり, 南座歌舞伎鑑賞教室のチラシである。歌舞伎舞踊の鷺娘は,当代では,板東玉三郎丈が誰の追随も許さない高みにおわしますが,今週,京都四条南座では,上方歌舞伎の花形・上村吉弥丈が,歌舞伎鑑賞教室として取り組んでおられる。
チラシに採用されている香朝楼国定筆・市川団十郎の鷺娘は池田文庫所蔵とある。
これは江戸役者絵だが,池田文庫は上方役者絵の宝庫である。
池田文庫は,阪急グループの創始者である小林一三翁の収集品を起源とする演劇書をコレクションとする文庫で,大阪府池田市に存する。
翁は,宝塚歌劇,映画・演劇書はもちろん,役者絵・絵看板・番付などの歌舞伎関係資料を精力的に収集した。そして,池田文庫となった現在も,上方役者絵(7,000点)の所蔵は,質,量ともに世界一ときく。軽々には資料の閲覧は出来ないが,興味深い企画展が定期的に開かれている。
山手には,小林一三翁の収集美術品を展示する逸翁美術館があり,周辺の良好に開発された住宅地と共に,上方文化の一つのありようを示す界わいを形成している。
上方文化の様々に思いを馳せながら,鑑賞することとしよう。
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コメント
>恵美さま
海老さまの鷺娘!想像できます。この絵のような感じと思われます。
このチラシまだ入手してません。あればいいな。
ワタクシ男女蔵時代の市川左團次丈の鷺娘拝見したことありますよ。
投稿: とみ | 2006年4月21日 (金) 20時46分
>とみさま
>市川団十郎の鷺娘
団さまは勘弁ですが、海老さまの鷺は観とうございます。
藤娘はロンドンだかでおやりなのですが、お顔だちは鷺っぽい(笑)、凛!系ですからね ^^ ♪
投稿: 恵美 | 2006年4月21日 (金) 13時08分
>藤十郎さま
絵巻は,鳥獣戯画,北野天満宮や伴大納言,源氏くらいしか存じ上げませんが,これらを手になさったやんごとなき姫君さまの胸のときめきに思い至りますと,こちらまで心震えます。物語を生きがいとするというか,物語の中でしか遊べない姫様を思いますと,今の私たちはなんと幸福なことでしょう。
池田方面しばらくご無沙汰しています。鷺娘から池田まで唐突な話題でしたが,お読みいただきありがとうございました。
投稿: とみ | 2006年4月21日 (金) 12時54分
今逸翁美術館では「王朝の息吹ー歌ごころの世界」開催中ですね。
私、実はずっと王朝時代の文学の勉強をしてきた者です。
展示中の
「佐竹本三十六歌仙切 藤原高光」
「谷水帖」
「石山切 伊勢集」
など、何度見ても素晴らしいです。ぜひ行こうと思っているのです。
投稿: 藤十郎 | 2006年4月21日 (金) 08時30分