« モデルになってもらえたが…。(BlogPet) | トップページ | 国立文楽劇場・菅原伝授手習鑑 »

2006年4月 2日 (日)

劇団四季・ミュージカル南十字星

4月2日(日),京都劇場で,劇団四季・ミュージカル南十字星初日を観劇した。メインキャストは以下のとおり(敬称略)
保科勲・阿久津陽一郎,リナ・ニングラット・大平敦子,島村中将・田代隆秀,原田大尉・鈴木周,塚本少尉・前田貞一郎,ニングラット博士・武見龍麿,ルアット・ニングラット・内田圭,ニルワン・藤川和彦,キキ・大徳朋子,オットー・ウインクラー・吉賀陶馬ワイス,原田春子・末次美沙緒,岡野教授・維田修二

昭和三部作の第三作は,南方戦線に従軍し,終戦後,BC級戦犯としていわれのない捕虜虐待等の罪状で絞首刑となった学徒出陣兵士の物語。
京都大学法学部に在籍し,哲学者を目指す自由な魂を持つ青年保科勲は,インドネシアからの留学生ルアット・ニングラットと妹のリナと親しく交流していた。オランダ支配下にあるインドネシア本国の政変によりニングラット兄妹は帰国。リナとの再会を誓う勲にも南方戦線への召集令状が…。
日本軍はインドネシアに侵攻し,オランダ軍を駆逐。アジアの指導者としてインドネシアの独立に手を貸すかに見えた。再会なったリナはじめニングラット一家とのひとときが勲にとってはつかの間の幸福だった。しかし,日本軍の真の目的は石油と労働力の搾取であり,無謀な戦線拡大と無定見な軍略で,敗戦は確定的なものとなった。
そして,日本兵には,戦時よりさらに苛酷な戦後が待ち受けていた。

Nec_0116_1 ミュージカルの構成としては,インドネシア民族舞踊と本格的なガムランの演奏や田園,大河の風景など本水を使った大仕掛けな装置など,エンタテイメント性に充分配慮している。オリジナルの物語なので,説明台詞の多用が危ぶまれるがなんなくクリア。あまりにも理不尽な物語に素直に感情移入し号泣させて頂けた。
阿久津氏は,主演としての輝きに満ちあふれていた。高潔,公正であるが,寛容で自己犠牲の心も持ち合わせた優しい若者だった。惜しんで余りある尊い命であった。捕虜にも気を配り,武器の流出も義兄の罪を庇ったはずの勲がなぜ…。勲よ。なぜだ。このような国家中枢の巨悪を,無辜の若者の命で贖おうとする理不尽になぜ納得する。阿久津氏の輝きが目映いほど悲劇が際立つ。納得していないはずだ…。(福井氏なら納得したかもしれない(`´)ノ☆(((*;・)ゴメンナサイ。)
ヒロインの大平氏は,恵まれた容姿に民族衣装が似合うだけでなく,舞踊においても手の動きや目の動きが違う。いつまでも祭りの場面を見ていたい気にさせて頂ける。
今日のカテコは数回。少なくとも一階はオールスタンディング。主人公は京大生,主演カップルが恋を育んだ舞台が京都というのも京都人にアピールしていた。
三部作全部踏破した観客(四季会員に限る。)はオルゴールがもらえる。ワタクシは南十字星の主題曲ブンガワン・ソロが当たった。
余談であるが福岡のアイーダのポスターは福井氏と井上氏のものであった(^○^)。

|

« モデルになってもらえたが…。(BlogPet) | トップページ | 国立文楽劇場・菅原伝授手習鑑 »

ミュージカル」カテゴリの記事

コメント

>みかん星人さま
初日は緊張感あります。シリアス系は初日が好きです。
拙速レポ,お読み頂きありがとうございました。異国の丘千穐楽からちょうど二週間。極寒のシベリアから,南十字瞬く南国へ。季節は進むはずが寒い雨の初日となりました。
あまり憤ったので胃に良くなかったです。
ブンガワンソロと琵琶湖就航の唄が呼応するのが,あざといですが主演カップルの美しさで納得させられました。
>柴さま
阿久津さんも大平さんもテノール&ソプラノ系ではありませんが,良いお声で心に響きます。購入は検討中です。ジャケットも素敵です。
>ク~ミンさま
福井井上バッテリーでした。京都劇場は,チラシはありませんでしたので福岡でぜひゲットなさって下さいませ。福岡でファンを倍増して,エジプト遠征から凱旋なさる日を夢見ております。

投稿: とみ | 2006年4月 4日 (火) 23時25分

とみさん、いつもTBありがとうございます。
で、最後の2行に反応してしまいました~
私も新しいポスターが早く見たいです!

ところで、私は南十字星は、初演の時に東京で1回見ただけです。その時は樋口さんのリナだったので、大平さんでも見たくなりました。

投稿: ク~ミン | 2006年4月 4日 (火) 21時38分

こんばんは。
TBありがとうございました。
私は同時刻キャッツを観ていたわけですが…
オルゴール私もブンガワン・ソロ持ってます!
どうやら2回目以降は曲目を選べるようですね。
あと2回いけば制覇ですね♪

投稿: 柴 | 2006年4月 3日 (月) 22時56分

こんにちは。

そっか、、、
京都で観る『南十字星』には、
》主人公は京大生,主演カップルが恋を育んだ舞台が京都というのも京都人にアピールしていた。
という意義があったのですね。。。

実は、この演目、物語はとても好きなのですが、
「京都の部分は要らない」とか、
「腕を吊っての歌唱は要らない」と思っています。
特に前者は、存在意義は分かるものの、
冒頭で語る必要を感じなかったのです。
が、どうやらそれは(それも)、
「東京」という国家中枢、
もっと言えば「いま皇居のある場所」からの、
思い上がった感覚だっのかもしれません。
考えてみれば、
保科が自分の母校の先輩(という設定)だったりしたら、
あの場面にこそ「悔しさ」の起源があるわけですよね。

我が家にも、2台の「ブンガワン・ソロ」があります(笑)

古い記事にTBさせていただきます。

投稿: みかん星人 | 2006年4月 3日 (月) 08時38分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 劇団四季・ミュージカル南十字星:

» 『南十字星』 @ 秋劇場 [みかん星人の幻覚]
再演されている『南十字星』を観てきた。いまは『ミュージカル 南十字星』というタイ [続きを読む]

受信: 2006年4月 3日 (月) 10時44分

« モデルになってもらえたが…。(BlogPet) | トップページ | 国立文楽劇場・菅原伝授手習鑑 »