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2006年3月 3日 (金)

博士の愛した数式

博士の愛した数式 
監督: 小泉 堯史
出演: 寺尾聰,深津絵里,齋藤隆成,吉岡秀隆,浅丘ルリ子
(C)「博士の愛した数式」製作委員会

新学期,教壇に立つ若い数学教師は,自分に数学の愛おしさを教えてくれた数学者のことを語り始める。彼の母は家政婦の仕事で生計を立てていた。彼が10才の冬,ある数学博士の世話をすることになる。依頼人は,交通事故で足に障害を持つことになった義姉であった。
博士は同じ事故で脳を損傷し,記憶は80分しか保たなかったが,数字や数式に驚くべき記憶と想像力を示し,数学を通じて母と心の交流を深める。10才の彼も,母の勤務先を訪れ,博士と楽しいときを過ごしたり,同じ球団の贔屓であることから,共に野球を楽しむようになった。

博士と母子との心の交流を,淡々とあざとくなく描く。博士の記憶は10年前から一日しか経っていなく,贔屓球団の人気投手も永遠に現役のままである。映像は,博士が住む離れと周辺の野原に限られるが,1980年代のプロ野球,能楽の「江口」が,博士の記憶が止まった日として登場する。
博士が,数字,数式,図形のなかに愛を見出し,語る場面が感動的。主人公達の心は,数学を通じて無限と永遠に結び合わされる。オイラーの公式に感極まり涙するなど聞いたことがないが,この映画を見れば,数式に泣ける。不思議。ラッキーナンバーは28である。

博士の愛した数式
小川 洋子著
新潮社 (2003.8)
通常24時間以内に発送します。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

>アクアさま
ようこそ拙宅へ。
原作はベストセラーでしたね。やはり読まなくては…。
回想は2段階になっているのですね。プロ野球の知識があれば感涙もの間違いなさそうです。
清浄な心を持ち,ささやかな幸福を求める主人公達に心洗われます。奢る心を戒めなくてはなりません。

投稿: とみ | 2006年3月 8日 (水) 01時16分

こんばんは、とみさん。
遅くなりましたが、TB返させていただきました。
原作では、プロ野球を見に行きます。そのときのルートたちのどきどき感がとても素敵です。ぜひお読みになってください!

投稿: アクア | 2006年3月 8日 (水) 00時34分

>悠さま
駆け込みで見ました。一時ハートフルヒューマンドラマにはまり,ミニシアターに通った時期があるのですが,最近は金満映画に走っています。(_ _ )/ハンセイ
原作も読んでいません。更に反省*反省。
少年野球チームの背番号や,ウインドブレーカーのナンバーに,泣ける方は泣けるのでしょうが,基礎知識がないため,帰宅して調べなければなりませんでした。
おー時雨西行と見ていましたが,これも調べて江口と判明。猛省。
反省の階乗となった映画でした。

投稿: とみ | 2006年3月 4日 (土) 19時52分

能「江口」原作にはないそうですね。義姉@浅丘ルリ小の苦悩ー救いは、もう、能で表現しとこー、観客に、わかんなきゃ、それでも、いいや、ってとこでしょうかね。
遊女、じつは、菩薩(宿屋の亭主じつは知盛みたいなもんですかね)ってのが、江口ですが。

投稿: 悠 | 2006年3月 4日 (土) 11時13分

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受信: 2006年3月 4日 (土) 11時25分

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小川洋子さんは大好きな小説家で、彼女の書く小説の持つひんやりとした優しさがとても気持ちいいのです。それは、言葉の選び方が優れていてお話の流れに即したものだからかしら、と思います。 「博士の愛した数式」はとても素敵な恋愛小説でやっぱり大好きなお話なので、映画は見なくてもいいかと思っていましたが、間もなく公開終了と聞くとどうも気になって観てみました。 小説「博士の愛した数式」は小さくて確かな恋愛小説なので、映画化�... [続きを読む]

受信: 2006年3月 8日 (水) 00時29分

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受信: 2006年3月11日 (土) 12時23分

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