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2006年3月 4日 (土)

ミュンヘン

ミュンヘン MUNICH
監督: スティーヴン・スピルバーグ
出演: エリック・バナ,ダニエル・クレイグ,ジェフリー・ラッシュ
1972年9月5日,ミュンヘン・オリンピックで,パレスチナゲリラ“黒い九月”によるイスラエル選手団襲撃事件が起こり,選手団は全員殺害された。
イスラエル政府は報復を決定。特殊部隊“モサド”に,実行者のパレスチナ人ゲリラ11人を暗殺する命令を発する。
モサドの若い工作員アヴナーは,上官エフライムの命でリーダーに任じられ,4人の仲間と共に欧州各国に潜入する。任務は苛酷で,仲間は半ば素人で人間的。困難に継ぐ困難を克服し,ひとりまたひとりとたおしてゆくが,犠牲も出ていた。

ワタクシが見たのはトリノオリンピック開催の前夜である。
映画は,チーム5人と,潜入地で遭遇する協力者や敵との攻防戦をシリアスかつシニカルに描く。アクションはスパイ映画のように面白いように敵が倒れる訳でなく,敵も悪の権化でなく人間的な側面を持つ。全員に感情移入し,リアリティのある殺人シーンに心えぐられながら見ることになる。体調を整え心をリベラルに保ち見極めたい映画である。
結末は知られているが,スピルバーグのメッセージがどう出るか緊張は続く。
「報復の押収から,何も得るものはなく,戦いは永久に続く。」バタッ。

標的(ターゲット)は11人
ジョージ・ジョナス〔著〕 / 新庄 哲夫訳
新潮社 (1986.7)
通常24時間以内に発送します。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

>ダーリンさま
ようこそ拙宅へ。貴宅の優れた記事を拝読するにつけ,監督の既出作品,俳優さんの履歴,同一テーマでの類似作品との比較が出来ない者は,映画評は書くべきでないと心得ております。カメラの台数,セットの設計図も頭の中に書けません。画像ももちろん借用できませんので,簡単な感想と自分のための備忘録にしております。
あ,それと,簡単な映画の記録は,文章力が落ちないための習作として最適です。
金曜の最終上映に駆け込みますと,一週間の激務と気持ちの切り替えが出来ます。終電に乗車するのは同じでも,行きつけのシネマに立ち寄ってから帰りますと,土曜の朝の目覚めが違います。
もしよろしかったら,当方も貴宅にお邪魔し,学習させて頂きます。

投稿: とみ | 2006年3月11日 (土) 00時56分

★とみさん、
こんにちは、初めてご挨拶にお伺いしました!

先日は『ミュンヘン』での行き来が叶い、
また、「ストーンズ追加公演」のエントリーにもお越し頂きありがとうございました!!

***

◇『ミュンヘン』

>結末は知られているが,スピルバーグの
>メッセージがどう出るか緊張は続く。

僕もエンディングは漠然と分かっていましたが、
この硬質で重みを孕んだ164分が、あのエンディングに収斂して行くような映画ぶりに素朴に痺れ揺さぶられました。
また、おそらくは、それを知らぬ観客に取っても、とみさん仰るような部分の緊迫を孕んだ164分の映画体験となるのではないかとも僕などは思う次第です。

***

さて、『ミュンヘン』でTBさせて頂いて以来、ちょこちょこ(^^)飛んできては、とみさんのエントリーを少しずつ楽しく拝読しています。

こちらにエントリーされた膨大なあれこれ(―映画のみならず、観劇、音楽、旅行等々…)は、とみさん(―少々迷うのですが、おとみさんの呼びかけでも構わないのでしょうか?)の豊かさ、心豊かな生活の反映ですね!!

私事ながら、現在の仕事多忙を乗り越えたら、既読したエントリーを含めしかと拝読させて頂きます。(―先刻、当方「Blog People」内にリンクを取らせて頂きましたので、こちらもご報告させてください。)

それでは、また、当方にもお気軽に遊びにいらしてください、
まずは、今後とも宜しくお願い申し上げます!

投稿: ダーリン/Oh-Well | 2006年3月10日 (金) 17時56分

>悠さま
オリンピックが始まる日に見ましたが,終わるまで感想をアップしませんでした。72年の欧州の映像が懐かしかったです。
トリノ,結果はとにかく,平和に終幕したことが何よりも喜ばしいです。
ワタクシもフランス版ゴッドファーザーファミリーに心惹かれました。生業として工作を行っていても,家族を愛し主義主張に加担しないというありようは憎いです。
アカデミー賞に数多くノミネートされていますが,賞の行方もそろそろ気になります。

投稿: とみ | 2006年3月 4日 (土) 19時42分

シニカルなどを遭遇しなかった。


投稿: BlogPetの獅子丸 | 2006年3月 4日 (土) 13時16分

国が、関与して非合法な「殺人」やっていいのかい、ってのと、ドイツは、あのとき、オリンピックをとめてもよかったのでは、と思ったりしてます。
私は、料理のうまいパパ、その息子=国に加担しないーってのがかっこいいよな~と思ってみてました。
「女中たち」@ジャン・ジュネ観劇予定なんで、ジュネ関連それとなくたぐってたら、パレスチナ解放戦線を支持してたみたい。

投稿: 悠 | 2006年3月 4日 (土) 11時09分

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» 「ミュンヘン」@映画 [こ・と・ば・言葉]
ホテルのバーでの主人公と美人との会話女「明日は仕事で朝がはやいの」男「仕事は何? [続きを読む]

受信: 2006年3月 4日 (土) 11時48分

» ■〔映画鑑賞メモVol.9〕『ミュンヘン』(2005/スティーヴン・スピルバーグ) [太陽がくれた季節]
~「第20回冬季トリノ五輪開催記念」(^^)あれこれ―その2:ああ、ミュン篇(^^) →その1:ああ、トリノ五輪篇~僕のメダル獲得予想は「金3、銀3、銅4」は、こちら! →その3:ああ、名古屋篇~ストーンズ「名古屋公演」行くか行くまいか...は、こちら! おはようございます、ダーリン/Oh-Wellです! さて、2月12日の朝を迎えました。東京は穏やかな晴天です!! 私め、友人に誘われたこともあり、今週中に『ミュンヘン(2005/スティーヴン・スピルバーグ)』〔>1:IMD... [続きを読む]

受信: 2006年3月 5日 (日) 02時33分

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