« 獅子を飼う | トップページ | 人形は口ほどにものを言い・赤川次郎 »

2006年1月22日 (日)

仮名手本忠臣蔵・上村以和於

仮名手本忠臣蔵
上村 以和於著
慶応義塾大学出版会 (2005.10)
通常24時間以内に発送します。

格調高く,洞察力鋭く,お芝居に関わった全ての人々への限りない愛に溢れる上村以和於氏の最新刊。演劇界に連載されたエッセイを編集加筆したもので,仮名手本忠臣蔵鑑賞の優れた手引きとなるだけでなく,あらゆるジャンルの忠臣蔵もの楽しみを倍増すると共に,日本人の精神の根底に潜む仇討礼賛を解き明かす文化論ともなっている。
元禄年間に地方大名が引き起こした殺人未遂事件と,これに続く家臣団の殺人の完遂という二つの蛮行が,なぜ時代を変え,後の世の日本人の精神世界を支配する快挙となり得たのか。決定版となった仮名手本忠臣蔵の各段を読み解き,丁寧にドラマツルギーを解説して頂いているので読み進むに心地よい。
なかでも全編のヒロインおかるとその家族,悲運の恋人勘平のくだりは,エッセイの粋を超えて作品世界に誘ってくれる。
今月の歌舞伎興行は,仮名手本忠臣蔵,五段目及び六段目が東西新旧競演となっていて,作品の持つ力の凄さを見せつけられたばかり。観劇の芳醇なアぺリティブにも,ビターな食後のエスプレッソとしても最適の書である。

|

« 獅子を飼う | トップページ | 人形は口ほどにものを言い・赤川次郎 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

>ゆきよさま
おー!やはり行かれましたか。加納さんのご出演及び演出で行こうかと考えましたが,結果として三谷さんを拝見することになりました。文楽や歌舞伎では終日となるところが2時間40分とは身体にやさしいですね。
兵庫県立文化芸術センターには管弦楽団が結成され,佐渡裕氏が芸術監督にご就任。3月に京都コンサートホールでお披露目公演があります。佐渡氏郷里の京都市は大魚を逃したようです。

投稿: とみ | 2006年2月 1日 (水) 23時04分

おとみさま
悠さまがご紹介なさったのは恐らく兵庫県立芸術文化センターの兵庫県立ピッコロ劇団公演「KANADEHON忠臣蔵」かと思います。で、観て参りました。
脚本は石川耕士氏の猿之助歌舞伎より、演出は花組芝居の加納幸和氏、由良之助は渡辺徹氏でした。
大序から討入りまで、普段歌舞伎では省略されてしまう十段目天川屋義平内の場も盛り込み、19時開演で21:40終演というコンパクトさ!!
よくまとまっていて分かりやすかったです。舞台装置も簡潔で現代的に(いえ、あくまで着物を着た時代劇ではありましたが)演出された舞台でした。どの場にも蝶がいたのですが、あれはどういう意味だろう…?というギモンが残ったものの、忠臣蔵という物語がよくわかりました。
ただ、歌舞伎を見慣れてきた者にとっては、あまりにスピーディーな展開に、少々重みが感じられないこともありました。特に先日美しい仁左玉さまの六段目を観ていただけに、六段目の勘平が早とちりのオバカに見えてしまったことが残念です。各務さんは好きなのですが…。

投稿: ゆきよ | 2006年2月 1日 (水) 22時21分

書き方まずくてごめんなさい。どこかの劇団のはなしです。シアターガイドでチェックしたはずなんですが、本がどこかへ行ってます。

投稿: 悠 | 2006年1月23日 (月) 21時06分

>悠さま
なつかしいですね。あれから,震災を経て神戸の街も新神戸オリエンタルの運営方針も変わりました。
再演があるとは楽しみですね。新神戸のHPチェックしてみます。

投稿: とみ | 2006年1月22日 (日) 20時23分

新神戸オリエンタル劇場の杮落としが「仮名手本忠臣蔵」@蜷川幸雄演出。台本は、歌舞伎のものを用いて、通しで見せてくれました。蔵之介は、近藤正臣さんでした、たしか。
最近、チラシみてましたら、歌舞伎台本を用いて、通しでやるみたいです。その当時は、歌舞伎にも興味がなく、え、忠臣蔵ってこういう物語だったのってな感じでみてましたが^_^;

投稿: 悠 | 2006年1月22日 (日) 19時55分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 仮名手本忠臣蔵・上村以和於:

« 獅子を飼う | トップページ | 人形は口ほどにものを言い・赤川次郎 »