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2006年1月15日 (日)

獅子を飼う

15日(日)兵庫県立芸術センターに,「獅子を飼う」を見に行った。
同演目の初演は1992年,「ひょうご舞台芸術」の第1回公演として,平幹二郎丈及び板東三津五郎丈主演で上演された。今回は,昨秋オープンした兵庫県立芸術センターの記念事業として,1月前半に地元で,後半に東京池袋のサンシャイン劇場でかけられる。
戯曲は,芸術監督山崎正和氏,演出は栗山民也氏
キャスティングは以下のとおり(敬称略)。
千宗易:平幹二郎,豊臣秀吉:板東三津五郎,ねね:平淑恵,於絹:大鳥れい,豊臣秀長:高橋長英
天正16年(1588年),豊臣秀吉の天下平定は成り,聚楽第に天皇を迎えた。このとき接遇を務めたのが,堺の納屋衆から天下一の茶匠となった千宗易。戦乱の世は鎮まりつつあり,公家文化に変わる武家文化により天下支配を目論む秀吉にとって,茶の湯とそれを司る宗易は必要な人材であった。しかし,この日を境に蜜月は終わろうとしていた。二人の仲を気遣い修復しようとする弟秀長と北の方ねね。宗易は敢えて秀吉の不興をかうような行動をとる。秀吉は天下人の威信にかけて黙殺する。

演技者が容姿も技術も優れているのも自明のこと。衣装も傾いて斬新。装置は象徴的で芸術性が高く,観客の知識を試す。照明や火の使い方も演技者の心象を映し出し秀逸。音響も伝統芸能のあしらいを踏襲し,耳慣れている者に分かりやすい。
板東三津五郎丈演じる秀吉さんは,感情の起伏が激しく暴君的であるが人間味あふれかわいい。平幹二郎丈の宗易は,自己にも他者にも厳しいストイックな求道者としての印象が強い。この平幹丈の役者としての特性が物語の主題を幻惑する。宗易は,命を賭して傲岸不遜にも天下人を精神的に支配しようとしたのか。
結論は,観劇した者の心ごころの中に…。
写真は兵庫県立芸術センターNEC_0061 NEC_0060

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演劇」カテゴリの記事

コメント

>若菜さま
ジャンルの異なる二種類の踊りの凄さにため息がこぼれてましたね。
兵庫県立芸術センターでは,千穐楽にはお茶席がありました。お茶のたしなみがあられる若菜さまならではの,装置及び小道具の解説ありがとうございます。ワタクシなりに解読したのですが,半分も分かっていなかったことに気が付きました。
ありがとうございました。
平幹丈は,テンペストのプロスペロー,リア王,タイタス・アンドロニカスのタイトルロール等がお似合いの日本のシェイクスピア役者の第一人者であられます。時代劇においても,義経や蝉しぐれなど記憶に新しいところです。ワタクシが唯一全て見ると決めている役者さんです。
後ほど,貴宅へもお邪魔致します。

投稿: とみ | 2006年1月25日 (水) 23時49分

堪能して参りました!!三津五郎さんの違った一面を拝見できて、満足☆です。サンシャイン劇場はあまりキャパがないようで・・パネルの展示などなく少し残念。三津五郎さんのお誕生日ということもあり、お花が足の踏み場もないくらい届いていました。

こういう時だけですが、お茶やってて良かったなぁ~と。利休と秀吉の話は先生から耳にタコができるほど聞かされているので、物語にスンナリ入ることができました。あの踊り可愛かったです!!

一番の見せ場=利休と秀吉が対峙するシーン。食い入るように見てしまいました。演出(特にお炭の炎)が効果的でしたね。サンシャインの舞台はアクリル板みたいな黒い舞台だったので、心が現れるような気分でした。

三津五郎さんもさることながら・・平さんの魅力にも開眼してしまった私。なんてカッコいいんでしょう!!もう、途中から平さんばかり見てしまいました(汗・・)手とかとても綺麗で、皺なんてほとんどありませんでした!本当に72歳なのでしょうか?お背も高くて・・素敵です。

なんだか、まとまりがないコメントですいません。自分のブログにもどう感想を書きとめようか・・正直迷っています。

投稿: 若菜 | 2006年1月25日 (水) 11時58分

>るみさま
兵庫県立芸術センターは,コンサートもミュージカルも大評判のようですね。何と言っても阪神間は文化の消費者層の厚さが違います。るみさまは大ホールでしょうか。
また,行った感想として,観客の年齢層が歌舞伎より更に高かったように思いました。
平幹丈はご高齢ですが,中村富十郎丈と同じく,やけどしそうにやばいです。巨悪がお似合いです。テンペストのプロスペロー,リア王やタイタス・アンドロニカスのタイトルロールがイメージです。
今日大阪松竹座通し行って参りました。また,報告します。

投稿: とみ | 2006年1月22日 (日) 01時05分

とみ様、こんばんは。
私も先月この会場に行きましたが、すごく立派ですよね。
その時は1階の後方でしたが、とても見やすかったです。
さて、観劇記拝見しました。恥ずかしながら三津五郎さんと平さんの役、逆だと思っていました。三津五郎さんが秀吉なんですね。
最近、平さんがとても気になります。
すごく個性の強い役者さんですので、舞台ではどんな感じなのかな?と興味津々です。
次回、機会があれば行ってみたいと思います。

投稿: るみ | 2006年1月21日 (土) 21時10分

きょう獅子丸は感情は結論するつもりだった。

投稿: BlogPetの獅子丸 | 2006年1月21日 (土) 12時04分

>若菜さま
初めての劇場に行くときほど生きていてよかったと思うことはございません。兵庫県立芸術センターには,地元びわ湖ホールは,景色では勝てますが,内部空間は惨敗です。支える地域の高額納税者数も惨敗でしょう。床も壁も木質系で音が柔らかいです。客席の傾斜も見やすく,椅子がまたよい!。前後のスペースもゆとりあります。
ロビーには前公演のパネルや装置の模型が展示してございました。少し早めの入場をお勧めします。
三津五郎丈はジャンルの異なる舞踊をご披露なさいます。あまりの素晴らしさに客席から,ほほぅというため息が…。
らくがきにんさまのHPにも記述しましたが,お二方の対決は,「道元の月」のようながっぷり四つではなく,薄氷を渡るとか,獅子の尾を踏む怖さでした。
ネタバレを気遣い書ききれなかったことは,また月末にでも考えをまとめます。
あ,獅子丸のお家ではお世話になりましたm(__)m アリガトォ。祇園一力風・ベンガラ壁のお茶屋にしてみました。

投稿: とみ | 2006年1月16日 (月) 23時08分

こんばんは。早速のご報告ありがとうございます!!
凄いウキウキしながら一気に読んでしまいました。

劇場の素晴らしさもさることながら・・そこで演じる役者さんも超一流。
衣裳や照明にも目を向けてみますね。
・・といいながら三津五郎さんばかり目で追ってそうです(笑)

確かサンシャイン劇場では舞台の演出上、客席の4~5列目までが使えないと聞きましたが・・兵庫でもアッと驚く演出があったのでしょうか?
これは、ネタバレにつながってしまうのかな?

追伸:獅子丸くんの背景、とみさんのブログに合ってますね!
少しはお役に立てましたでしょうか?

投稿: 若菜 | 2006年1月16日 (月) 22時40分

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» 獅子を飼う [豆若茶房]
観覧から2日経ちました。いつもの私なら、その日のうちに感想をUPしているのですが、思うことアリ・・時間だけが過ぎてしまいました。(いや、実は・・精神的にも体力的にも限界が・・きていました。) 『獅子を飼う』私もいろいろな方の感想を拝見させていただきましたが...... [続きを読む]

受信: 2006年1月25日 (水) 15時49分

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