坂田藤十郎襲名披露興行夜の部
心残りがあったので,18日(日),夜の部も出掛けた。
夜の部には,襲名披露口上がある。襖絵がまずトレビアン。いまだかつて見たこともないクリムト裸足,黄金色に輝くアールヌーボー調である。並々ならぬ藤十郎丈のご決意が伺える。
披露演目の本朝廿四孝は,十種香と奥庭狐火の段。文楽を意識した後ろ姿を見せる演出(十種香)と,まんま人形振り(奥庭狐火)。何でも人間国宝吉田文雀丈の監修とか。菊五郎丈の勝頼様は,三階から拝見すれば,菊之助丈に見えなくも無い(爆)。仁左衛門丈,吉右衛門丈,梅玉丈はご馳走出演である。
中村芝雀丈(白い着物の姫の拵え)と尾上菊之助丈(赤姫の拵え)は,相生獅子。おふたりともかわゆらしいこと。菊之助丈は,前シテの姫もはきはき,きっぱりと舞われ,後シテの獅子はスピーディに躍動感溢れ,男の子になっておられた。鑑獅子がなつかしく,直ぐにでも見たくなってしまった。
写真は2階ロビーに展示されている本物の紙衣と紙帯で,夕霧名残の正月で,藤十郎丈が着用されているものののレプリカである。
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コメント
>六郎さま
昼の部だけでも十分ご堪能できたかと存じます。歌舞伎座は通常3本立てですが,今年の南座顔見世は,しっかりこってり5本立て。堪能しました。
舞台写真もかわゆらしいのがございましたし,写真入り筋書きをながめ良い夢見をなされますように…。
投稿: とみ | 2005年12月27日 (火) 21時37分
土曜日に南座まで行ってまいりました。
・・・が、昼夜通しで観劇するつもりが、調子があまり良くなかったので昼の部のみで帰宅。口上と本朝廿四孝はTV放映に期待したいと思います。
相生獅子は舞台写真で我慢・・・(涙)。
でも、『京人形』の菊之助丈が想像以上に美しかったので、かなり満足しております。私が観劇した時も、蓋が開けられた瞬間、客席がどよめいてましたよ。
投稿: 六郎 | 2005年12月26日 (月) 23時21分
>るみさま
テレビ中継あるようですよ。タノシミに待ちましょう。
十二夜の修理之助のお衣装が,勝頼さまのお衣装を転用したのもですから,逆ですね(笑)。
夜の部は,口上がある分幹部俳優さんは大役ではなくごちそうにまわられました。
もうすぐ千穐楽。益々盛り上がっていることでしょう。
投稿: とみ | 2005年12月25日 (日) 01時15分
とみ様、こんにちは。
顔見世は本当に大ご馳走ですよね。
観劇記を読ませて頂き、夜の舞台が目に浮かびました。
菊五郎さんが菊之助さんに!!(笑)
確かに遠目から見たら、親子だからそっくりなのも頷けます。
テレビ中継は無いのでしょうか?
勘三郎さんの時は、テレビで大々的に放送されてた気がするのですが…
投稿: るみ | 2005年12月23日 (金) 11時45分
>恵美さま
口上の襖絵は,写真入筋書きでご確認ください。藤の花や幾何学的な草花模様がと金箔のコントラストが見事です。
人形振りは引き抜きまでで,そこからは人形遣いさんは退場。眷属の狐さんは人形遣いが遣います(あたりまえか。)。
>古典めざましタイさま
敢えて避けた話題に鋭い突っ込み,ありがとうございます。
文楽人形の振りは,リフトはとにかく,床に置いたときに,中が空洞に見えるかというところがポイントでしょうか。
箱入りの京人形は中が詰まっていて自立しますので,中身パンパン,O.K.です。
投稿: とみ | 2005年12月22日 (木) 19時47分
TB有難うございました。
人形振り如何でしたか?。私が以前観た時は、黒衣達が持ち上げる姿に、ただただ涙…とっても重そうだったもんで(笑)
「襖絵」見てみたいです。大晦日に放映される時は「口上」があるのでしょうか…。
投稿: こてん | 2005年12月21日 (水) 17時24分
早速の記事UP、ありがとうございます。
口上の襖絵、気になります。
文楽仕立ての本朝廿四孝、狐の舞はいかがでしたか?
お写真は紙衣と紙帯ですね。
舞台近くで拝見しましたので、紙衣の風合いが印象深く残っています。
助六もちゃんと紙衣にすればいいのに・・・。
投稿: 恵美 | 2005年12月21日 (水) 10時30分